ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.8(2013/06/29〜30) F
【畳平、お花畑】
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畳平のお花畑は本日(6月29日(土))より一般開放されました。
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入口階段 |
入口付近の階段には、人の背丈以上の積雪が残っています。
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入口付近 | ハクサンイチゲの芽吹き − 昨年より1〜2週間早い |
お花畑はほぼ全域にわたって雪解けが完了しています。雪解けはお花畑の奥から入口のある手前付近へと順番に進みます。そのため、高山植物も奥のほうが生育が早い状態です。画像では入口から奥へと順で説明しますので、生育が遅いところから生育が進んでエリアへと進んで行きます。
こちらは入口付近、ハクサンイチゲの新芽が見られますが、まだ、つぼみなどは確認できません。それでも昨年より1〜2週間ほど早い状態です。
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遊歩道は右へ | 直進は通行不可(不消道) |
お花畑の遊歩道は左の画像を右へと進みます。まっすぐ行くと、肩の小屋専用道に向かう道で「不消道」と呼ばれています。しかし、こちらは完全に雪に閉ざされていて、通行止めとなっています。
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周回コース分岐点 | お花畑全景(分岐点は右下部分) |
入口からさらに周回コースを進んで行きます。左の画像の分岐点は右の全体画像の右下部分です。周回コースは全域で雪解けが完了しています。
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分岐点付近 | ハクサンイチゲのつぼみ |
分岐点付近のハクサンイチゲは、ご覧のようにつぼみが確認できます。入口付近よりも生育が早い様子が見られます。
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周回コース中央付近 | 開花したハクサンイチゲ − 昨年より2週間早い |
さらに進んで周回コース中央付近。木道周辺では咲き始めたハクサンイチゲがあちこちで見られます。昨年よりも2週間程度早い状況です。
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畳平周辺で行われる無料ガイドの方々 |
木道周辺でゴミ拾いを行っているのは、畳平周辺を無料で案内してもらえるガイドの方。畳平バスターミナル前で常時受け付けています。どなたでも参加できます。これからの時期は畳平お花畑の高山植物を案内するケースが多く、ゴミ拾いをしながら、お花畑の開花状況を確認します。
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周回コースの奥 | あちこちでハクサンイチゲの開花 |
さらに進んで周回コースの一番奥のエリア。あちらこちらでハクサンイチゲが咲いている様子が見られます。
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北側部分と南側部分では生育に差がある |
周回コースの北側部分と南側部分ではハクサンイチゲの生育に差があるようです。
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周回コースの南側部分 | ハクサンイチゲ満開 − 昨年より1週間以上早い |
こちらは周回コースの南側部分で、ハクサンイチゲは、ほぼ満開に近くなり、昨年よりも1週間以上早い状態です。
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開花した多いものの、まだつぼみもあり、花期は続く |
開花したものが多い状態ですが、まだつぼみのものも見られますので、花期はしばらく続きそうです。
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全体的に昨年より1〜2週間早い開花 =お早めにお越しください= |
全体的に昨年よりも1〜2週間早い状態が見られますので、お早めにお越しいただいたほうがよいようです。
【昨年の今ごろは?】
6月最終日と7月初日の二日間にまたがったこの週末は、ノリクラが春山シーズンから夏山シーズンへと入れ替わる二日間でもありました。
取材一日目の6月30日(土)は、梅雨の中休みに恵まれ、まるで秋を思わせるような綺麗な筋状の雲や鰯雲の浮かぶ青空に一日でした。ゴールデンウィークから運行が始まった乗鞍岳春山バスも今日が最終日。始発便は二台が運行されました。ただ、いつもと異なって、シールやスノーシュー・アイゼンを持参するスキーヤーは皆無といっても良いほど。今日お越しになったスキーヤーは夏スキーの方々で、大雪渓エリアをスキーブーツで繰り返し登って滑るため、そのような装備が必要ないといったところのようです。それでも、今日最後の春スキーにお越しになった冬の常連の方々は、「なにかいつもと雰囲気が違うなぁ〜」と、行った顔色で、最後のノリクラを楽しんでいらっしゃいました。天候は終日に渡って安定していて、強い日差しはなかったものの、まるで梅雨明け後の本格的な夏が訪れたかのような様子が終日続きました。
取材二日目の7月1日(日)は、梅雨の中休みが終わってしまい、早朝から小雨が降り始めます。今日から県道乗鞍岳線の三本滝ゲート以降の冬季閉鎖が解除され、乗鞍岳線は全線開通しますが、すでに お知らせ − 7月からの県道乗鞍岳線(エコーライン)の部分開通について(第2報)<三本滝〜大雪渓のみ開通、シャトルバス特別ダイヤ>(2012/06/28) でご案内しているように、大雪渓〜県境間が通行止めで、全線開通は先延ばしとなりました。さらに今日の雨も加わり、例年なら、まずまずの人出が見られるはずですが、今日の観光センター前駐車場には10台ほどの車しかお越しになっていません。雨は次第に強くなりますが、例年通り、のりくら観光協会によるシャトルバス出発式が執り行われました。午後になっても雨は一向に収まらず、夏山シーズン初日ではあるものの、生憎の一日となってしまいました。
<編集後記>
「7月の登山道、軽アイゼン、無意識の負のバイアス」
速報で何度もお伝えしているように、稜線付近の登山道にはまだ積雪がたくさん残っています。今回の取材でも、「まさかこんなに雪があるとは思わなかった。去年はこんなに雪はなかったのに...」などといった声が多く聞かれました。
これまでのノリクラ雪渓カレンダーでお伝えしているように、今年は昨年よりもかなり積雪量が少ない状態です。それでも上記のようにおっしゃった方は、昨年訪れた時期が今回よりももっと遅かったのだと思います。
「ノリクラには毎年行っているのでよく知っているので大丈夫」などと考え、もしかすると、昨年も雪はあったけどアイゼンなどなくても何とか下山することができて、あまり危険性を覚えなかったのかもしれません。身に危険が降りかかってこないと、安易な方向に判断してしまうことは人の常かもしれません。
ノリクラは3000メートル級の高山であるものの、交通網発達しているため、比較的容易に登頂することが可能です。しかし、長野県側のシャトルバスは、7月2日から当面の間、大雪渓・肩の小屋口までしか運行されないため、大雪渓から肩の小屋までの積雪区間を歩いていかなければなりません。7月に入っても下旬頃までは積雪が残る箇所があって、アイゼンが必要となります。
次に「軽アイゼン」の話を...
本格的なアイゼンとは異なって、足裏部分のみに爪があるタイプで、かなりコンパクトでかさばらないため、持ち運びが便利です。しかし、本当にアイゼンが必要な場所は、急斜面を昇り降りする場合であり、その時、つま先と踵にアイゼンの歯がない軽アイゼンは、全く「歯」が立ちません...
軽アイゼンが必要と考えられる場面は、登山靴のままでも対応が可能な場所が多く、「いや〜、私はそんな危険なところに行きませんから、軽アイゼンで十分...」と、思っていも、気象状況などが変化して、バーンが劇的に凍りついたという場面もありうるため、アイゼンといえば、ちゃんと歯のある10本・12本爪のものを用意されることをオススメします...
「ノリクラには何度も行っているので大丈夫」 「私は危険なところには行かないので大丈夫」と、人間の思考は安全な方向へバイアスをかけてしまいます。そんな負のバイアスに引っ張られて、無意識のうちに安易な方向へ動いていると、常に認識しながら行動しなければなりませんね。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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