ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.21(2013/09/28〜29) @
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今週は週末近くになって急激に気温が低下して、ノリクラは本格的な紅葉シーズンが到来いたしました。今後1ヶ月にわたって、山頂方面の大雪渓・位ヶ原から山麓の乗鞍高原へと紅葉全線が駆け下りて行き、今シーズンの最後を締めくくる「紅葉月間」が始まります。
取材一日目の9月28日(土)は、ほぼ終日にわたって綺麗な青空と秋らしい空気感に包まれた一日でした。早朝5時の気温は4℃で、畳平では0℃まで冷え込む状況。それでも、気温ほどの寒さは体感的にはなく、起き上がるのに辛いというほどの状況ではありません。また、先週と同様に筋状の雲が青空に冴える天候が続き、今日はそれに加えて空気感にも爽やかさが加わり、まさに秋を楽しむ一日といえる様子が終日続きました。
取材二日目の9月29日(日)は、朝から快晴。昨日以上の綺麗な青空です。ただ、日差しは強く、秋らしいさわやかな空気感はなく、肌をも焦がすジリジリとした暑さがあります。紅葉は昨日よりも進んでいることがはっきりとわかり、特に位ヶ原付近のダケカンバの鮮やかさは一目瞭然。沿道のカメラマンの姿もかなり多くなり、そんな様子を見ても、本格的な紅葉シーズンが始まったことを実感します。ほぼ終日に渡って雲のない一日をおくることができ、日差しの灼熱感をのぞけば、秋らしい一日でした。
紅葉情報は 6ページ目 からお伝えします。例年、紅葉は9月中下旬頃から見頃が始まりますが、今年はやや遅れ気味の状況が続いていました。しかし、この1週間ではっきりと色付きがわかるようになり、ようやく紅葉シーズンに突入し、位ヶ原付近のダケカンバはかなりよい発色となってきました。ただ、大雪渓・位ヶ原エリアのウラジロナナカマドは霜枯れの影響を受けたものが多いのが残念です。また、山麓の冷泉小屋や摩利支天方面でも見頃に近い状態まで色付きました。
大雪渓の積雪量は、先週と同様に昨年よりも多い状態が続いています。入口付近の雪渓下部は例年なら積雪がなくなるところですが、10メートル四方の大きさがあって、昨年より3週間〜4週間も雪解けが遅い状態です。また、雪渓上部も全体的には昨年より3週間程度遅く、例年なら積雪のなくなる雪渓上部右側も、まだ積雪が残っています。
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
【9月28日(土)、観光センター前駐車場】
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5時45分、ようやく日の出 |
時刻は5時45分、観光センター前駐車場には、日差しはまだありません。山頂付近にようやく朝日が差し込んでいます。
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朝焼けのノリクラ (画像左:高天ヶ原(左)と主峰剣ヶ峰(右) 画像右:摩利支天岳(左)と富士見岳(右)) |
気温は4℃、ひんやりを通り越して、寒さを覚える朝です。ご覧のように山頂付近は朝焼けに燃えています。朝日に照らされた位ヶ原付近のダケカンバを見ると、紅葉は先週からあまり進んでいない様子が見受けられます。
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6時の観光センター前駐車場 − まだ薄暗い |
6時近くになっても、観光センター前駐車場には日差しはなく、薄暗い雰囲気が続いています。それでも、空だけは青さが徐々に明るくなってきます。
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紅葉シーズンを迎えて朝から多くのマイカーが |
6時の観光センター前駐車場には、113台のマイカーがお越しになっています。通常、三連休の翌週は人出が少なくなる傾向があります。しかし、9月・10月は三連休が多いものの、紅葉シーズンを迎えて良い天候となれば、多くの方がお越しになる様子が見られます。
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シャトルバス始発便を待つ乗客の列 | 畳平の気温は0℃ − 過度の冷え込みは紅葉に悪影響 |
シャトルバス始発便を待つ乗客の方々の列も徐々に長くなってきました。シャトルバス乗車券販売所の窓口には、「気温0℃、風速1メートル」と、畳平の天候状況が表示されています。この時期は0℃以下に冷え込むようになります。これは大雪渓・位ヶ原付近で氷が張ったり、霜が降りることを示すバロメーターでもあります。
特に紅葉シーズンとその直前に氷点下となって霜が降りると、真紅の紅葉となるはずのウラジロナナカマドが霜枯れしてしまいます。一般的に「急激な冷え込みで紅葉が進む」といわれますが、ノリクラにおいては「過度の冷え込みは無用な冷え込み」といえます。
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午後の下り便は満席になることも |
紅葉シーズンになると周辺散策のために途中のバス停から乗車される方が多くなります。その場合、満席で乗車できない恐れもあり、バス係員の方からその旨のアナウンスが繰り返し行われます。
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乗鞍高原のシラカバも色付く |
観光センター前駐車場周辺のシラカバも先週よりも一段と紅葉が進んでいます。ただ、乗鞍高原の紅葉は10月半ばあたりから見頃です。
