ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.17(2013/08/30〜31) C
【雪渓下部 V】
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石碑の岩 |
モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。撮影箇所は石碑の岩から20メートルも離れていないところからですが、ご覧のようにひどい濃霧で視界は30メートルを切っていると考えられます。
これほどの濃霧は頻繁に見られるほどではありませんが、霧が一旦立ち込めると、この程度まで視界が低下する状態は決して珍しいことではありません。
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チングルマ | 綿毛が広がる − 昨年よりも3週間遅い状況 |
こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。先週とほとんど変わらない状態です。昨年はすでに綿毛はなくなり、葉の一部が紅葉を始めていましたので、昨年よりも3週間遅い状況となっています。
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雪渓上部下端 |
石碑の岩の東側にあるスキーヤー専用道を進むと、雪渓上部の下端に達します。
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昨年の雪渓上部下端 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2012/09/01〜02) B ↓ |
先週の雪渓上部下端 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2013/08/24〜25) C ↓ |
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今週の雪渓上部下端 先週とあまり変化がない |
右上の先週の様子と下の今週の様子を見ても、下端の位置はほとんど変化がありません。
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昨年同時期より4週間早い下端部分 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.13(2012/08/04〜05) C |
今週の下端位置とほぼ同じ状態の昨年の様子。今週よりも4週間も早い時期のものですから、昨年よりも1ヶ月も遅い雪解け状況ということになります。
このエリアに限らず、大雪渓全体的に今週は雪解けが遅くなっています。
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大雪渓〜肩の小屋 登山道 |
こちらは大雪渓から肩の小屋に向かう登山道。
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花が見頃の箇所(左)と、すでに綿毛の箇所(右)が混在 =雪解けのちょっとした差で多様なバリエーションが= |
畳平のお花畑などではすでに花期が終わった高山植物も、こちらではちょうど見頃を迎えているものが数多くあります。左の画像はちょうど花が見頃のチングルマ、そして、右の画像は花が終わって、タンポポのような綿毛がきれいなチングルマ。花の時期のものと実の時期のものが混在して観察できるのは、こちらの登山道だけといってもよいでしょう。
高山植物の見頃の時期は図鑑などで確認することができますが、実際は、そのエリアの雪解け状況に大きく左右され、雪解けが早かった場所は右のような実の時期に入っていて、雪解け直後の場所は左のように、ようやく花の時期に入ったばかりとなっています。
ですから、平坦なお花畑のようにほぼ同じ時期に雪解けが終わるところでは、同じ種類の高山植物は、同じように生育・開花して、見頃の時期はすぐに終わりますが、地形が複雑な大雪渓では、雪解けが均一でないため、同じ種類の高山植物でも、開花時期が異なっていて、見頃の時期が一極集中するということはありません。
ですから、大雪渓〜肩の小屋登山道は、長期間にわたって、高山植物が楽しめるオススメのポイントなのです。
【雪渓中段】
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雪渓中段全景 |
雪渓下部の北端のモーグルコースの岩と南端の石碑の岩の間を上がったエリアで、雪渓上部の雪渓下部を結ぶ緩斜面です。
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昨年の雪渓中段−長さ23メートル×横幅15メートル 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2012/09/01〜02) B ↓ |
先週の雪渓中段−長さ60メートル×横幅28メートル ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2013/08/24〜25) C ↓ |
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今週の雪渓中段
−長さ40メートル×横幅25メートル 過去最大の大きさ |
雪渓中段の大きさは、長さ40メートル×横25メートルで、昨年の長さ23メートル×横幅15メートルよりも大きく、過去最大です。
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昨年の雪渓中段北端部分(登山道付近) 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2012/09/01〜02) B ↓ |
先週の雪渓中段北端部分(登山道付近) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2013/08/24〜25) C ↓ |
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今週の雪渓中段北端部分(登山道付近) |
こちらは雪渓中段の北端。肩の小屋への登山道がこの付近を通過しています。先週と比べて、5メートルほど登山道から離れていると考えられ、昨年よりも2週間遅い雪解け状況となっています。
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雪渓中段全景−あと2〜3週間は積雪が残る見込み |
おそらく、あと2〜3週間程度は積雪が見られることと考えられ、もっとも遅い雪解け状況が続いています。
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ミヤマダイコンソウ − まだ花期続く、今年の高山植物は全般的に花期が遅い(長い) |
例年なら、すでに花期が終わっているミヤマダイコンソウ。今年はまだ見頃が続いています。1ページ目の【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 T】のコーナーの中で、ウツボグサの見頃が続いている様子をお伝えしました。そこでは山野草の花期が遅れている(長く続いている)と申し上げましたが、大雪渓での高山植物でも同じような現象が今年は見られます。(→ Next)
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