ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.3(2013/05/24〜26) B
【5月25日(土)、ほおのき平駐車場】
ほおのき平駐車場 − 乗鞍スカイラインシャトルバス乗換 |
取材二日目、5月25日(土)のほおのき平駐車場。岐阜県側の乗鞍スカイラインシャトルバス乗り換え駐車場です。
快晴の朝 |
昨日と同様に、雲ひとつない快晴の朝を迎えます。気温は10℃、少しばかりひんやりとした感覚があります。
ほおのき平駐車場から乗鞍の方角を見ると...
新緑の輝き | 猫岳には乗鞍スカイラインが横切る |
深い森が朝日に輝く様子があり、新緑の明るい緑が冴えています。そして、さらに遠方の山並みは乗鞍23峰の一つである猫岳です。山肌には残雪が残り、そこには乗鞍スカイラインが横切っています。
この付近の様子は、次のコーナーの【乗鞍スカイライン】 で、再度ご案内致します。
乗鞍行きバスのりば | シャトルバス始発便の到着を待つ |
「乗鞍行きバスのりば」と、書かれているとおり、こちらは畳平へ向かうシャトルバス専用のターミナルです。高山と新穂高ロープウェイを結ぶ路線バスの停留所が隣接されていますので、高山市内からお越しの場合は、こちらで乗り換えてシャトルバスを利用することが可能です。
畳平は気温2℃、天候晴 | 本日はAダイヤ |
今朝の畳平の天候は晴、気温は2℃。この時期の気温としてはほぼ平年並みで、5℃を上回ることはほとんどありません。そして、シャトルバスの運行ダイヤは晴天時のAダイヤです。
バスターミナル屋内の券売所 | 乗鞍登山バスの写真展示(昭和20〜40年代) |
バスターミナル屋内の券売機で乗車券を購入しますが、その隣の壁に写真が展示されています。乗鞍スカイラインは今年で40周年を迎えました。その記念としてこれまでの登山バスの写真が展示されています。
乗鞍スカイラインは昭和48年(1973年)7月1日に全線2車線の道路に改良されましたが、それ以前は戦前に作られた未舗装の軍用道路をボンネットバスが走っていました。バスターミナルには、乗鞍スカイライン以前の昭和20年代から30年代・40年代の貴重な写真が主に展示されていますので、シャトルバスの待ち時間にご覧になってはいかがでしょうか?
シャトルバス乗車位置には、外来種子の除去マット |
シャトルバスの乗車位置には、乗客の靴底に付着する外来植物の種子を除去するマットが今年から設置されました。これも乗鞍スカイライン開通40周年記念の行事の一環で行われました。
シャトルバス始発便到着 |
そして、シャトルバス始発便が到着して、乗客の方々がバスに乗り込みます。
畳平に向けて出発 |
ほおのき平からは37名の乗客が乗り込んで、終点の畳平へと出発します。
【乗鞍スカイライン】
平湯峠 − この先マイカー規制 |
ここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。ほおのき平駐車場から6kmほどのところにある平湯ゲート。乗鞍スカイラインはここから始まります。道路左側に平湯ゲート詰所があり係員が許可車両のチェックなどを行っています。この先はマイカー規制となっていて、バス・タクシー・自転車と特別に許可された車両のみの通行となっています。
平湯峠(平湯ゲート)周辺には、マイカーの駐車場がありますが、シャトルバスの停留所はありません。そのため、ほおのき平駐車場でシャトルバスに乗り換えてください。
これまでは平湯温泉のあかんだな駐車場も乗り換え駐車場としてしてされていましたが、シャトルバスが平湯温泉発着となり、あかんだな駐車場からシャトルバスに乗車することができません。乗鞍スカイラインシャトルバス乗り換え駐車場は、2012シーズン版乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報 をご覧ください。(2013シーズン版は作成中です。)
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昨年の平湯峠付近 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) @ |
今週の平湯峠付近 今年の残雪は若干多い |
標高1684mの平湯峠ゲートから乗鞍スカイラインを進みます。昨年は完全に残雪がなくなりましたが、今年は比較的残雪が見られます。例年と比べても今年の残雪は若干多い状況です。
北アルプスの山並みが広がる | 標高1700m付近 − 手前に焼岳、奥に穂高連峰 |
平湯峠を過ぎて間もなく、北アルプスの山並みが広がるようになってきます。遠景は穂高連峰、その手前は焼岳です。このあとで再び同じような画像を掲載しておりますが、その違いを確認して下さい。
昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近) 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) @ ↓ |
先週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2013/05/15・18) A ↓ |
マイカー規制前にあった夫婦松料金所を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。昨年よりも明らかに積雪量の多い様子が見られます。昨年よりも1週間以上遅い雪解けで、例年と比べても1週間近く遅い状況となっています。
マイカー規制前の展望台 | 急峻な乗鞍スカイラインと北アルプス |
また、マイカー規制前には多くの方が利用されてと思われる展望台があります。急峻なつづら折れが続く乗鞍スカイラインと北アルプスの様子を一望できるビューポイントです。
残念ながら、シャトルバスには途中の停留所が全くありませんので、この展望台を利用することはできません。しかし、展望台の前には駐車場がありますので、タクシーの場合は展望台からの眺めを楽しむことが可能です。
