ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
Vol.4(2014/04/12) C
【ツアーコースV−位ヶ原急斜面】
ツアーコース − 位ヶ原急斜面 |
こちらはツアーコース最後の位ヶ原急斜面。これまで樹林帯を切りとおしてコースが作られていましたが、この付近からはオープンバーンとなってきます。
昨年の位ヶ原急斜面 2013ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2013/04/13) C ↓ |
先週の位ヶ原急斜面 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.3(2014/04/05) C ↓ |
今週の位ヶ原急斜面 先週とほぼ同じ、昨年より1.5メートル以上少ない |
位ヶ原急斜面の積雪は、先週とほぼ同じで、昨年より1.5メートル以上少ない状況です。昨年との差はかなり大きなものですが、一昨年と比べると、数十センチ程度の違いで、格段に積雪量が少ないということはないと思います。
今シーズン初めてのノリクラ入り − 今日は足慣らし! |
そこにお越しになったこちらのスキーヤーの方。「今年は今日が初めてのノリクラ...ですから、今日は足慣らしに来たんです。」 スキー場の営業が終了し、そろそろ、春スキーが本格的なシーズンに突入します。
上部から滑走 − 「肩の小屋より先はクトーでもだめでした」 |
位ヶ原急斜面を滑り降りてきたこちらのボーダーの方。「肩の小屋まで、シールにクトー(スキーアイゼン)をつけてで登ったものの、全く無理!クトーがあってもダメですね〜」
「この斜面が一番面白い!」 − 再び昇り返す |
「この斜面が一番面白い!」とおっしゃりながら、スプリットボードにシールを貼り付けて、再び登り返します。時刻は12時を回ったところですが、今日は多くの方が肩の小屋・山頂方面や摩利支天岳方面に足を伸ばしていて、下山される様子がまだありません。ですから、今のうちにいいところを滑っちゃおうというところでしょうか?(笑)
パウダーゾーンは森林限界より下部に多い |
必ずしも山頂方面に良質なバーンがあるわけではなく、特に厳冬期などは森林限界より下の中間部分にパウダーがあったりします。林間のほうが雪が積もりやすいという条件もあるかと思います。
位ヶ原急斜面からの展望 |
この時期になると、場所によってはパックされていたり、アイスバーンだったりと厳冬期以上にバーンが一様ではなくなってきます。
【位ヶ原】
位ヶ原 |
ツアーコースを登りきった先の位ヶ原。標高約2500メートルの台地は森林限界を超えます。目印となる木々が極端に乏しくなります。先ほどの位ヶ原急斜面を出発する前に、天候の変化を確認して、悪化傾向であれば、これ先の入山はされないようお願いいたします。
昨年の位ヶ原 2013ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2013/04/13) D ↓ |
先週の位ヶ原 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.3(2014/04/05) C ↓ |
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位ヶ原の積雪量は先週より20センチ減少して、昨年より20センチ少ない状況です。
拡大 |
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所々でシュカブラ − 剣ヶ峰〜摩利支天岳の鞍部を拡大 | 肩の小屋 − 山頂・大雪渓方面を目指す目印 |
所々でシュカブラ(風紋・雪紋)が確認できます。厳冬期の位ヶ原はアイスバーンに近い状態ですが、春になって、湿り気のある雪が降るようになると、柔らかな表面に覆われるようになり、そこに強風が吹くと、ご覧のようにシュカブラが見られるようになります。
また、左に剣ヶ峰、そして、右に摩利支天岳がありますが、その2つのピークの間の鞍部(コル)に肩の小屋が見られます。大雪渓方面から肩の小屋を目指す場合は、これが目印となります。
山頂方面(剣ヶ峰〜蚕玉岳〜朝日岳) ↓ |
剣ヶ峰〜蚕玉岳 | 蚕玉岳〜朝日岳 |
=いずれも直登は無理、肩の小屋方面から登る(直登は雪が緩むGW以降から)= |
今日も剣ヶ峰方面に向かう方々の姿が確認されます。稜線付近はまだアイスバーンですので、ゴールデンウィーク以降のように位ヶ原から直登で稜線に登ることは困難で、右側の肩の小屋から登って行くのが一般的です。肩の小屋まではシールで問題なくても、肩の小屋から先はアイゼン必須です。
摩利支天岳 |
こちらは摩利支天岳。今日も東斜面に向かう方々がたくさんいらっしゃいました。こちらも稜線付近に差し掛かるとアイスバーンになっていることがありますので、アイゼンが必要と感がられます。
今日は本当に穏やか − ツェルトを広げても飛ばされない |
山頂から下山されてきた登山の方が、位ヶ原で休憩をされていました。ご覧のようにツェルトを広げても、飛ばされることなく、のんびりと過ごすことができます。ここ最近の位ヶ原は厳冬期と比べれば、はるかに穏やかになってきましたが、風が全く途切れることはありませんでした。
今日はそれ以上に本当に穏やかな位ヶ原でした...
