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ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.1(2013/03/23) @
2013年の春山シーズンがそろそろ動き始めました。例年、ツアーコースの積雪量は、3月下旬から4月上旬に最も多い状況になりますが、この冬のツアーコースはこれまでになく寒かったこともあり、3月下旬を待たずに3月中旬でピークを迎え、過去数年間で最高の積雪量となっています。
3月上旬までは、この寒さがいつまで続くかと思ったものの、やはり3月の声を聞くと季節も目覚めるもので、3月中旬から一気に春めいてきて、これまで一向に変化のなかった季節の移り変わりを挽回するかのような勢いで暖かくなり、春スキーの雰囲気をしっかりと感じさせるようになって来ました。
さて、3月23日(土)は、晴れているものの若干雲量の多い朝を迎えます。気温はマイナス3℃ですが、まったく寒さはありません。次第に風が強くなり、上空は激しく雲が行き交う様子が見られます。しかし、気候的に寒さはなく春山らしい穏やかな雰囲気で、今回は今シーズン一番の人出がツアーコースには見られました。雪質はまるでゲレンデのような固めのコンディションで、バーン表面がクラストやパックされた様子はなく、昨晩の新雪がうっすら乗っているだけですから、かなり滑りやすいコンディションといえます。また、森林限界を超えた大雪渓・摩利支天などでは、新雪が5〜10センチ程度降り積もってプチパウダーが楽しめる状況でした。これまでなら、乾いた軽い雪質と強風のために新雪は吹き飛ばされ、上部エリアは凍てついた硬いバーンの広がる状況でしたが、このようにパウダーが楽しめるようになり、そんなところからも、季節が厳冬期から春山シーズンへと移り変わってきた証拠とも言えるでしょう。
それでは、今シーズン最初の雪渓カレンダーをお届けいたします。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【3月23日(土)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
こちらは早朝7時過ぎの観光センター前駐車場。
晴、若干雲量の多い − ノリクラは雲の中 |
気温は0℃。雲量が若干多い晴天で、東の空から昇り始めた朝日も、西の空に聳えるノリクラの峰々も、雲の中に隠れています。
昨晩の降雪でうっすらと雪化粧 − 3月の乗鞍高原はまだ冬が続く |
昨晩はうっすらと降雪があって、ご覧のように屋根を白くさせています。3月下旬の乗鞍高原は気候的には厳冬期を脱して、朝晩の冷え込みの厳しさから開放されてきました。しかし、まだまだ降雪に見舞われることが多く、服装などの装備はまだ冬物が手放せない状況です。
除雪の雪山で、駐車スペースは夏場の半分 |
グリーンシーズンは200台以上のマイカーが駐車できるスペースのある観光センター前駐車場も、冬季は駐車場内の除雪のため、周囲は雪の山に囲まれる状況となり、駐車スペースも半分程度にまで狭められます。
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先週の観光センター 速報(2013/03/16) |
今週の観光センター この1週間で急激に雪解けが進む |
今年の乗鞍高原は例年よりも積雪量の多い状況が見られました。しかし、3月に入ってから気温の高い日が多くなり、3月中旬以降は急激に雪解けが進んでいます。
特にこの1週間の変化は激しく、左の画像のように、先週の3月16日(土)は腰の高さ程度まであった観光センターテラスの積雪も、今週はほとんどなくなっています。
観光センター売店 | 冬季休業中 |
さて、グリーンシーズンは乗鞍岳登山のシャトルバス乗り換え駐車場としてにぎわう観光センターは、冬季はどの施設も冬季休業中です。
シャトルバスも冬季運休 =乗鞍岳春山バスは4月27日(金)運行開始予定= |
こちらはシャトルバスの乗車券発売所。シャトルバスの運行は7月〜10月ですから、こちらも休業中です。しかし、春山スキーや残雪を楽しむ観光客の方々のために、ゴールデンウィークから乗鞍岳春山バスの運行が開始されます。
春山バスが行く県道乗鞍岳線は、スキー場の営業終了とともに除雪が開始され、除雪直後の県道乗鞍岳線は、バスの車高よりもはるかに高い雪の壁が連なり、春山バスの終点となる標高2350メートルの位ヶ原山荘周辺は一面銀世界の光景を楽しむことができます。
例年、1日3往復の運行でしたが、今年から1日4往復に運行本数が増えました。特に観光客の方が位ヶ原山荘周辺での小休憩・散策に適したダイヤとなっていますので、ゴールデンウィークの乗鞍高原周辺の観光スポットとしてもオススメです。
今年の乗鞍岳春山バスは4月27日(土)から毎日運行が予定されています。
ダイヤなどの詳細は、2月7日付けのお知らせ
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2013シーズン 乗鞍高原〜位ヶ原山荘(大雪渓)の春山バス運行について(1日3→4便へ増便)
をご覧ください。
【第3駐車場から】
第3駐車場(Mt.乗鞍) |
こちらは観光センターから約1kmほど先にある、Mt.乗鞍(マウント乗鞍−旧乗鞍高原温泉スキー場)の第3駐車場です。スキー場の駐車場の中では最も大きなもので、土日祝日には松本駅からの無料シャトルバスが第3駐車場まで運行されます。(今シーズンは3月20日で運行終了しました。)
無料シャトルバスは松本駅を出発すると、途中、スノースマイルエリアのりくら(旧いがやスキー場)、観光センター前、Mt.乗鞍事務所前に停留し、終点の第3駐車場に到着します。雪道のマイカー運転に自信のないスキーヤー・ボーダーの方はもとより、湯けむり館などの温泉を楽しむ方などの利用もあるようで、電車・路線バスを利用して乗鞍までやってくる運賃などを考えると、このようなサービスはありがたいものですね。