今日のような天候のよい日は車窓からの眺めだけで十分楽しい一日となりそうです。
昨年の猫の小屋跡地 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) @ |
先週の猫の小屋跡地 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2013/05/15・18) A |
さらに進んで、こちらは標高2000m付近の猫の小屋跡地。昨年と比べて積雪量はやや多く、例年と比べても多くて1週間ほど雪解けが遅い状況です。
北アルプスの眺め − 標高2000m付近 | 標高が高くなり、焼岳・穂高連峰の見え方に変化 |
こちらは猫の小屋付近からの北アルプスの眺め。標高2000メートル付近からは、北アルプスがすぐ真横にあるかのごとく、綺麗に眺めることができます。そして、右の画像は、先ほど平湯峠付近から望んだ焼岳と穂高連峰です。平湯峠付近では穂高の山並みが手前の焼岳に隠れていましたが、標高が高くなって、その位置関係が変化している様子がわかります。
森林限界を超えて | ほおのき駐車場から望んだ猫岳中腹 |
乗鞍スカイラインは猫の小屋跡地を過ぎた9kmポストあたりから森林限界を抜けてロケーションが広がります。ほおのき平駐車場から望んだ猫岳の山腹が右の画像の部分で、ご覧のように山腹を乗鞍スカイラインが横切っています。
ほおのき平駐車場、高山市街地 | 白山 |
眼下には、出発地点のほおのき平駐車場、さらには高山市街地、そして、さらに遠方には白山の山並みが対岸に確認できます。乗鞍スカイラインは、先ほどの北アルプスの眺望など、遠景の山並みが一望できるところに大きな特徴があります。
乗鞍の峰々を縫うように進む |
そして、遠景の山並みだけでなく、乗鞍を構成するそれぞれの峰を縫うように進むところももう一つの楽しみです。
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昨年の烏帽子岳 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) @ |
今週の烏帽子岳 昨年よりやや多い積雪量 |
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昨年の四ッ岳カーブ 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) @ |
今週の四ッ岳カーブ 昨年よりやや多い積雪量 |
上段は森林限界を超えて最初に見られる山は23ある乗鞍の峰の一つである烏帽子岳(えぼしだけ 標高2550m)。積雪量は昨年よりもやや多く、例年と比べてもやや多い状況です。
下段はその先にある乗鞍スカイラインの中でもっとも積雪量の多い箇所を通過する四ッ岳カーブ。こちらも昨年よりもやや多い状況で、例年と比べてもやや多い状況です。
この付近までの乗鞍スカイライン沿線は、例年よりも若干積雪量の多い様子が見られます。それより上部は若干少ない傾向が見られます。
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先週の四ッ岳カーブ ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2013/05/15・18) A |
今週の四ッ岳カーブ 一週間の雪解けはさほど激しくない |
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先週の四ッ岳カーブ ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2013/05/15・18) A |
今週の四ッ岳カーブ 一週間の雪解けはさほど激しくない |
この1週間の雪解けですが、特に激しい状況は見られません。このあと、長野県側の大雪渓方面の状況をお伝えしますが、こちらでは比較的雪解けスピードが速い状況が見られて対照的です。
桔梗ヶ原 |
四ッ岳カーブを過ぎて土俵ヶ原を通過して、こちらは桔梗ヶ原。標高2650メートルです。この先、約1.5kmほどで標高2702メートルの畳平に到着します。乗鞍スカイラインは1km進むごとに標高が平均70メートル上昇します(勾配7%)。ですから、この付近はかなり平坦な部分に入り、ヒルクライムでここまで登って来ると、ほとんどゴールしたような感じになります。
実際、7月上旬に開催される乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムでは、ゴール直前の数百メートルでは、スプリントレースのような選手同士の激しいラストスパートが見られるほどです。
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昨年の鶴ヶ池雪渓 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) @ |
今週の鶴ヶ池雪渓 −
例年6月下旬まで滑走可能 例年よりやや少ない積雪量 |
畳平に到着する手前に鶴ヶ池雪渓が広まります。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。畳平から歩いてすぐの場所にあることから、初めてお越しになったスキーヤー・ボーダーの方にも安心してお勧めできる場所です。例年6月下旬まで滑走可能です。
積雪量は明らかに昨年より少ない状況が見られます。実際の滑走部分については、例年との大きな違いはありませんが、画像左のハイマツ帯の大きさは、ここ近年で積雪量が少なかった2011年と同等の状態まで大きく広がっていて、全体的に見ても例年よりもやや積雪量が少ない状況です。
畳平 |
鶴ヶ池雪渓を過ぎると、乗鞍スカイライン終点の畳平に到着です。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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