【大雪渓下部】
ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。
昨年の大雪渓入口 2013ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2013/04/13) D ↓ |
先週の大雪渓入口 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.3(2014/04/05) C ↓ |
今週の大雪渓入口 先週とほぼ同じ、昨年より1.3メートル少ない |
こちらは大雪渓入口付近。積雪は先週とほとんど変わりありません。昨年は1週間で50センチも積もってほとんど姿が見えないほどになっています。この付近は4月下旬ごろまでさらに積雪量が増えますが、昨年と同等の積雪量に達することは考えにくい状況です。
大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。
トイレ小屋(冬季閉鎖中) −利用可能は5月下旬以降 |
この時期はどちらの小屋も閉鎖されていて使用できません。利用できるようになるのは、乗鞍岳春山バスが大雪渓まで延長運行される5月下旬〜6月上旬以降です。
大雪渓にはいくつものシュプールが − バーンコンディションは硬からず柔らからず |
大雪渓にはいくつものシュプールが刻まれています。気温はプラス1℃。気温が極端に上昇せず、バーンコンディションは硬からず柔らからずといった程よい状況。
終日よい天気が続きました |
時刻は14時を回りました。厳冬期だとそろそろ日が傾き始める時期ですが、朝が早いのと同様に日も長くなってきました。季節の移り変わりは、いろんなところで感じられます。
<編集後記>
「自然は広く浸透しているのか?進化しているのか?」
ある番組の中で、「ハンサムはイケメンに、水玉はドット柄に、ガソリンはセルフに...」と、言葉を並べたCMが流れていました。昔はこのような言い方をしたけど、今はこんな風に変化しているということをあわらしたものです。ここで出てくる言葉は、呼び方や形が昔と今とでは変化しているものの、普遍的にその時代に浸透しているというものです。
それでは「自然」という言葉を上のCMのように言い表したらどのようになるでしょうか?
山スキー・ボードをする人ならば、「自然はバックカントリーに」となるでしょうか?しかし、自然全体を表すのであれば、やはり「自然」という言葉がやはり一般的には通用するものだと思います。つまり、「自然」という言葉は、今も昔も普遍的に使用されているといってよいでしょう。
さらに、「自然は自然に...」という言い回しを別の見方をすれば、今も昔も「自然」と言う言葉は普遍的なものという捉え方ができる一方、昔から進化しなかったという捉え方もできます。
つまり、「ハンサム」とか「イケメン」という言葉のように、「自然」という言葉が日常に広く浸透しているのであれば、今も昔も生きている言葉といえるでしょう。しかし、広く関心のない言葉だったとしたら、死んだ言葉となってしまい、言葉の進化はないと思うのです。
果たして、「自然」は日常に根付いていて、生きた言葉として広く浸透しているのでしょうか?それとも日常から離れてしまい、関心のなくなった言葉になっていないでしょうか?
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