ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.21(2013/09/28〜29) A
【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 U(摩利支天〜位ヶ原山荘)】
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秋本番 − 高い青空に筋状の雲 |
高い青空に筋状の雲がたなびき、秋本番の雰囲気が今日一日を包んでいます。
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中腹でも紅葉が進む |
若干遅れ気味だった紅葉も少しずつ進み始めています。
中腹の標高2000〜2100メートル付近、バス停の区間としては摩利支天から冷泉小屋までの沿道は紅葉の回廊が続き、上部の大雪渓・位ヶ原に引けをとらない紅葉のビューポイントです。
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中腹エリアは紅葉する木の種類が多い |
あとでお伝えする紅葉情報のコーナーでも申し上げておりますが、上部の大雪渓・位ヶ原は森林限界を超えているため、自生する植物が限られています。その中で紅葉する樹木となれば種類はさらに少なくなり、標高2600〜2700メートルの大雪渓ではウラジロナナカマドのみ、標高2500メートル前後の位ヶ原では、ウラジロナナカマドにダケカンバが加わるだけです。
それに比べて、標高2200〜2000メートル付近まで下がってくると、上記2種類に加えて、ミネカエデ、オオカメノキ(ムシカリ)、タカネナナカマドなどが加わり、クロウスゴも位ヶ原よりも増えてきます。そのため、色合いでもバリエーションが広がり、ボリュームも感じられるものです。
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冷泉小屋付近 | タクシーで紅葉見物 |
こちらは標高2230メートルの冷泉小屋。紅葉散策は歩きながら楽しむのがもっとも充実していることと思いますが、ピンポイントで紅葉を色々案内してくれるタクシーを利用するのもよいでしょう。
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運転手さんから紅葉や高山植物の説明を |
常連のタクシーの運転手さんだからこそ、色々な案内ができるわけですが、今年の紅葉の状況とか、わずかながらに残っている高山植物を説明するなど、畳平までの1時間程度の旅程にノリクラの魅力をぎっしりと詰め込んでくれます。
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タクシーで秋の雰囲気をゆっくりと |
単なる移動手段としてのタクシー利用も可能ですが、やはりこの時期は、秋の雰囲気をゆっくりと楽しんで貰いたいと思うのです。
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位ヶ原山荘 |
さらにすすんで標高2350メートルの位ヶ原山荘。
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屋根板・富士見沢 − 色付きが一段と明確に | 紅葉が始まると日に日に色合いが変化 |
先週と比べて、明らかに色付きが明確になってきました。この付近でもようやく紅葉が始まったと実感できる状況です。そして、翌日になると、ダケカンバの黄色はさらに鮮やかになり、紅葉が始まると一日単位どころか、半日単位で色合いの深まりを感じられるようになってきます。
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秋のヒルクライムで一番の絶景 | 昨年の紅葉がすばらしかったので今年も来ました! |
「昨年来た時すごくよかったので、今年も同じ週にやってきました。」というこちらのヒルクライマーの方々。バックに広がる屋根板・富士見沢のダケカンバの紅葉に言葉が出ません...
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秋のヒルクライムはみんな揃って! |
「10月の三連休(10月12〜14日)にもう一度訪れたいと思いますが、紅葉はまだ残っていますか?」
大雪渓・位ヶ原の紅葉は賞味期限が短く、おそらく、見頃は1週間程度しか楽しめないと考えられます。三連休のある10月中旬頃であれば、紅葉前線は乗鞍高原に到達し、その頃になると、バックに映える屋根板・富士見沢のダケカンバの紅葉は完全に終了してしまうでしょう。
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コレあげるよ!(大判焼き) | 桔梗ヶ原まで足をのばしてみます |
そんなヒルクライマーの方々とお別れした後、今度は地元の山岳ガイドに引率されたグループに出会います。今日は天気がよいので、乗鞍スカイラインの桔梗ヶ原付近まで足を伸ばしてみるとのこと...
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2013/09/14〜15) D でもお伝えしましたが、大黒岳から桔梗ヶ原への登山道が新たに一般開放され、桔梗ヶ原周辺のパノラマを一望できるオススメのポイントが一つ増えました。シャトルバスの到着する畳平から少し離れていますが、今日のように天候がよければぜひともお立ち寄りになってはいかがでしょうか?
