ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.12(2013/07/27〜28) E
【畳平、お花畑】
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畳平駐車場 − 観光バスでいっぱい(7月27日) |
こちらは取材一日目の7月27日(土)の畳平駐車場。ご覧の通り、たくさんの観光バスがお越しになり、駐車場はほぼ満車状態です。先週と同等かそれ以上の賑わい振りです。
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15時頃から土砂降りに |
この日は天候がめまぐるしく変化して、15時ごろからいきなり土砂降りとなってきました。
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傘が折れちゃう... 雨風共に強く霰が混じる |
雨と共に風もひどくなり、雨には霰(あられ)も混じる状況。気温は10℃まで低下します。
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畳平のお花畑 |
そんな悪天候ですが、今回も畳平のお花畑の状況をお伝えします。
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入口付近 | ハクサンイチゲ |
こちらは入口付近。左の画像の駐車場から降りてきたところです。一面に白く咲くのはハクサンイチゲ。
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ハクサンイチゲはピークを過ぎるがまだ見頃 (昨年より1週間早い) |
ミヤマクロユリが見頃のピークに (昨年より1週間早い) |
入口付近のハクサンイチゲは先週見頃のピークを迎えました。今週も見頃が続いていますが、そろそろ終りに近づいてきています。右の画像はミヤマクロユリで、先週ほぼ満開となり、今週は見頃のピークを迎えています。
入口付近のハクサンイチゲとミヤマクロユリは、昨年より1週間早い状況です。
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お花畑全景(周回コース) | 周回コース分岐点 |
畳平のお花畑は左の画像のように周回コースとなっていて、奥のほうから手前の方へと雪解けが進んできます。そのため、周回コースの奥の高山植物から先に開花をはじめます。右の画像は周回コースに入る分岐点です。
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アオノツガザクラ |
こちらはアオノツガザクラ。お花畑の中の岩場があるようなところに密集して咲いています。小さな釣鐘型のかわいらしい高山植物です。
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一面広がる白い花 − ハクサンイチゲからハクサンボウフウへバトンタッチ |
さて、周回コースを進むと、白い花がたくさん咲いています。これまでは白い花といえばハクサンイチゲでしたが、今週はハクサンボウフウに置き換わっています。ハクサンイチゲからハクサンボウフウへの移り変わりも、昨年より1週間早い状況です。ハクサンというのは加賀の白山のことで、発見地や自生地が植物名となるケースが多いようです。
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白:ハクサンボウフウウ、黄色:ミヤマキンポウゲ |
白と黄色の競演を見せるのはハクサンボウフウ(白)とミヤマキンポウゲ(黄色)です。ハクサンボウフウはまだこれから咲くものの方が多く、おそらく、次週末はかなりのハクサンボウフウが見られるはずです。
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ヨツバシオガマ − 夏が本格的に訪れた証拠 |
そして、ピンクが群生しているのはヨツバシオガマ。先ほどのハクサンボウフウやヨツバシオガマは夏が本格的な時期を迎えると咲き始める高山植物です。
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シーズン序盤の高山植物はほぼ終了(左:ハクサンイチゲ、右:コイワカガミ) |
それに対して、ハクサンイチゲやコイワカガミなどの高山植物シーズン序盤の植物はそろそろ終了。先週はきれいなピンクの群落を見せてくれたコイワカガミでしたが、完全に終了してしまいました。これからピンクの花といえば、前述のヨツバシオガマが次の時期を担います。
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ミヤマクロユリは全エリアで見頃 |
そして、お花畑全エリアで優勢となっているのはミヤマクロユリ。どこを見回してもミヤマクロユリがいっぱいで、探す必要がないほどです。例年、入口付近のミヤマクロユリが満開になる頃には周回コースの奥のほうのミヤマクロユリは終了してしまい、全エリアで見頃ということはあまりありません。しかし、今週は入口付近は例年より1週間早い状況で、周回コースの奥のほうは例年並の推移となっていて、その結果、全エリアで均一で見頃状態となったわけです。
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周回コース奥を回る −北側から南側へ |
