ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.3(2013/05/24〜26) @
5月下旬はよい天候が続く日が例年多く、今回も1週間にわたって晴天が続きました。何を行うにしても気持ちよくすごせる毎日です。
5月24日(金)は、おそらく一年を通して見ても、今日ほどの絶好の天候・気候は他にはないのではないかと思うほどの一日でした。早朝6時の気温は3℃と冷え込みました。朝日が燦々と降り注ぐようになると、いつもなら少しばかり灼熱感を感じさせるようになるものの、今日はそんな太陽の暑さすら打ち消してしまうほどのさわやかな空気に包まれます。快晴の空は一向に変化する気配を見せず、そして、乾いた空気感も変わりません。山頂目指して登って行く足取りもいつも以上に軽く弾んで行きます。そして、今日ほど風に吹かれることの心地よさを感じることはできないのではないかと思うほどの状況で、5月下旬の清々しさを久々に味わうことができた一日となりました。
5月25日(土)も、朝から快晴です。空気感は昨日ほどではないものの清々しさがあります。しかし、思った以上に暑さを感じさせる状況で、バーンもザクザクになり、日差しの強さを感じます。そのため、額に汗を滲ませながら登ってくるスキーヤーの様子もありますが、きれいに晴れ上がった絶好の条件であることには違いありません。ただ、午後になって急激に雲が沸き始め、山頂方面は濃霧に包まれてしまいました。
5月26日(日)も、前日までと同様に快晴の朝から始まりました。ただ、今日は強い日差しに9時すぎから雲が見られるようになり、次第に夏雲がわき始めます。午後からは雷鳴がとどろくようになり、山麓の乗鞍高原では通り雨に見舞われましたが、大雪渓などの山頂方面は天気の崩れはありませんでした。少しずつ、梅雨の時期に近づいてきている雰囲気を感じました。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【5月24日(金)、観光センター前駐車場】
夜の観光センター前駐車場 |
こちらは前日(5月23日(木))の夜の観光センター前駐車場です。
明るい月が昇る(ほぼ満月) |
今月の満月は5月25日(土)ですから、夜空にはほぼまん丸のお月様が昇っています。
満月に照らされてノリクラの峰々が浮かび上がる |
満月の夜は本当に明るいものです。普段は闇夜に飲み込まれているノリクラの峰々もご覧のように綺麗に浮かび上がっています。山肌の残雪模様もはっきりと確認できるほど。
西の空に沈むまで夜空を煌々と照らす |
夜通し照らし続けて来たお月様も、夜明け間際に今日の役目を終えて西の空に沈むまで、雲ひとつない夜空が続きます。まだ明けぬ今日も安定した天候の一日を保証してくれるかのような穏やかな夜でした。
朝の観光センター前駐車場 − 快晴の朝 |
そして、一夜明けた乗鞍高原は快晴の朝を迎えます。
新緑 | シラカバの緑が鮮やかに |
どの季節でも日々の変化を感じるものですが、新緑がまぶしくなるこの季節は、微妙な色合いの変化に敏感になるものです。先週まではほとんど芽吹きのなかったシラカバがこんなに色鮮やかに変身しているのは驚きです。
長くぶら下がるのはシラカバの雄花 |
そのシラカバを良く見ると、細長くぶら下がっているものを見つけます。こちらはシラカバの雄花。雌花は付け根部分に小さくあります。
なんともすがすがしい朝 |
6時の気温は3℃と少しばかり冷え込んだ朝を迎えました。太陽は力強く周囲を照らすものの、暖かさを感じないほど空気の冷たさがあります。でも冬のような冷たさではなく、なんとも心地よいすがすがしさが漂った朝です。
【三本滝レストハウス前駐車場、乗鞍岳春山バス】
三本滝レストハウス前駐車場 | かもしかゲレンデにはもう雪はありません |
そして、こちらは観光センターから7km進んだ三本滝レストハウス前駐車場。今日は平日ということもあり、お越しのマイカーはほとんどありません。また、かもしかゲレンデもほとんど雪がなくなりました。
なお、大雪渓・位ヶ原方面からかもしかゲレンデまで続くツアーコースも雪解けが進んで、今週は下山滑走がほぼ不可能な状態となりました。ツアーコースの状況については、7ページ の【ツアーコース】 のコーナーにてお伝えいたします。
乗鞍岳春山バス始発便到着 | 下山滑走できませんので往復切符を購入 |
そして、いつものように乗鞍岳春山バス始発便が到着します。先ほども申し上げたとおり、ツアーコースでの下山滑走がほぼ不可能な状態ですから、下山も春山バスをご利用下さい。
なお、往復運賃は三本滝から乗車した場合も、観光センター前から乗車した場合も同一料金ですから、これからの時期は駐車スペースの広い観光センター前をご利用になったほうがよいかもしれません。
なお、乗鞍岳春山バスは従来1日3便でしたが、今年から1日4便に増便されて時刻も変更されています。ダイヤなどは、おしらせ − 2013シーズン 乗鞍高原〜位ヶ原山荘(大雪渓)行きの春山バス運行について(2013/02/07) をご覧ください。春山バスの下り最終便は位ヶ原山荘15時34分発です。お乗り遅れのないようご注意ください。
三本滝ゲートを出発 |
三本滝ゲートより先は6月末まで冬季閉鎖中です。そのため、春山バスは通行時のみ、係員がゲートを開錠します。また、7月以降もマイカー規制が実施されていますので、この先はシャトルバスやタクシーを利用することとなります。なお、冬季閉鎖期間中は春山バス以外の観光バス・タクシーは通行できません。
雪解けは一気に(かもしかゲレンデ) |
雪解けが進んで地面が現れるようになると、雪解けのスピードは一気に進んで、残雪はあっという間になくなってきました。
道路脇の積雪も少なくなる | 夜間凍結の心配もなくなる |
そのため、道路脇の積雪も少なくなり、雪解け水が夜間凍結することもなくなってきました。
標高1460メートルの観光センター付近ではシラカバの新緑が目立ってきたものの、標高2000メートル付近のこちらではダケカンバの芽吹きはほとんどありません。
シラカバとダケカンバは同じ仲間で、シラカバのほうが標高の低いところに分布し、ダケカンバは標高の高いところに分布します。県道乗鞍岳線沿線を見ると、標高1700メートル付近で両者の分布が置き換わっています。
ウラジロナナカマドの芽吹き |
全く芽吹きが感じられない状況も、所々で目覚めた木々を見つけることができました。その中にはウラジロナナカマドもあり、蛍光を発しているかのような、目に飛び込んでくる明るい緑が特徴です。
冷泉小屋以降は銀世界 |
雪解けが進んでいるとはいえども、標高2230メートルの冷泉小屋を過ぎると、まだまだ銀世界が続いています。
位ヶ原山荘に到着 |
そして、標高2350メートルの位ヶ原山荘が春山バスの終点です。県道乗鞍岳線(エコーライン)は、この先の畳平まで5kmほど続いていますが、現在、除雪作業が進められ、6月からは位ヶ原山荘から3km先の大雪渓まで延長運行が開始される予定です。現在の除雪状況は、2ページ目の【大雪渓に向けて道路除雪の様子】 でお伝えします。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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