第3駐車場前の道路 − 路面には積雪凍結はありません |
こちらは第3駐車場前の道路。周辺にはまだ残雪は残るものの、路面の積雪は全くないため、雪道走行に慣れていない方でも問題なくお越しになれます。
時にはひどいアイスバーンに −
スリップ続出 速報(2013/03/02) |
ただ、天候の急変で路面状況は一変して、時にはひどいアイスバーンとなってしまいます。こちらの画像は3週間前の3月2日(土)の第3駐車場前の様子です。このときは、Mt.乗鞍事務所前(スキー場前バス停付近)から第3駐車場前までの数百メートルの区間で、スタッドレスタイヤでも走行できない車が続出し、途中でチェーンを装着するマイカーが多数見られました。
なお、ウインターシーズンにMt.乗鞍にお越しの場合、冬用タイヤを装着されていなかったり、雪道走行に自信のない方は、凍結箇所の手前にある
Mt.乗鞍事務所の第1駐車場を利用されることをオススメします。
これほどひどい状況は、厳冬期でもめったに遭遇することはありません。しかし、Mt.乗鞍は山麓でも標高1500メートル前後あり、他のスキー場であれば山頂エリアの標高に相当しますので、4月になってもも雪道走行の装備が必要となることが多々あります。
また、逆に考えると、寒さが厳しい分、しばらくこの先も安定したゲレンデコンディションを楽しむことができるとも言えます。
出発の準備 |
午前8時、第3駐車場では出発に向けて準備を進める山スキーヤーの方々の様子が見られるようになってきます。
スキーアイテムも日々進化(テレマーク NTN) |
山スキーの機能も年々進化しており、どんどん新しいものが出回っています。テレマークスキーのビンディングはワイヤーのフックで踵部分を固定するのが一般的なスタイルですが、こちらのビンディングはつま先と足裏をワンタッチで固定する機構です。そのためのビンディングもブーツも新しい規格に沿ったものとなっていて、アルペンスキーのビンディングのように、転倒時にブーツがリリースされる安全機能も備わっているとのこと...
ちょっとした転倒でもビンディングがリリースされずに、足首を捻挫・骨折する事故はゲレンデスキーも発生していますが、ゲレンデ以上に救助が困難なバックカントリースキーでは、安全面を優先にした道具選びも重要でしょう。
チケットセンター | 1回券を購入(一人2〜3枚) |
さて、準備が整えば、リフトに乗車して、スキー場最上部にあるツアーコース入口へと向かいます。まずは、チケットセンターで1回券を購入します。ツアーコース入口まではリフトを2〜3本乗り次ぐ必要があります。(リフト1本=1回券×1枚)
3枚購入 − リフト3本を乗り継ぐ |
「リフト2〜3本」と、申し上げるのは、2本でも3本でもどちらでもよいからです。もっとも、一般的には「リフト3本(1回券×3枚)」であると思います。3枚のリフト券を購入したら、スキー・ボードを装着して、チケットセンターからやまぼうしゲレンデを一旦滑り降り、やまぼうしリフトの乗り場から乗車します。
2枚購入 − 一つ上のリフトまで歩く |
しかし、チケットセンターはやまぼうしリフトのちょうど中間部分に位置しているため、「滑り降りるのはもったいない!」と、考えられる方や、スノーシューなど滑り降りる道具を持たない登山の方々が、延々とやまぼうしリフト乗り場まで歩いて降りるのは時間的なロスがあり、一つ上のリフト(夢の平クワッドリフト)まで登って行く方もいらっしゃいます。
この場合、やまぼうしリフトを利用しませんから、「リフト2本(1回券×2枚)」となります。
夢の平クワッドリフト |
やまぼうしリフトを乗ってたどり着くのは夢の平クワッドリフト。もちろん、チケットセンターから歩いても同じ場所に到達できます。この先はどちらの場合もリフトを利用することになります。
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リフトからの眺望 今日は残念ながら望めない |
先週の眺望 − ノリクラの峰々が一望できる 速報(2013/03/16) |
今回は曇っていてリフト上からの眺望は残念ながら楽しむことができませんでした(左の画像)。右の画像は先週の3月16日(土)のリフト上からの眺望です。Mt.乗鞍のゲレンデからは、ご覧のように乗鞍岳の峰々がはっきりと望むことができる箇所が数多くあります。
乗鞍岳(のりくらだけ)は、乗鞍23峰の山々からなる総称で、その主峰は標高3026メートルの剣ヶ峰(けんがみね)です。一般的には乗鞍岳と言えば主峰の剣ヶ峰をを指す場合が多いかと思います。
右の3月16日(土)の画像では、一番左のピークが高天ヶ原(たかまがはら、標高2829メートル)で、その右側のピークが剣ヶ峰です。そして、さらに右側には摩利支天岳(まりしてんだけ、標高2872メートル)、富士見岳(ふじみだけ、標高2817メートル)、大黒岳(だいこくだけ、標高2772メートル)へと乗鞍23峰が連なって行きます。ただし、高天ヶ原は乗鞍23峰には含まれていません。
かもしかペアリフト − スキー場最上部へ |
夢の平クワッドリフトを降りて、スキー場最上部のかもしかペアリフトへと向かいます。
積雪が多く、雪面がリフトに迫る | ツアーコースが見えてくる |
積雪量の多いところでは、リフト搬器から2メートル程度しか高さがないところもあり、リフト線下は滑走禁止です。そして、かもしかペアリフトの降り場に近づくと、ツアーコース入口をすぐに確認できるはずです。
ツアーコース − この先は管理区域外 |
かもしかペアリフトを降りると、もうこの先はスキー場の管理区域外のツアーコースの始まりです。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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