ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.17(2012/09/01〜02) @
9月最初のノリクラ雪渓カレンダーをお届けします。
振り返って見ると、5月中旬から連載開始したノリクラ雪渓カレンダーも、残りのほうが少ない状況となってしまいました。しかし、残りの2ヶ月は「紅葉」というグリーンシーズンを締めくくるにふさわしいイベントが残されています。そんな紅葉に向けてのカウントダウンが、もう始まっているようにも感じられた二日間でした。
取材一日目の9月1日(土)は、夜明け前まで曇り空でしたが、日が高くなるにつれて青空が広がるようになって来ました。夏休みが終わりに近づき、これまでは平日でもたくさんのマイカーが訪れていた観光センター前駐車場は空きスペースが目立つ状況。さすがに肌を焦がすような日差しの強さはなくなり、汗ばむような雰囲気は一切見られず、暑さとか寒さといった温度感を感じさせない状況に、季節が次へと移ってきたことを実感させます。周囲の葉の色合いも徐々に薄くなってきて、紅葉への準備もカウントダウンを始めています。午後になって、山麓から湧き上がる雲が大雪渓周辺を覆い始めて、視界が妨げられる状況が見られますが、それ以上の天候の変化はなく、穏やかな初秋の一日を楽しむことができました。
取材二日目の9月2日(日)は、夜明け前まで小雨の降る状況でしたが、日の出を迎えると雨はやんで雲間に青空がのぞき始めます。いつもは西から東へと天候が移り変わって行くものの、今日は東から西へと逆の方向へ雲や風が流れて行きます。大雪渓など山頂方面は午前中は濃霧・小雨でしたが、午後になって回復傾向となります。ただ、冷え込んだ空気に包まれて、大雪渓を滑るスキーヤーも厚手のウェアを着込んでも寒さに震える状況でした。
今回より 紅葉情報(6ページ目) を開始いたします。まだ、本格的な紅葉まで2〜3週間ほど時間が必要かと思います。
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
【9月1日(土)、観光センター前駐車場】
今月最後の満月の夜 |
こちらは取材前夜の8月31日(金)の夜。先ほどまでの雨が収まり、東の空からは明るい満月が昇り始めました。
8月最初の満月の夜
− 今月は満月が2回(ブルームーン) |
さて、こちらの二枚の画像は約1ヶ月前の8月3日(金)の様子。実際の満月は8月2日(木)ですが、ほぼ満月の明るい状況に、周囲が真昼のごとく照らされています。
このように同じ月内に2回も満月がやってくることをブルームーンと呼んでいます。
雨上がりには二つの満月 |
激しく降った雨が収まって昇る満月。雨上がりの水溜りにはもう一つの月が映り、ダブルな満月がブルームーンであることを知ると、二度おいしい気分になってちょっと小粋でしょうか...
観光センター前駐車場 |
そして、こちらは一夜明けた早朝5時30分の観光センター前駐車場。
夏休みが終り閑散とした雰囲気 |
先週まではたくさんのマイカーがお越しになっていたものの夏休みが終わりに近づき、やや閑散として状況です。
シャトルバス始発便 |
それでもシャトルバスはいつものように6時10分の始発便からAダイヤにて運行開始です。これからの時期は徐々に日の出が遅くなってきます。そのため、8月中は3時40分だったご来光バスは、9月からは4時10分へと出発時間が遅くなります。
また、ご来光バスは9月いっぱいで終了いたしますので、まだ、ご来光を体験されていない方はお早めにお越しください。
気温14℃ − これからは朝晩が冷え込む |
気温は14℃。真夏なら朝一番でも半袖で問題ない状況でしたが、長袖にされている比率のほうが多くなってきます。そして、9月中旬以降になると、冷え込みを感じる朝が多くなってきて、風邪を引かないように気をつけなければならないほどです。
そして、いつものようにシャトルバスは出発して行きます。
青空が広がってきた |
その後、急速に青空が広がってきて、早く出かけなければ...という雰囲気にさせられます。
ヒルクライムの準備 |
そんな青空に急かされるようにヒルクライムに出発する方々の準備風景が見られます。
「辛くても絶対に好きになっちゃうよ」 |
メンバーの中には何度もノリクラにお越しになっている人、初めての人など様々で、「ノリクラのヒルクライムは絶対にいいから...辛くても絶対に好きになっちゃうよ」と、アドバイスする様子もありました。
さわやかな秋空を楽しむヒルクライムへ |