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シャトルバス始発便到着 | 10月より始発便は7時発に |
今日のシャトルバス始発便は2台が運行されました。大半の方は登山に方々のようで、大きな三脚を持つカメラマンの姿はほとんどありませんでした。しかし、翌日の9月29日(日)は、たくさんのカメラマンの方がお越しになりました。紅葉が遅れ気味であるものの、まずまずの状況まで色付きが見られるようになってきたため、少しずつカメラマンの姿が増えています。
6時10分発のシャトルバス始発便は、10月より約1時間遅くなって7時00分発になります。また、ご来光バスの運行は9月30日までです。なお、取材二日目の9月29日(日)には、ご来光バスの様子と大黒岳からのご来光の様子をお伝えしておりますのでご覧ください。(→ 5ページ目)
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本来ならもう少し紅葉が進んでもよい状況 |
本来ならもう少し進んでいても良い状態の紅葉ですが、週の前半は比較的暖かい状態が続き、紅葉が進まなかった原因のようです。ただ、週の後半は太平洋岸を台風が通過したあとに冷え込んだ空気が流れてきたことで急に冷え込んで、色付きが少し促進されました。
【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 T(観光センター〜三本滝ゲート)】
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鈴蘭バス停前 | 善五郎の滝 駐車場 |
それでは大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。
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ヤマウルシ − いち早く色付くが触れるとかぶれます |
こちらは善五郎の滝への遊歩道入口です。一部で紅葉が始まったように見受けられます。色付いているこちらの木はヤマウルシ。この木だけは一足早く綺麗な紅葉を見せてくれます。しかし、触るとかぶれますのでご注意ください。
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ミズナラの並木 |
善五郎の滝駐車場から鈴欄橋へ向かう区間はミズナラの並木になっています。
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ミズナラの実(どんぐり) |
ご覧のようにミズナラの実、どんぐりが実り始めています。しっかりと熟すにはもう少し時間が必要です。善五郎の滝への遊歩道を歩くと、ミズナラの実が落ちる様子に必ず遭遇します。上空で甲高い音を立てて落ちますので、頭上には注意が必要ですが、そんな様子を見つけるだけで秋の雰囲気を味わえるというものです。
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鈴欄橋 |
そして、こちらが鈴欄橋。
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紅葉スポット − でもまだまだ早い... | 昨年の紅葉シーズンの鈴蘭橋(10月中旬) 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.24(2012/10/20〜19) D |
普段は何の変哲もない橋ですが、あと2〜3週間もすれば、人気の紅葉スポットに変身します。山頂から山麓まで一望できるポイントですから、もし、山頂付近に降雪が見られれば、「三段紅葉」を楽しむことができるはずです。
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三本滝ゲート −ここからマイカー規制 | 今日は紅葉見物に − 大雪渓から歩きながら下山して |
さらに進んで、観光センターから7km先の三本滝ゲート。
いつものようにゲートの方とお話をしていると...5月の春スキーの時にお会いした方がやってきました。今日は紅葉見物にお越しになったとのこと。これからシャトルバスに乗車して、大雪渓・肩の小屋口から歩きながら下山して、紅葉を楽しむとのこと。
紅葉の楽しみ方には色々ありますが、こちらの方がおっしゃるスタイルが最もオススメです。また、標高によっても見頃の時期などが異なりますので、乗鞍紅葉情報(紅葉の歩き方)をご覧いただければ、乗鞍岳の紅葉の概要が把握できると思います。
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かもしかゲレンデ |
三本滝ゲートを通過して、こちらはかもしかゲレンデ。
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ヤナギランもそろそろ枯れ始める |
そろそろ、ヤナギランの季節も終りに近づいてきているようです。真夏から2ヶ月以上にも渡って、その変化を楽しませてくれました。
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季節はヤナギランから紅葉へ |
それに変わって、かもしかゲレンデ周辺にも紅葉の足音が少しずつ見られるようになって来ました。一つの草花から別の草木へとバトンを渡しながら、季節が刻々と移り変わってゆきます。そんな様子が見られますから、ノリクラはどのシーズンにお越しになっても、それぞれの季節にあった楽しみを教えてくれます。(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
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