ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.15(2013/08/14〜17) A
【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 U】
今日もたくさんのヒルクライマーが |
8月中旬のこの時期は、バスやタクシー以上に自転車の通行もかなり多い状況です。自転車によるヒルクライムの様子は、この後、すぐ下のコーナーにてお伝えします。
トリカブトが咲き始める |
ちょっと、遅れ気味でしたが、今年もトリカブトが咲き始めました。紫色の独特な形状の花ですから、一目でわかります。しかし、花が咲く前日まではそこにトリカブトがあることなんてほとんどわかりません。
サラシナショウマ |
こちらも独特な形をしていますね。猫の尻尾のような花をつけるのはサラシナショウマ(晒菜升麻、キンポウゲ科サラシナショウマ属)。葉を水で晒すと食用になります。また、ショウマ(升麻)という名称は、サラシナショウマの根茎を原料とする生薬名から由来されています。このほかヤマブキショウマやレンゲショウマなど、「ショウマ」という名称を持つ植物がありますが、サラシナショウマが本家本元です。
葉の上に無数の萼が | 咲き始めると萼が落ちる |
そして、葉の上には無数の萼が...サラシナショウマは咲き始めると萼(ガク)落ちてしまいます。右の画像では萼が一部残っています。そのため、ご覧のように雄しべ(雌しべ・雄しべ)だけが残ります。前のページのノリウツギとは逆ですね。
位ヶ原山荘 |
標高2350メートルの位ヶ原山荘を通過すると...
ノリクラらしい雰囲気 |
やはり、ここから景色がノリクラらしい雰囲気となってきます。
11号カーブ、ツアーコース入口 |
位ヶ原山荘から1.5km先の11号カーブのツアーコース入口付近は、先週の段階で完全に積雪がなくなり、高山植物の季節となっています。
位ヶ原お花畑 | 数多くの高山植物が咲き乱れる |
さらに進んでこちら者7号カーブの位ヶ原お花畑、先週ようやく雪解けが完了して、ご覧のように数多くの高山植物が咲き乱れて来ました。現在のところ、ミヤマキンバイ、チングルマ、コウメバチソウなどが咲いています。
通常のお花畑では、ミヤマキンバイ → チングルマ → コウメバチソウと順番を追って咲き、時期的にはコウメバチソウの時期に入ってきています。ここでは、雪解けが遅いため、雪解け完了と同時に全部一斉に咲き始めます。
タクシーを停めて − 遠景の山の説明を |
さらに進んで、景色のよいところに一台のタクシーが止まっています。今日は少し雲が多く、遠景の山並みが見られませんが、運転手の方は山の説明を詳細にされています。
今度は秋の紅葉シーズンに! |
タクシーでの道中の様子を「高山植物の名前をたくさん教えていただきましたが、覚え切れないほどでした。今度は秋の紅葉シーズンにやって来たいと思います。」と、お客様がおっしゃっていました。
タクシーを単なる移動手段と考えず、道中の様子を楽しむ乗り物と考えてもよいでしょう。
青空は日に日に透明感があふれるようになる − お盆を過ぎると秋の気配が漂う |
真っ青な空は日に日に色濃くなって、透明感あふれる高い空へと移り変わって行きます。お盆が過ぎると、ノリクラはもう秋の気配が漂います。
【お盆期間中もヒルクライムで大賑わい】
観光センター前駐車場 |
さて、お盆期間のこの1週間は、本当にたくさんのヒルクライマーであふれていました。
みんな揃ってヒルクライム |
お揃いのジャージで一緒に走行するのは楽しいもの...
力いっぱいべダルをこぐ | 心臓が飛び出すほどの荒い息遣い |
真っ青な空に響くのは、心臓が飛び出すのではと思うほどの荒い息遣いと、力いっぱいペダルをこぐタイヤのきしむ音だけ。バスやタクシーが走り去ると、本当に静寂な世界となります。
今日も大勢のヒルクライマーが |
前回の ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.14(2013/08/10〜11) F でも、数多くのヒルクライマーが続々とやってくる様子をお伝えしました。今回も大会本番のごとく続々と自転車が通過して行きます。
正面からは何の変哲もなく... | タンデム! |
隣を並走する方が、珍しそうな様子で目線を送る以外に、真正面からは何の変哲もありません。しかし、徐々に近づいてくると、珍しそうに目線を送る理由がわかって来ました!(タンデムです。)
全日本マウンテンサイクリングin乗鞍まであと2週間 |
全日本マウンテンサイクリングin乗鞍まで、残り2週間ほどまで迫り、練習走行にやってくる出場選手が多くなってきました。
冴え渡る青空を背中いっぱいに受けて |
8月も半ばを過ぎると、空の青さが際立ってきました。そんな青空をいっぱいに受けて駆け抜けます。位ヶ原山荘を通過して、ゴールまであと5km...空気が薄くなるこの付近からが本当の勝負となってきます。
眼下には九十九折れ |
眼下には先ほどまで走ってきた九十九折れの道路を一望することができます。
必ずキープレフトで |
自転車以外にもシャトルバスやタクシーなども通行しますので、必ずキープレフトで走行して下さい。
この景色があるから...この空気感があるから... |
この景色があるから...この空気感があるから...ノリクラでのヒルクライムを止めることができない理由になっているのでしょう。
自分は1.5馬力、相方は0.5馬力で |
さて、先ほどのタンデムのお二人が一休みされています。お話をお聞きすると、「ママチャリしか乗ったことのない相方を、どうしてもノリクラに連れてきたかったんですよ。だから、相方には0.5馬力分だけ頑張ってもらい、自分は1.5馬力分を頑張れば、二人でノリクラに登れると思って、タンデムバイクを購入したんです。」
ノリクラでのヒルクライムの良さをこんな形で伝える方法もあったんですね...
