ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.1(2014/05/10) @
ゴールデンウィーク期間中の大型連休が終わりました。今年の連休は前半と後半に分割されましたが、中間の平日に天候が崩れた以外は、よい天気に恵まれた日が多く、乗鞍岳春山バスは夜間凍結や積雪に伴う運休もなく、おそらく大型連休中に問題なく全便運行されたのは、今年が初めてのことだったと思います。
今回より、2014シーズン ノリクラ雪渓カレンダー正式版の連載を開始いたします。10月末までの約半年間は、6月末では稜線からの大滑降が楽しめる春スキー、そして、7月以降は夏スキーとヒルクライム、9月の紅葉へとノリクラの季節が移ろって行きますが、それぞれの季節で一番気になるノリクラの情報をお届けしたいと考えております。
さて、前日の5月う9日(金)は、不安定な天候となり、山頂方面はもとより、山麓の乗鞍高原でも霰(あられ)が降る状況でした。そのため、乗鞍岳春山バスは始発便が運休となってしまったものの、2便目からは通常運行されました。そのため、出発が若干遅くなってしまったものの、多くの方が山頂方面へと向かう様子が見られました。昨日降ったばかりの新雪ですからパウダーを少しは期待したものの、肩の小屋より上部はガチガチバーン...まだまだアイゼンが手放せないコンディションが続きます。
また、ツアーコースでの下山滑走はかろうじて可能な状況でしたが、問題なく下山滑走できるのは、おそらく今回が最後となるでしょう。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【5月10日(土)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
早朝5時30分過ぎの観光センター前駐車場。
嵐が去って、晴天無風の朝 |
昨晩は激しい嵐の夜でした。しかし、今日はほとんど無風で、そんな様子は全く感じさせない状況です。気温は1℃、この時期としては冷え込んだ朝を迎えます。
昨日の降雪で真っ白な雪化粧が施され、朝焼けがきれいに染まる |
今日もノリクラの峰々は綺麗な朝焼けに染まりました。普段以上に綺麗な色彩を放っています。それは昨日の降雪で厳冬期並みに真っ白に雪化粧したため、赤味がしっかりと映えているからです。
カラマツに青味が帯びて来た(頂上部分がカラマツ
下が白樺) =新緑はカラマツが先で、紅葉はシラカバが先= |
さて、これからの季節は一週間単位で季節移り変わってゆきます。周囲の山を見るとカラマツがほのかに緑色に感じられるようになって来ました。こちらの画像では三角形の頂上部分がカラマツで、その裾野のまだ青くなっていない部分がシラカバです。
紅葉はシラカバが先に始まって、カラマツのほうが後ですが、ご覧のように、新緑は逆にカラマツのほうが先で、シラカバのほうが後なんです。ちょっと、面白い現象ですね...
自然保護センターの桜 − 開花は例年5月中旬 | スモモもまだ − 来週の開山祭に間に合うか... |
左の画像は観光センターの隣にある自然保護センターの桜。こちらはまだつぼみが硬く、開花はおそらく来週になるかと思います。そして、わさび沢沿いのスモモもつぼみは硬い状態で、こちらも見頃は来週だと考えられます。ほぼ昨年並みの推移です。
来週の5月18日(日)には、一の瀬園地にて乗鞍高原開山祭が行われる予定ですので、ちょうどよいタイミングで開花するはずです。
春山バス停 − 5月4日より駐車場内に変更されました |
さて、これまで観光センターの春山バスのバス停は、車道沿いの路線バスの停留所と兼用していました。しかし、手狭なため混雑を緩和する必要から、5月4日(日)から、7月〜10月のシャトルバスで使用される駐車場内の停留所に変更されました。ただ、シャトルバスの時のようなテントは設置されていません。
これまでのように車道沿いの停留所には停車しませんのでご注意ください。
山頂方面には雪煙が − ちょっとパウダーを期待! |
山頂方面は、時折、激しい雪煙た湧き上がります。厳冬期には良く見られますが、柔らかな新雪が降った証拠でしょう...この様子を見る限り、パウダーがちょっと期待できるかもしれません...
