ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
Vol.1(2014/03/22) @
今年の冬は平年よりも気温の低い日が続き、2月に大雪に見舞われたため、例年よりも厳しい冬となりました。それでも、3月に入って少しずつ状況に変化が現れて、冷え込みが緩むようになり、厳冬期という長いトンネルに出口の光が見え始めるようになって来ました。スキーヤー・ボーダーの方々にとっては、冬の終りはいささか悲しいものがあるかもしれませんが、厳冬期のツアーコースに毎週入山していると、「早く春になってくれないか!」と、思ってしまうものです。
2014シーズンのノリクラ雪渓カレンダーも例年と変わらず、今回より連載を開始します。
今回より連載するノリクラ雪渓カレンダー プレリリース版
は、3月下旬からゴールデンウィークまでの期間、バックカントリースキーの主要コースである「ツアーコース」を中心にお届けし、5月中旬からの正式版では、春スキー(〜6月末)、夏スキー・ヒルクライム・登山(7月〜8月)、紅葉(9月〜10月)などを、季節に即してノリクラの様子をお届けして行く予定です。
さて、今回の取材日は春分の日(3月21日(金))を含めた3連休の中日。天気に恵まれたこともあって、今日もたくさんのバックカントリースキーヤー・ボーダーの方々がツアーコースへと入山されました。なお、スキー場のリフト営業が4月6日(日)までですから、ツアーコースをトライされようと検討している方は、リフトが終了する前にお越しになったほうがよいかと思いますので、今回の記事を参考にお越し下さい。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【3月22日(土)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
こちらは早朝6時過ぎの観光センター前駐車場。
日に日に夜明けが早くなる − 日の出時刻は5時台へ | 気温マイナス9℃ − まだ冬の寒さ |
春分を過ぎて、日の出時刻はすでに5時台に突入しました。そのため、6時を過ぎればしっかりとした朝日が差し込むようになります。12月末の冬至の頃と比べると1時間も日の出時刻が早くなり、これからは昼の時間のほうが長くなってきます。ただ、今日の朝の気温はマイナス9℃と冷え込み、寒さだけは厳冬期並みの状態です。
【乗鞍高原から望む乗鞍岳の峰々の名称】 | |
そろそろ、黄砂の影響のため、山の雪が汚れてくる季節ですが、昨日の降雪もあって、ノリクラの峰々はまだまだ綺麗な白い輝きを放っています。一般的に言われる「乗鞍岳」は23の峰々の総称であり、乗鞍高原から望む乗鞍岳は固有の峰を指すものではありません。
こちらは観光センターからの乗鞍岳です。
左の画像には大きく2つのピークがあります。その左に写るなだらかな山容が高天ヶ原(たかまがはら、標高2829m)。そして、その右に大日岳(だいにちだけ、標高3014m)、剣ヶ峰(けんがみね、標高3026m)、蚕玉岳(こだまだけ、標高2979m)、朝日岳(あさひだけ、標高2975m)と続きます。なお、剣ヶ峰は23峰で最も高く乗鞍岳の主峰のため、単に乗鞍岳といえば、こちらの剣ヶ峰のことを指す場合があります。また、乗鞍23峰の中に高天ヶ原は含まれていません。
そして、右の画像に移って、摩利支天岳(まりしてんだけ、標高2872m)、富士見岳(ふじみだけ、標高2817m)です。ちょうど、この画像に写る摩利支天岳のピークの向こう側にコロナ観測所(2010年 閉鎖、2011年 自然科学研究機構乗鞍観測所として再運用)があり、富士見岳の右側にシャトルバスの終点の畳平となります。
観光センターは冬季休業中 − 再開はゴールデンウィークに |
さて、サマーシーズンの観光センターは畳平へ向かうシャトルバスの発着拠点となり、多くの観光客の方で賑わいます。しかし、冬季は営業を中止し、営業再開は5月のゴールデンウィークあたりとなっています。冬季に観光センターでは、乗鞍岳や上高地へのガイドツアーを企画する会社が冬季限定で事務所を開設していますが、冬季の観光拠点はMt乗鞍(スキー場)がメインとなっています。
⇔ | ||
昨年の観光センター前 −
テラスには積雪がほとんどない 2013ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.1(2013/03/23) @ |
今週の観光センター前 − まだ1メートル以上の積雪 |
こちらは昨年と今年の観光センター前のテラスの積雪状況です。今年はまだ1メートル以上もの積雪がありますが、昨年はほとんど消滅しています。今年は2月に大雪があり、また、その後も気温の低い日が続いたこともあって、乗鞍高原一帯は昨年よりも積雪量の多い状況が見られます。