また今年もお会いできました |
畳平から下山されてきたこちらの方々、実は画像の右の方は、毎年必ずお会いしています。前回は ノリクラ 雪渓カレンダー 2012シーズン 正式版 Vol.17(2012/09/01〜02) E でした。そのときも申し上げたように、事前の約束などは全くありません。
来年も同じようにお会いできるうれしいですね! |
昨年と同じように今年も乗鞍スカイラインから登ってきて、位ヶ原山荘まで降りて一旦休憩した後、再び、畳平から乗鞍スカイラインを下山するコースです。今回で4年連続の再会ですが、来年も同じようにお会いできるうれしいですね!
最後になりますが、最近、県道乗鞍岳線、及び、乗鞍スカイラインでは、自転車での事故が多発しています。下記の点に十分注して走行されることを強くお願いいたします。
【ヒルクライマーへのアドバイス・お願い(レインウェアの持参、熱中症と水分補給可能場所、走行上の注意点)】
本格的にヒルクライムシーズンが始まり、晴れていれば下りでも全く寒さを感じない状態となってきました。しかし、天候状況によっては防寒着が必要となることが多く、軽量化のために荷物を減らしたとしても、レインウェアなどの装備は必ず持参して下さい。
8月から9月にかけて、熊の出没が頻繁になる時期を迎えます。熊は森林の中だけでなく、道路上にも出没します。そのため、自動車のような走行音のしないヒルクライムは鉢合わせする危険性がありますので、熊鈴を鳴らしながら走行することをオススメします。
熊だけでなく、野生の猿も確認されています。
気温が低くても、熱中症には十分注意してください。特に水分補給が十分でない場合は途中で補給するようにしてください。
場所(観光センターからの距離、標高) |
飲料水 |
売店(スポーツドリンクなど) |
トイレ |
三本滝レストハウス(7km地点、標高1800m) | ○ (営業時間内) | ○ (営業時間内) | ○ (公衆トイレ) |
位ヶ原山荘(15km地点、標高2350m) | ○ | ○ (営業時間内) | ○ (営業時間内) |
大雪渓(18km地点、標高2600m) | △ (沢水) | × | ○ (公衆トイレ) |
終点畳平(20km地点、標高2702m) | ○ (営業時間内) | ○ (営業時間内) | ○ (公衆トイレ) |
持参したボトルがいつも以上に少なくなったときは、安全のため、上記の場所で水分補給をして下さい。上記の場所については、ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号版 を参照して下さい。
めまい、失神、早い脈、筋肉の痙攣など、体調不良を感じたらムリに下山せず、周囲の走行者、バス・タクシーなどに救助を求めて下さい。(下山走行中に体調悪化して転倒事故の可能性あり。)
<前を良く見て走行してください。(特に登り走行時)>
ヒルクライムで、下を向いたままべダルをこぐ様子が良く見られます。その場合、対向車の存在に気付くことが遅れて、正面衝突する危険性があります。必ず前を見て走行してください。
<並走禁止(横並び走行)>
横に並んだ並走走行は道路交通法でも規制されています。友人同士でおしゃべりしながら並んで走行するのは楽しいものですが、県道乗鞍岳線は狭小区間が多く、後ろから来た自動車が追い抜くことができません。また、対向する車両との接触の危険性もありますので、絶対に並走しないようお願いたします。
<下山時はスピードを落として、カーブミラーもしっかりと確認>
スピードを乗せたダウンヒルは楽しいものですが、大会などでコース規制がされた状態ではありませんので、すぐに止まれるスピードで走行してください。また、カーブミラーでヘアピンカーブの先の状況もよく確認してください。カーブミラーの確認をすると姿勢が不安定になるという方もいらっしゃるかと思いますが、すでにその状態がスピードを出しすぎている証拠です。しっかりとカーブミラーが確認できる速度までスピードダウンしてください。
<防衛運転に徹すること>
他の車両との事故の場合、過失の問題が生じますが、いずれにしても、ダメージが大きいのは自転車の方です。必ず防衛運転に徹するようお願いいたします。(→ Next)
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