ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.1(2014/05/10) A

Top-page > Index > Page:   1  2  3  4

(Update:2014/05/15)

  

【春山バスの車窓から − 位ヶ原山荘より山頂方面へ出発】

それでは春山バスの車窓の様子をご覧ください。

 

標高2000メートル付近 − 雪の壁が低くなってきた

乗鞍岳春山バスは、毎年、ゴールデンウィークの大型連休初日から運行開始されます(※)。三本滝ゲートの標高は1800メートルで、春山バスは標高2350メートルの位ヶ原山荘まで運行されます(※※)。運行開始から2週間が経過して、標高2000メートル付近より山麓側ではかなり雪解けが進み、雪の壁も低くなってきました。
※今年は4月26日(土)から運行開始       ※※ 5月下旬以降は標高2600メートルの大雪渓駐車場まで延長運行予定です。

 

標高2200メートル付近 − まだまだ雪の壁は高い 乗鞍春山入山計画書の案内

それでも、標高2200メートルの冷泉小屋を過ぎると、左の画像のような雪の壁が見られます。また、5月下旬になると、位ヶ原山荘から先の道路の除雪が完了して、標高2600メートルの大雪渓まで延長運行されます。そうなると、さらに高い雪の壁が見られるようになってきます。

現在、除雪は大雪渓駐車場の手前数百メートルの4号カーブまで到達しています。
4号カーブの除雪の様子は3ページの最後に掲載していますが、まだ、4号カーブ付近は路面まで除雪が達していませんので、実際の雪の壁がどの程度あるのか体感できませんが、その手前の5号カーブは路面まで除雪がされています。5号カーブの雪の壁の高さは、この後のところで、でお伝えしていますのでご覧ください。

また、車内では、乗鞍春山入山計画書の説明と配布が行われます。位ヶ原山荘周辺の散策に向かう方は結構ですが、山頂方面などへ行くスキーヤー・ボーダーの方や登山の方は、必要事項を記入の上、位ヶ原山荘にあるポストへ投函するようご協力お願いいたします。

 

三本滝バス停を出発してから、20分ほどバスに揺られれば、終点の位ヶ原山荘に到着します。

 

今年初めて真夏日を観測した日本列島で ここは気温5℃
=春山バス乗車時は防寒着を忘れずに=

10時過ぎの位ヶ原山荘の気温は5℃、快晴無風の絶好のコンディションです。この日は各地で夏日(最高気温25℃以上)が観測され、また、大分では日本全国で今年初めて真夏日(最高気温30℃以上)が記録されました。しかし、こちらではアウターが必要なほどの状況です。

春山バスをご利用の方は、どんなに天候が良くても、防寒着を持参してご乗車ください。

 

乗鞍春山入山計画書の記入 今年は屋外トイレが設置されました

春山バスから降りたスキーヤー・ボーダーの方々が、一斉に乗鞍春山入山計画書を記入される様子が見られます。また、今年から屋外にトイレが設置されました。従来は山荘の屋内のトイレを利用するため、ブーツを脱ぐ必要がありましたが、その手間がなくなりました。ただ、春山バス到着直後は、利用される方が集中しますのでご注意ください。

 

屋根板下部の入山口へ

そして、いつものように位ヶ原山荘から数百メートル先の入山口(屋根板下部)に向かいます。

 

バーンはそれほど緩んでいない

屋根板から位ヶ原の台地に登り、そこから山頂方面を目指します。雲ひとつない快晴にしっかりとした日差しが降り注ぎます。しかし、今日は気温の上昇はほとんどなく、日差しの暖かさが感じられません。そのため、バーンは朝一番から比べると緩んでいるものの場所によっては硬いところもあって、スキーヤーは通常の雪質の時と同じように、シールで登る方が多かったものの、ボーダー・登山の方はスノーシューよりもアイゼン装着の方が多く見受けられました。

 

屋根板から位ヶ原へ 除雪箇所(県道乗鞍岳線5号カーブ)

屋根板から位ヶ原の台地に登ると、まず最初に出くわすのが県道乗鞍岳線の5号カーブの除雪部分。県道乗鞍岳線は山頂から山麓に向かって主要カーブには順番に番号が付与されています。当WebSiteでは、位置を示すためにカーブ番号を頻繁に使用していますので、ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線カーブ番号版 にてご確認ください。

 

断崖絶壁 − 高さ10メートル近くの崖

ご覧の通り、断崖絶壁の雪の壁です。壁の上に立つ人の背丈と比べると、その高さは10メートル近くに達していることがわかります。山頂・大雪渓方面からツアーコースに戻る際には問題ありませんが、今後、ツアーコースでの下山ができなくなると、春山バスで下山する必要があり、位ヶ原山荘に戻ってくることになります。そうなると、この付近を滑り降りるわけですが、濃霧など悪天候時には、視界不良で切り通りの壁が見えにくい状況となりますので、この付近の滑走時は十分注意してください。

 

【参考】雪解け終了間際の5号カーブ(昨年8月上旬)
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.13(2013/08/03〜04) A

さて、この5号カーブの雪の壁は、夏場になるとどのようになるか...こちらの画像は昨年8月の5号カーブの様子。ご覧のような平原で、10メートルにも及ぶ雪の壁があることすら想像できません。これだけ大量の積雪ですから、8月でも一部で積雪が残っています。ただ、大雪渓のように秋まで雪が残ることはなく、この次の週末にはほとんどなくなりました。

8月の松本市街地は連日猛暑に見舞われますが、雪がまだ残っている乗鞍も同じく松本市...本当に同じ市内なのかと思ってしまいますね...

