ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2013/06/29〜30) C
【6月30日(日)、観光センター前】
![]() |
![]() |
観光センター前駐車場 |
取材二日目の6月30日(日)は、長野県側の観光センターからスタートです。
![]() |
![]() |
周辺の山肌をも飲み込む低い雲 |
5時前後の夜明け頃は朝日が差し込んでいましたが、現在はご覧のように周辺の山肌をも飲み込むような、やや低めの雲が垂れ込めています。6時の気温は13℃、少しひんやりとした空気が流れています。
![]() |
![]() |
出発の準備 |
観光センター前駐車場にお越しのマイカーはいつもよりもやや多い様子。その大半がスキーヤー・ボーダーの方々がです。春山バス始発便はスキーヤー・ボーダーのご利用が多いものの、2便目は一般観光客の方が大半を占めています。
例年と比べて、始発便の利用者数が若干少ない様子が感じられますが、今年から1日4便となり、春山バスとしては全体的には昨年よりも利用者数は増加していると推測されます。
![]() |
シャトルバス乗り場がすでに設置 |
7月からは春山バスに変わって、シャトルバスが運行されます。
春山バスとの大きな違いは、大雪渓よりさらに先の畳平まで運行される点と、おおむね毎時1便の運行体制になるところです。
また、シャトルバスでは自転車を持ち込むことができますが、春山バスは自転車を持ち込むことはできません(その理由は、このあとの三本滝レストハウス前のコーナーでご説明します)
また、ご覧の駐車場内に設置されたテントが、シャトルバスの専用乗車口となる点も大きな違いでしょうか?
![]() |
![]() |
観光センター反対側の広場 |
さて、観光センター周辺の草花の様子。花が咲きだすと「こんなところに自生していたのか...」と、気付くこともしばしばあります。
こちらは観光センターから車道をはさんで南側の未舗装の駐車場(別名:シャレー乗鞍跡地)。普段は閉鎖されていて、観光センター前駐車場が満車になると、こちらもシャトルバス乗り換え駐車場として利用されます。
ご覧のとおり、アヤメがたくさん咲き始めました。(自然に自生したのか、植えつけられたものかは不明です。)
![]() |
![]() |
アヤメ | 花弁根元の「綾目模様』が特徴 |
アヤメとカキツバタとハナショウブは、区別の付きにくいものです。
アヤメやカキツバタは、ウサギの耳のようにまっすぐ伸びる3枚の花弁(内花被)と、外側に大きく下に垂れ下がって3つ広がる花弁が見られます。下に垂れている外側の花弁の付け根部分は、内花被が重なっていて確認しにくい状況ですが、黄色い縞々模様のあって。そこから花弁の先端に向かって白い筋が見られます。
花弁の付け根部分に縞々模様があるのがアヤメ、ないのがカキツバタです。「縞々模様(しましま−もよう)」とは言わずに「綾目模様(あやめ−もよう)」といったほうがより的確でしょうか??
アヤメそのものも湿り気を好む場所に自生しますが、ハナショウブは湿地帯のような水辺に自生しているので、分布している箇所が違います。また、古代から江戸時代まではショウブのことをアヤメのことを差していたようです。
![]() |
春山バスは、新島々から休暇村に行く路線バスの停留所から乗車します。
![]() |
![]() |
シャトルバスは当面の間、大雪渓折り返し減便運行 |
停留所にはご覧のような掲示がされています。
県道乗鞍岳線は7月から三本滝ゲートより先の冬季閉鎖が解除され、春山バスだけでなく、一般のバス・タクシーや自転車の通行もできるようになります。しかし、道路周辺の積雪が多いため、安全確保が困難な理由から、当面の間は、大雪渓駐車場(大雪渓・肩の小屋口バス停)までしか通行できません。
そのため、本来なら畳平まで運行される7月からのシャトルバスは、一つ手前の大雪渓・型の小屋口バス停での折り返し運行となり、運行ダイヤも通常より少ない臨時ダイヤが適用されます。
全面開通されるまでのシャトルバス臨時ダイヤは、お知らせ − 県道乗鞍岳線(エコーライン、三本滝〜畳平間)冬季閉鎖解除延長に関する情報(2013/07/01)をご覧ください。
![]() |
![]() |
今シーズン最後の春山バス始発便は2台運行 |
4月27日(※)より運行が始まった乗鞍岳春山バスも、6月30日の今日が最終日。今シーズン最後の春山バス始発便は2台が運行され、バス停付近には、スキーヤー・ボーダーの方々の長い列ができました。
※ 予定では4月27日より運行開始でしたが、降雪・積雪のため、実際の運行開始日は5月1日でした。