【三本滝レストハウス前駐車場、春山バス始発便は運休】
三本滝レストハウス前駐車場 | 6時過ぎにはアスファルト部分が満車に近くなる |
こちらは観光センターから約7km先にある三本滝レストハウス前駐車場。時刻は6時を回った頃。すでにアスファルト部分の駐車スペースはかなり埋まり始めています。
春山バスの運行前の道路パトロール | 積雪凍結のため始発便は運休 (画像は当日早朝の冷泉小屋〜位ヶ原山荘間) |
乗鞍岳春山バスは、今日5月10日から始発便が1時間早くなります(三本滝 8時45分発 → 7時45分発)。これは4月下旬の運行開始直後は、夜間凍結により運休となるケースが例年多かったため、これをできるだけ回避する必要から、始発便を1時間遅らせました。ですから1時間早くなったというよりも、本来の時刻に戻ったと言った方が正しいでしょうか...(乗鞍岳春山バスの運行ダイヤなどは、2014シーズン 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘・大雪渓)の運行について をご覧ください。)
また、冬季閉鎖中の道路での運行のため、路面凍結の有無などの安全確認を始発便運行前に必ず実施します。
今日も7時前に早朝パトロールに向かったバス会社の方がパトロールから戻ってきました。しかし、右の画像の通り、冷泉小屋より上部では昨日の積雪が残っていて、始発便は運休の措置が取られました。
各バス停に運休の案内掲示 | 運行の可否はバス停の掲示を確認して下さい |
各バス停に始発便運休の表示がなされます。乗鞍岳春山バスは路線バスの一種ですから、バス停が唯一の案内場所です。そのほか、電話でバス会社に直接問い合わせることもできますが、出発の準備をされている間に、バス停の掲示を絶えずチェックするようにお願いいたします。
常連の二人 − 運行が決まる前から出発! |
バスが運休なら歩いて登るしかありません。こちらの常連のお二人は、すでにバス運休を見通して、運休が決まる前から登る準備をされていて、いち早く出発されました。
バスをあきらめ、多くの方が登り始める |
7時45分の始発便の次は第2便の9時55分です。もし、第2便が運行されれは位ヶ原山荘には10時17分に到着します。さらに位ヶ原山荘での出発準備などを計算に入れると、第2便に乗車した場合、位ヶ原の台地に到達するのは11時前後となるはずです。
そこから逆算すると、8時前にかもしかゲレンデを出発すれば、大抵の方なら第2便でやって来た方々よりも先に位ヶ原に到達することができるはず...そのため、多くの方が、8時前にはかもしかゲレンデを歩き始めました。
「ヤマが真っ白だったから、ヤバイと思ったんですよ」 | ふきのとうが芽吹く中を登る |
「昨日は寒かったし、今朝、ヤマを見たら真っ白だったので、ヤバイかなぁ〜とは思ったんですよ。」と、おっしゃるこちらのお二人...取り軽く、かもしかゲレンデを登って行きます。そんなかもしかゲレンデも雪解けが終わったところから、一斉にふきのとうが芽吹き始めました。山麓では早春の味覚ですが、こちらではこれからが旬の山菜。ノリクラの春は本当に遅く、また、駆け足で次の季節へ移って行きます。
第2便から運行開始が決まる | 乗車券購入 |
そして、路面凍結が解消され、9時前には第2便の運行が決まりました。「歩いて行くなんて考えなかったんですよ。」と、おっしゃる方や、「登り始めたら、運行するって聞いたので、あわてて下りてきたんですよ。」と、おっしゃる方などさまざまです。
そして、定刻前に春山バス第2便が到着しました。
今日の第2便は4台運行 |
今日の第2便は4台が運行されました。1台は三本滝へ直接配車され、残り3台は観光センターから乗客を乗せて到着し、ここで4台が合流して位ヶ原山荘へ出発しました。ツアーコースでの下山滑走が危うい状況となってきて、スキーヤーも往復乗車される方が増えてきたようです。往復乗車の場合、三本滝からの乗車も観光センターから乗車も同一料金のため、観光センターから乗車されるケースが増えてきたようです。
なお、ツアーコースの状況は4ページ目にてお伝えしますが、この週末で最後となる可能性が高い状況です。また、乗鞍岳春山バスの運賃などについては、2014シーズン 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘・大雪渓)の運行について をご覧ください。
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■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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