【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 V(位ヶ原〜大雪渓)】
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位ヶ原 − 森林限界を超えて |
さらに進んで標高2500メートル付近の位ヶ原に到達します。森林限界を超えて、空の広がりが間近に体験できるはずです。
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タクシーを降りて紅葉散策 |
冷泉小屋でタクシーに乗車された方々にお会いしましたが、こちらではタクシーから降りて散策される様子があります。
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うわぁ〜キレイ! |
「うわぁ〜キレイ!」と、思わず背伸びして秋の空気を全身に感じます。
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カーブミラーによじ登ったところがオススメの撮影ポイント | 次の散策ポイントに向けて再びタクシーで |
道路脇には立ち入りを規制する誘導ロープが敷設してあります。昨年まではこの箇所も道路のカーブに沿って張ってありましたが、今年はその先のカーブミラーまで立ち入りができる状態に変更されています。実はそのカーブミラーによじ登ったところからの眺めがオススメなんです。
先ほど降りたタクシーは先回りしてくれてますので、適当なところから再び乗車します。歩く楽しさをちょっぴり味わせてくれるところがいいですね!
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今日もたくさんのヒルクライマーが... | 「今年の紅葉は遅いですねぇ〜」 |
数年前までは全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が終わると、訪れるヒルクライマーはめっきり少なくなったものですが、最近は秋になってもたくさんの方が訪れるようになって来ました。
「今年の紅葉は遅いですねぇ〜。それにしても今日は登山の方が多いですよ!」
自転車でお越しになったこちらの方。大雪渓に自転車を置いて剣ヶ峰(乗鞍岳山頂)に登る予定でしたが、あまりにも登山道が混雑していて断念されたとのこと。
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あと2ヶ月もすれば一面銀世界 |
あと2ヶ月もすれば、この辺りの道路は完全に雪に覆われ、一面の銀世界に様変わりします。そうなると、バックカントリースキーヤーの季節が始まります。早く雪が降らないかと指折り数える日々がそろそろ始まります。
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見事な紅葉も真冬になれば...(カーブミラーに注目→) |
道路も木々もすべて雪の中 −
晴れていてもルートを間違える |
さて、冬の位ヶ原はどのような光景になっているか...
左の画像は、先ほどご紹介した7号カーブ付近の様子。画像中央にカーブミラーが確認できます。高さ3メートル程度はあるかと思います。そして、右の画像は、同じ箇所の4月中旬のカーブミラーです。おそらく2メートル程度の積雪があるかと思います。ここで申し上げたいのは積雪量ではなく周辺の景色です。道路はもちろんのこと、現在紅葉が進んでいる木々の大半が雪に埋まっていて、どこに何があるのか、自分自身がどこにいるのかすらわからない状況となります。また、晴れていても下山ルートを間違えて、隣の沢筋に進入して救助要請するケースが過去にあり、冬山の怖さがこの美しい風景には潜んでいて、間違っても初心者単独の行動は許されないフィールドです。
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毎年、紅葉シーズンは欠かさずノリクラに... | 「キレイな紅葉ならパッと目が覚めるんですがねぇ〜」 |
位ヶ原周辺の登山道を歩くこちらのカメラマンのお二人。今日はご来光バスで日の出の撮影をされた後、沿道の紅葉を撮影しながら下山している最中です。時刻はお昼を少し回ったところで、ご来光から7時間歩きっぱなし...毎年、この時期は欠かさずノリクラにお越しになりますが、今回はちょっと顔色がさえない様子です。
「いつもならキレイな紅葉に、眠たいカラダがパッと目覚めるんですが、今年はねぇ〜〜」と、ちょっとボヤキ節...
例年、赤い紅葉を追い求めて撮影を続けていらっしゃるとのことで、確かに今年のウラジロナナカマドはよくない状態のものが目立ち、落胆されるのも致し方ありません。
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三本滝ゲートから押して歩いて4時間 − ペダルをこぐのはムリ! |
自転車はペダルを漕いで乗るものですが、ペダルが漕げる状況でないことに気付くのが遅すぎました...道路の勾配が急すぎて、折りたたみ自転車ではペダルを漕ぐことができません。三本滝ゲートからほとんど押して歩いて4時間、足はもうヘロヘロ...大雪渓まで1kmほどですが、果たして、スキーができるでしょうか?
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そして、ようやく大雪渓に到着いたしました。(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
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