【乗鞍岳春山バス、大雪渓へ】
![]() |
三本滝レストハウス前駐車場 |
こちらは観光センターから7km先にある三本滝レストハウス前駐車場。
![]() |
![]() |
三本滝バス停からでも春山バスは乗車可能です。
![]() |
![]() |
三本滝ゲート − この先冬季閉鎖 | 冬季閉鎖中は自転車の通行もできません |
三本滝ゲートより先は冬季閉鎖中となっていて、ご覧のようにゲートは閉鎖されています。春山バスが通過するときだけ、バス会社の係員が開門いたします。
冬季閉鎖となっている三本滝ゲートより先は、車両の通行ができません。
道路交通法上の車両とは、バス・タクシーなどの自動車はもちろん該当しますが、自転車も車両に含まれますから、自転車も7月にならないと通行できません。
前のコーナーで春山バスに折りたたみ自転車などを積み込むことができないことをお伝えしましたが、自転車で下山することが通行規制上できないからです。
なお、この先の冷泉小屋や位ヶ原山荘、または11号カーブ・4号カーブ・大雪渓駐車場の位置など、県道乗鞍岳線カーブ番号は、ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線カーブ番号版 をご覧ください。なお、肩の小屋より稜線方面の状況については、ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 大雪渓・山頂版 をご覧下さい。
![]() |
![]() |
摩利支天上(29号カーブ) | 濃霧が立ち込める |
三本滝から進んで、標高2000メートル付近の摩利支天上の29号カーブ。少しずつ周囲に濃霧が立ち込めるようになって来ました。
![]() |
沿道は高山植物・山野草の宝庫 |
県道乗鞍岳線沿線は、これから高山植物・山野草の花々が順番を競うように咲き始めます。
![]() |
![]() |
ムラサキヤシオツツジ − まだまだ花期が続く |
先週もお伝えしたムラサキヤシオツツジ。沿道のあちこちで見られるようになっています。最初に咲き出したものはすでに枯れていると思いますが、それからすでに3週間程度経過しているものの、さらに数が増えています。
![]() |
![]() |
オオカメノキ |
こちらはムラサキヤシオツツジのすぐ隣に咲いているオオカメノキ。先週、観光センターとなりの自然保護センターで見られたカンボクの花に似ていますが、葉の形が異なりますね(右画像)。
![]() |
冷泉小屋付近 |
そして、標高2230メートルの冷泉小屋付近に到達すると、上空が少し明るくなってきました。
![]() |
![]() |
この付近も残雪が少なくなる |
そろそろ、周辺の残雪も少なくなってきた様子が伺えます。
![]() |
位ヶ原山荘 −春山バスは6月から大雪渓まで延長運行 |
そして、春山バスは標高2350メートルの位ヶ原山荘からさらに先へと進みます。春山バスは6月1日より、位ヶ原山荘より3km先の大雪渓・肩の小屋口(大雪渓駐車場)まで延長運行されました。
![]() |
![]() |
ほとんど見えない濃霧の中 | 位ヶ原山荘より上は残雪がはっきり残る |
周囲の濃霧はひどく、ほとんど何も見えない状況。右の画像は午後に撮影しなおした画像です。位ヶ原山荘より山麓側(右下方面)ではほとんど積雪が見られないのに対して、位ヶ原山荘より山頂側(左上方面)はかなり積雪が残って、風景がはっきりと二分されています。
![]() |
![]() |
突然青空が広がる(位ヶ原11号カーブ付近) |
位ヶ原山荘から約1.5kmほど進んだ11号カーブ付近。いきなり青空が広がり始めました。
![]() |
![]() |
雲海の上に到達 |
位ヶ原や大雪渓では、摩利支天付近を濃霧ですっぽりと包んでいた先ほどの雲の上に到達したようです。
![]() |
雪の壁 |
位ヶ原周辺でもかなり積雪が少なくなり、沿道の雪の壁が見られるのは、7号カーブ手前と5号カーブ、そして、こちらの4号カーブ付近に限定されるようになって来ました。
![]() |
![]() |
雪の壁は高さ4.9メートル(大雪渓下4号カーブ) |
現在の4号カーブの雪壁の高さは4.9メートル。先週より70センチ減少しました。それでも、まだまだ、車窓からの雪の壁を楽しむことができます
![]() |
ここを過ぎると、終点の大雪渓・肩の小屋口へはもうすぐです。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
Copyright (C) 乗鞍大雪渓WebSite |
|