周回コースを一番奥まで進んで、左から右へと進んで行きます。(北から南へ)
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ハクサンイチゲは黒い実ができる | ミヤマクロユリも終了に近い |
折り返し地点が最も生育の進んだエリアで、ハクサンイチゲは黒い種子ができ、ミヤマクロユリの花期は終了となってきました。
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ミヤマアキノキリンソウ 夏がもうすぐ終わる頃に咲く |
そんなハクサンイチゲやミヤマクロユリに置き換わるように、ミヤマアキノキリンソウが花をつけ始めました。この高山植物の季節がやってくると、夏も終りに近づいてきた証拠といえるでしょう。
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ハクサンイチゲが終わり、新たな高山植物の時期へ |
ハクサンイチゲ一辺倒だったお花畑の季節は終了し、新たな高山植物が見られる時期へと移り変わって行きます。
【昨年の今ごろは?】
先週は梅雨明け最初の週末でしたが、二日間とも生憎の天候となりました。週末ごとに悪天候に見舞われるサイクルを払拭するかのように、今週は夏本番の天候をようやく見せてくれました。
取材一日目の7月28日(土)は、朝からモクモクとした雲が広がる夏空から一日が始まります。晴れてはいるものの、どちらかというと雲量が多い状態です。天気予報でも晴マークの並ぶ状況ということもあり、観光センター前駐車場には6時の時点で96台ものマイカーがお越しになりました。そして、シャトルバス始発便は2台が運行され、ご来光バスは4台も運行されたほどで、早朝からヒルクライマーが続々と出発する様子は、先週前は見かけることのできなかった光景です。そんな朝一番の出発準備を見るだけで、夏本番を迎えた感覚ですが、濃霧に包まれていた上部エリアも、時間とともに霧が抜けて行き、雲間から日差しが差し込めば、まさに夏模様そのものの光景が大雪渓に広がります。また、雪渓を登るスキーヤーは額に汗を滲ませながら、雪渓をハイクアップする様子もありました。午後になっても曇〜晴の天候には大きな変化はなく、そのまま一日が終わろうかとしましたが、16時30分ごろに若干雨が降って、18時30分ごろから雷鳴とともにしっかりとした夕立が断続的に降り続き、一日が終わって行きました。
取材二日目の7月29日(日)は、快晴の朝から始まります。観光センター前駐車場には昨日以上のマイカーがお越しになり、朝から賑わいのある様子が続きます。ただ、この天候も8時ごろから雲がわき始め、9時には日差しが遮られる状態になります。そのため、ヒルクライムに出かけても、さほどの暑さを覚えません。そして、今日はいつも以上に多くのヒルクライマーが県道乗鞍岳線(エコーライン)を埋め尽くし、まるで大会さながらの雰囲気といってもよいでしょう。そして、大雪渓もいつものように多くのスキーヤー・モーグラーで賑わっています。山頂付近にかかっていた雲も、午後には完全に解消し、雲間から日差しが差し込むようになると、コントラストの強い夏の空が見られるようになり、今日はしっかりとした青空が続いたわけではなかったものの、夏山の雰囲気が十二分に感じられた一日でした。
<編集後記>
「乗鞍スカイライン電気自動車(EV)乗入れ実験・研究」
昨年に引き続き、乗鞍スカイラインEV乗入れ実験・研究が8月から実施されます。
乗鞍スカイラインEV乗入れ実験・研究は、乗鞍自動車利用適正化協議会が昨年から3ヵ年計画で実施している事業で、電気自動車の乗り入れによる滞在型観光の推進及び地域振興のための実験・研究と、個人が自由にドライブを楽しむ利用による環境への影響、実施にかかる課題等の把握、ドライブに対するニーズ及び実効性等を研究することを目的とします。
昨年の2012年度実験事業では104台の乗り入れがあり、そのうち、高山市在住者が51.9%、高山市を除く岐阜県在住が19.5%で、全体の7割が地元・近隣在住者という結果でした。また、それと同時期にシャトルバス利用者へのアンケートもありましたが、こちらは9割が県外者で、高山市在住者はわずか2%でした。
2012年度実証事業 出身地別構成(乗鞍フォーラムより) | |||
高山市在住者 | 県内在住者(除高山市) | 県外在住者 | |
EV実験参加者(104台) | 51.9% | 19.5% | 28.6% |
シャトルバス利用者(289組) | 2% | − | 90% |
ここ感じるのは、EV実験参加者とシャトルバス利用者では、出身地域に大きな違いがある点です。おそらく、ノリクラへの実際の来場者の出身地域状況は、シャトルバス利用者のアンケート結果が本当の姿に近いものだと思います。従ってEV実験参加者のアンケート集計結果が、本来の観光客の声をちゃんと反映ているかどうかをしっかりと検証した上で評価されなければ、違った評価結果となりかねません。
『滞在型観光の推進及び地域振興のため』ということを念頭に置くならば、少なくともEV実験を体験する対象者は、遠方からお越しの観光客に限定して実施すべきと考えられます。
少し話が異なりますが、富士山では夏季の一部期間でマイカー規制が実施されますが、今年は規制期間が延長されるとのこと。各地でマイカー規制の方向へ進んでいる中、マイカー規制を緩和しようとする動きは時代に逆行するものとも感じられます。
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