全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が終わるまでは、トレーニングモードの選手がハイスピードで駆け上げる様子ばかりでしたが、大会が終わって、風景を眺めながらのんびりとヒルクライムを楽しむ方々がたくさんお越しになります。
これからの時期のヒルクライムは、秋空と紅葉を楽しむには欠かせないアイテムであり、さわやかな秋風が夏のヒルクライムとは別の感覚を与えてくれます。
【大雪渓までの沿道の風景 T】
鈴蘭バス停前 |
それではここからは大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。
鈴蘭小屋・鈴蘭バス停前のカエデ 乗鞍で一番早い紅葉、例年8月中旬頃から色づく |
ノリクラの紅葉は標高2600メートル付近の大雪渓エリアが9月中旬〜下旬頃に始まるのを皮切りに、位ヶ原→冷泉小屋→摩利支天→三本滝と徐々に山麓へと下がって行き、乗鞍高原に紅葉全線がやってくるのは10月上旬〜中旬頃です。
こちらは鈴蘭バス停前のカエデ。おそらく乗鞍高原だけでなく大雪渓エリアなどを含めた乗鞍一帯の中で、最も早く紅葉が進んでいるスポットと言えます。例年、8月中旬ごろから色づき始め、乗鞍高原が本格的な紅葉を迎える10月中旬までこのような状態が見られます。
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今週の鈴蘭バス停前 |
昨年の鈴蘭バス停前(紅葉) 2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2011/10/15〜16) E |
左の画像は今週の鈴蘭バス停前の様子。部分的に紅葉が始まったことは前述のとおりです。そして、右の画像は紅葉が見頃を迎えた昨年の鈴蘭バス停前の様子。撮影時期は10月中旬です。
ご覧のように乗鞍高原の紅葉は一ヵ月半も先のことです。今後、ノリクラ雪渓カレンダーや速報で、紅葉情報を連載して行きますので、くまなくチェックしていただき、見頃の時期に狙いを定めてお越しください。
鈴蘭バス停以外の箇所では、紅葉なんて雰囲気はまだ感じられません。
ヤマウルシ(左)やヤマブドウ(右)は紅葉が始まる |
ただ、よく観察してみると、ヤマウルシやヤマブドウの葉が変化を始めている様子がわかります。ご覧のようにまだ紅葉が始まったばかりですが、ヤマウルシはかなり綺麗な色合いを見せてくれます。そのため、不用意に手にとってしまう方がいらっしゃいます。
ヤマウルシはその名のとおり「漆」ですから、絶対に触れないようにご注意ください(かぶれます)。また、ヤマブドウは「ぶどう葉寿司」として、塩鱒と酢飯をヤマブドウの葉に包んで作る乗鞍高原の郷土料理に使用されます。ヤマブドウの葉はかぶれませんのでご安心ください。
シラカバ | 黄色く変化 − すぐに落葉するのが難点 |
シラカバの木をよく見るとご覧のように黄色く変化が始まっています。ダケカンバと異なり、木全体が黄色く紅葉するような光景にめぐり合えることが少なく、部分的に紅葉が始まったかと思うと、すぐに落葉してしまう点が惜しいところです。
三本滝ゲート − この先マイカー規制 |
観光センターから約7kmほどのところにある三本滝ゲート。マイカー規制はここから実施されます。三本滝ゲートをさらに進むと、県道乗鞍岳線はかもしかゲレンデを縫うように横切ります。
かもしかゲレンデ − 白い花が分布 | ゴマナが咲き誇る |
9月になってもまだまだ山野草の花々の季節が続きます。かもしかゲレンデをよく見ると帯状に白くなっている部分に気付きます。先週もお伝えしたゴマナ(キク科シオン属)が、かなり優勢になってきました。
黄色の花 | アラゲハンゴンソウ |
さらによく見てみると、黄色くなっている部分もあります。こちらはアラゲハンゴンソウ(粗毛反魂草、別名:キヌガサギク、キク科オオハンゴンソウ属)、帰化植物として各地で除去作業が行われるオオハンゴンソウの仲間で、北米原産の植物です。明治時代に観賞用として持ち込まれ、各地で野生化しつつあるとされています。
乗鞍高原でもアラゲハンゴンソウの除去活動が毎年実施されていますが、根絶させるまでには至っていないようです。
ヤナギラン |
ヤナギランの見頃はそろそろ終りに近づきつつあります。(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
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