 

それでは大雪渓方面を目指します。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2013/05/11) C
先週の大雪渓入口
速報 2014/05/03
今週の大雪渓入口
先週より20センチ増加、昨年より1.2メートル近く少ない

こちらは大雪渓入口付近。積雪は先週より20センチ増加し、昨年よりも1.2メートルほど少ない状態です。画像に写る看板付近の積雪は、昨年よりも積雪量が少ないのですが、その奥の山頂方面は、明らかに今年の方が積雪量が多い状況で、山頂方面の積雪状況は、この後の【肩の小屋】【稜線へ】【稜線】などのコーナーでもお伝えします。

 

トイレ小屋と避難小屋方面 昨日の降雪でガードロープが再び埋まる

大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。2週間前はしっかりと確認できたガードロープが再び埋まっています。大雪渓付近では、まだまだ、これからも降雪に見舞われますが、今後は、積雪が増えるまでの降雪はないと考えられます。

現在、乗鞍岳春山バスは位ヶ原山荘までの運行ですが、5月下旬には右の画像の大雪渓駐車場まで除雪が完了します。そうなると、ここまで延長運行が開始されますが、6月に入っても、一時的な降雪で路面が真っ白になることはよくあることです。(もちろん、そうなると春山バスは運休、もしくは位ヶ原山荘止まりとなります。)

 

トイレ小屋(冬季閉鎖中) −利用可能は5月下旬以降

トイレ小屋と避難小屋は現在閉鎖中です。利用できるようになるのは、乗鞍岳春山バスが大雪渓まで延長運行される5月下旬〜6月上旬以降です。

 

モーグルコースの岩 − 大雪渓で最初に姿をあらわす岩
=大雪渓の積雪量・雪解け状況のバロメーター=

大雪渓を登り、こちらはトイレ小屋から180メートルほどのところにあるモーグルコースの岩。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが、こちらのモーグルコースの岩です。ですから、モーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。

 

先週のモーグルコースの岩
速報 2014/05/03
今週のモーグルコースの岩
今年は一度も埋まることがありませんでした

例年、3月ぐらいまではまだ姿が見られ、その後の降雪で完全に埋まります。そして、、再び姿が見られるのは5月中旬ごろです。しかし、今年は一度も埋まることがありませんでした。それでも、先週と比べると積雪量は20センチ程度増えています。

 

ハイマツ帯が見える箇所も
大雪渓下部は例年よりも積雪量が少ない状況

モーグルコースの岩のすぐ上でもすでにハイマツが確認できる状態です。大雪渓下部の積雪量は例年よりも少ない様子が見られ、今後、夏スキーへの影響が懸念されます。

 

【肩の小屋】

ここからは肩の小屋周辺の様子をお伝えします。

 

昨年の肩の小屋周辺(同時期の1週間後)
2013ノリクラ 雪渓カレンダーVol.2(2013/05/15・18・19) B
今週の肩の小屋周辺
明らかに今年は積雪量が多い

昨年同時期は悪天候のため、1週間後の画像と比較します。少し時期がずれているため(今年のほうが1週間早いため)、正確な比較とはなりませんが、それでも明らかに積雪量が多い様子がうかがえます。先ほどの大雪渓下部とは裏腹に標高が高くなるに連れて、昨年よりも積雪量が多い状況です。

 

昨年の肩の小屋東側(同時期の1週間後)
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2013/05/15・18・19) B
今週の肩の小屋東側
昨年より2メートル多い積雪量
昨年の肩の小屋西側(同時期の1週間後)
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2013/05/15・18・19) B
今週の肩の小屋西側
屋根には上らないようお願いします
=山麓では昨年より積雪量が少ないものの、肩の小屋より上部は逆に多くなっている=

上段の肩の小屋の東側では、昨年より2メートル近く積雪量が多く、下段の西側の屋根でも、1メートル程度積雪量が多い様子がうかがえます。屋根はトタンでできていて、アイゼンなどで容易に穴が開いてしまいますから、絶対に屋根に上らないようお願いいたします。

 

肩の小屋周辺には宇宙線観測所など各施設があるものの、その多くは雪に閉ざされた状況。

 

今日はここでゆっくり休憩

今日は春山バスが第2便からの運行となったため出発が遅くなりました。そのため、山頂方面まで向かうことはせずに、肩の小屋付近でゆっくり休憩してから下山されるスキーヤーの方も多かったようです。時刻はちょうどお昼過ぎ。気温は2℃程度ですが、いつもの強風はほとんどなく、のんびりとくつろぐ様子が見られました。

■ Next>>  Page3 【稜線へ】 ■


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  Next>>