ただ、上部のツアーコースでは、この現象が逆転していて、昨年よりも少ない様子が見られます。ツアーコースの積雪状況については、3ページ目で詳細にお伝えいたします。
冷え込みは真冬でも、季節は着実に次へと |
厳冬期並みに冷え込んだ朝を迎えましたが、朝日は東の空に昇った瞬間から強烈な力強さを放っています。天候・気候は冬からまだ脱却できない状況でも、季節は次へと着実に動き始めています。
それでは、観光センターを後にして、スキー場の駐車場へと向かいます。
【第3駐車場から】
まだまだ冬用タイヤ・チェーンは必要(観光センター 〜 第3駐車場間) |
観光センターからスキー場の駐車場(第3駐車場)に向かう道路はご覧のように凍結状態。日中は緩むことがありますが、北向き斜面ということもあって、朝晩は確実に凍結しています。そのため、観光センターから先は、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)やタイヤチェーンの装着がまだまだ必要です。
第3駐車場 |
観光センター前駐車場から1kmほど進むとMt乗鞍 第3駐車場に到着です。スキー場の駐車場はこのほかにもありますが、こちらは収容台数は400台もあって一番大きく、メインの駐車場といっても良いでしょう。
営業開始直前 − ゲレンデはきれいに整備完了 |
時刻は7時を回ったあたり。圧雪車でのゲレンデ整備はすでに終了し、いつでも営業可能な状態です。
マイカーの誘導 | 駐車場係の方 − どんな天候でも早朝5時30分には出勤 |
今日は三連休中日ですが、お越しのマイカーはやや少なめ...駐車場の係りをされているこちらの方とも朝の挨拶を交わします。「昨日はお昼前から急に風が強くなり、全てのリフトが運休になりましたよ。こちらの駐車場でもすごい強風で、吹きさらしの場所はカチカチで、吹き溜まりには30センチ積もる様子もありました。」
駐車場の係りの方は、毎朝5時30分には出勤されるとのことですが、「寝過ごしちゃまずいので、しっかり寝られないですよ...2時とか3時には必ず目が覚めますね。」
今日のような晴れた日は良いものの、吹雪の日も天候に関係なく夜明け前からの仕事は、本当に大変なことだと思います。
出発準備風景があちこちで |
リフトの運行開始時刻は8時30分。そのため、8時近くになると、駐車場では出発の準備をされる様子が、あちこちで見られるようになって来ました。
5年ぶりのノリクラ − さあ今日はどこを滑ろうかワクワク... |
取材中に声を掛けてくださったこちらの方々...5年前にノリクラにお越しになったときも、ちょうど、今日のように良い天気だったとのこと...久しぶりのノリクラですが、今日は位ヶ原山荘に宿泊されるとのことで、今日はどこを滑ろうかと思案中です。
やはり、よい天気の時にお越しになると、もう一度、ノリクラに行ってみたい!という気持ちになるのも当然でしょう。
今日も明日も安定した天候が続く天気予報ですから、山荘泊まりのメリットを十二分に生かして楽しんでいただきたいものです。
チケットセンター |
第3駐車場から道路を渡ってゲレンデに入ると、チケットセンターがあります。こちらでリフト券を購入します。
1回券 − ツアーコース入口まで3枚 or 2枚 | 2枚の場合は次のリフト乗り場まで歩く |
ツアーコースへ向かうバックカントリースキーヤー・ボーダーの方々は、通常、1回券を購入します。他のスキー場ではリフトの長さなどによって、乗車に必要な1回券の枚数がリフトごとに異なりますが、Mt乗鞍ではどのリフトも1乗車=1枚です。通常、ツアーコース入口がある かもしかリフト終点までは、3本のリフト(やまぼうしリフト→夢の平クワッドリフト→かもしかリフト)を乗り継ぎます。しかし、チケットセンターは最初のやまぼうしリフトの中間付近に位置していますので、やまぼうしリフトを利用せず、2番目の夢の平クワッドリフトまで歩く方もいらっしゃいます。
そのため、やまぼうしリフトを含めた全線利用の場合は、1回券が3枚必要ですが、夢の平クワッドリフトまで歩けば、1回券は2枚となります。ご自身の体力に応じてご検討ください。ただし、ゲレンデ内を歩く場合は、端の方を歩くようお願いいたします。
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■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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