ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.25(2013/10/26〜27) E
【剣ヶ峰山頂は暴風・烈風、位ヶ原は見事な樹氷の森】
剣ヶ峰山頂 − えびの尻尾は50センチ以上 |
乗鞍岳の主峰 標高3026メートルの剣ヶ峰の山頂です。ご覧のように鳥居にはびっしりとえびの尻尾が着氷しています。長いもので50センチ以上はあります。えびの尻尾が指す方向は北。今日も激しい北風が吹きぬけています。
社の壁には上に向かって伸びるえびの尻尾 − 激しく風が舞っていた証拠 |
山頂の社の壁を見ると、えびの尻尾が上に伸びています。つまり、風が上から真下に吹き付けていたことがわかります。社と石垣との間で風がぐるぐると舞って、ご覧のような現象が発生したものと思われます。
荒れ狂う雲の流れ − 足元をさらわれる突風 |
荒波のごとく雲は激しく流れ、山頂も立っていられないほどの強風が吹きぬけています。その状態に加えて、さらに突風に足元をさらわれることもあって、社に隠れていないと転倒滑落してもおかしくないほどの状況。
雲間から乗鞍高原 | 雪化粧とハイマツのグラデーションが美しい高天ヶ原 |
激しく流れる雲間から乗鞍高原や真っ白に輝く高天ヶ原が現れます。厳冬期の完全な冠雪とは異なり、雪化粧の内面からハイマツ帯のグラデーションが浮かび上がっていて、その美しさは表現の方法がないほど...
今日の剣ヶ峰山頂は別格の風景 |
昨日も見事な雲海を楽しませてくれた剣ヶ峰山頂が、今日はまた別格の風景をノリクラが用意してくれてました。
シーズン最後に出会った美しいノリクラ |
きれいに晴れ上がった青空と真っ白に輝く山肌はこの上ない美しさ。今シーズンを通してみても、これほどの美しいノリクラに出会ったことはなかったかもしれません。
山頂は雲の波の中へ |
そして、大雪渓まで下山すると、山頂方面は雲の波に飲み込まれて行きました。少しタイミングがずれていたら、あのすばらしい光景にめぐり合うことができなかったかもしれません。
午後の位ヶ原 − 見事な樹氷の森 |
午前中はどんよりとした濃霧が掛かっていた位ヶ原周辺も午後になって天候は回復し、ご覧のような見事な風景に出くわします。
位ヶ原お花畑 − 白い花が咲き誇りシーズン最後を締めくくる |
こちらは位ヶ原お花畑です。数週間前までは見事な紅葉を見せてくれ、シーズン最後のすばらしい錦絵に感動したものです。
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紅葉のピークを迎えた位ヶ原お花畑(3週間前) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2013/10/05〜06) F |
樹氷の位ヶ原お花畑 3週間前の紅葉シーンから想像できない光景 |
黄色に紅葉したダケカンバや真紅のウラジロナナカマドは多くの方を魅了しましたが、真っ白に花咲くダケカンバは、はかなさと美しさがあるからこそ、魅力が倍増するものです。
真冬日の位ヶ原 − 午後になっても樹氷が温存された |
今日の位ヶ原付近はマイナス2℃以下の真冬日。午前中は日差しがなかったこともあって、午後になってもご覧のような樹氷が温存できたものと考えられます。
非日常・非現実の世界 |
ダケカンバだけが真っ白に輝く様子は、非日常というよりも非現実の世界...
シーズン最後に出会うことを許してくれた光景 |
こんな景色がノリクラにもあるんだ...おそらく通い続けないと出会うことを許してくれない光景かもしれません。
【昨年の今ごろは?】
すでにお伝えしましたとおり、10月23日(火)の降雪により長野県側の県道乗鞍岳線、岐阜県側の乗鞍スカイラインは通行止めとなり、10月26日(金)から冬季閉鎖となりました。そのため、今回の取材は三本滝ゲートから歩いて現地に出向きました。
取材一日目の10月27日(土)は、雲に覆われる朝を迎えます。6時の気温は6℃で寒さはまったく感じられません。冬季閉鎖のためシャトルバスの運行も終了し、観光センター前駐車場に訪れるマイカーは14台と、平日以下の状況となっています。それでも、冬季閉鎖・シャトルバス運行終了であることを知らずにお越しになる方もいらっしゃり、今日の行動を思案する様子もありました。そんな閑散とした観光センター前駐車場とは裏腹に、一の瀬園地の大カエデは今日もたくさんのカメラマンに囲まれ、おそらく乗鞍一帯の中でもっとも賑やかなエリアだったのではないかと思います。天候は晴から曇りの状況のまま安定していて、上部エリアの大雪渓でもほとんど風がなく、バスやタクシー、そして、訪れる方のほとんどない静かなノリクラを楽しむことのできた一日でした。
取材二日目の10月28日(日)は、夜のうちから雨が降り始め、位ヶ原山荘では夜明け前には横殴りの吹雪。山荘前の路面も積雪凍結が始まる朝を迎えます。その後、吹雪は収まりますが、周期的に小雨の降る状況で、午後になるとまとまった雨降りで一日が終わります。グリーンシーズン最後の日曜日は生憎の天候のまま幕引きとなってしまいました。
今回も紅葉情報(6ページ目〜)をお伝えします。乗鞍高原の紅葉が深まりを見せ、今回も一の瀬園地の大カエデはたくさんの方々でにぎわいました。また、紅葉終盤を締めくくるカラマツも昨年よりも1週間遅れで綺麗に色付き始めました。
<編集後記>
さて、今シーズンのノリクラ雪渓カレンダーも今回で最終号です。WebSiteは2000年に開設して13年目を無事に乗り切ることができました。ノリクラにお越しになる、より多くの方に見ていただき、ノリクラをより深く感じてもらうための一助になれば幸いと感じています。
そして、来シーズンも継続して行く予定です。今シーズンのノリクラの想い出や、来シーズンの取材活動の参考に、WebSiteのご感想などお寄せいただけたら幸いです。(E:mail WebMaster@norikura.org)
最後に今シーズンの総まとめのあとがきへ続きます。ぜひご覧ください。(→ あとがき )
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