ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.3(2014/05/24〜25) C

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(Update:2014/05/29)

  

【剣ヶ峰〜蚕玉岳】

こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。

 

昨年の蚕玉岳山頂付近
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) E
先週の蚕玉岳山頂付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2014/05/15・17・18) D
今週の蚕玉岳山頂付近
過去5年間でもっとも多い積雪量

蚕玉岳山頂は、先週とほとんど変化が見られず、先週と同様、積雪量は過去5年間でもっとも多い状態が続いています。

 

稜線からの滑り込み どのラインに飛び込もうかな〜

先週はエッジのかからないひどいアイスバーンでしたが、今日は柔らかめでどこを滑っても問題なさそうな様子。

 

青空がいっぱい 空中を歩く雰囲気

蚕玉岳山頂はほぼ完全なフラットな状態で、剣ヶ峰がある南側をのぞくと完全に青空だけの世界が広がっています。まさに空中を歩く雰囲気がいっぱいです。

 

ヒルクライム&登山 最後の締めはスキーで − ノリクラ版トライアスロン!

さて、こちらの常連の方。いつもなら、午前中には山頂に到着するのですが、今日はお昼過ぎにようやくやって来ました。お話をお聞きすると、今日は平湯峠から自転車で乗鞍スカイラインをヒルクライムし、自転車を畳平に置いた後、スキーブーツに履き替えて山頂まで登ってこられたとのこと...ヒルクライムといっても、一般的なヒルクライマーのように最軽量の装備で走る状態ではなく、ザックにブーツを押し込み、スキー板とストックをくくりつけてのヒルクライムですから、「ザックの重さで腰は痛くなるし、畳平に到着するまでに20台くらいの自転車に抜かされましたよ!」と、おっしゃっていました。

乗鞍岳山頂(剣ヶ峰)の標高は3026メートル、出発地点の平湯峠は1684メートルですから、その標高差は1342メートル。ちょうど休暇村から歩き始めたのと同じくらいの標高差で、ヒルクライム&登山&スキーという三種目ですから「ノリクラ版のトライアスロン」と言っても良いかもしれませんね。

 

綺麗な新雪が緩んで滑りやすいコンディション

稜線から完全に緩んだバーンです。しかし、新雪の綺麗な状態ですから、もたつくような状況はなく、かなり滑りやすいコンディションです。

 

昨年の位ヶ原
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) E
今週の位ヶ原
例年より多い積雪量
昨年の剣ヶ峰直下の岩
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) E
今週の剣ヶ峰直下の岩
2010年と同程度に多い積雪量

上段は稜線から滑り降りたところから見る位ヶ原。例年なら、左の画像のようにハイマツ帯がはっきり現れて唐草模様が見られるものの、今年はようやくハイマツ帯が出現したところです。2012年も積雪量の多い状態でしたがそれとほぼ同じ状況を示し、例年より積雪量の多い状態を見せています。

下段の剣ヶ峰直下の岩付近は、積雪量の多かった2010年とほぼ同じ程度で、例年よりも多い状態が見られます。

 

滑りはじめから3分の1地点 − 今週になってようやくハイマツ帯が

稜線から県道乗鞍岳線までの区間の約3分の1程度の箇所ですが、ご覧のようにようやく両側にハイマツ帯が出現して、滑走ルートがはっきりとわかるようになって来ました。

 

綺麗なバーン状態は梅雨入り前まで

この時期らしい綺麗なコンディションのバーンは、まだ、降雨があまりないためです。今後、雪ではなく雨が降るようになると、バーン表面を雨水が流れて縦溝が生じたり、また、雨水がしみこんで夜間に再凍結すると、バーン表面に細かな氷の小片が現れるようになり、さらにひどくなるとたけのこ状の円錐柱ができてしまい、滑走がかなり難しくなります。

この時期ならではの綺麗なバーンは、梅雨入り前までの今が旬です。お早めにご賞味くださいませ...

 

滑りやすいため、ロングコースもあっという間に...

雪の感触に身を任せながらターンを繰り返すと、ロングコースに感じるこのバーンもあっという間に滑り降りてしまいます。

 

県道乗鞍岳線

稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。

 

切り通しは3.9メートル
2012年に次いで2番目に多い積雪量

切り通しの高さは3.9メートル。2013年はまだ除雪がされてなく、2012年は4.4メートル、2011年は3メートル、2010年は3〜4メートルでした。山頂付近は例年よりもかなり積雪が多い様子が見られましたが、車道付近になると積雪量がやや少なくなって、2012年に次いで2番目に多い積雪量です。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) E
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2014/05/15・17・18) C
今週の大雪渓入口
先週より30センチ減少、昨年より50センチ少ない

こちらは大雪渓入口付近。積雪は先週より30センチ減少し、昨年よりも50センチほど少ない状態です。これまでは昨年との積雪量の差が1メートル程度ありましたが、その差が少しずつ減少しています。また、後方に写る山頂方面の積雪量は、昨年よりはるかに多い状態を見せていますが、こちらについては、【剣ヶ峰〜蚕玉岳】【稜線】のコーナーで、すでにお伝えしたとおりです。

 

トイレ小屋と避難小屋方面

大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。

 

大雪渓駐車場まで除雪完了

ご覧のようにトイレ周辺の大雪渓駐車場まで除雪が完了していて、乗鞍岳春山バスが大雪渓まで延長運行されるのを待つばかりです。

 

これまでトイレは冬季閉鎖されていて使用できませんでした。

トイレ・避難小屋は利用可能になりました

しかし、春山バスの大雪渓延長運行を前に、トイレと後方の避難小屋が利用できる状態となりました。これまでは位ヶ原山荘を過ぎると、全くトイレのない状態でしたので、山頂方面の春スキーは、トイレや避難小屋のある大雪渓周辺をベースに活動することができるのではないかと思います。

 

位ヶ原山荘への下山ルート − ここからスタート

これまでは位ヶ原山荘までしか春山バスがやってきませんでしたので、位ヶ原山荘から大雪渓へ登るルートがそのまま下山ルートとなり、なんら問題はありませんでした。しかし、今後、春山バスが大雪渓まで来るようになると、位ヶ原山荘に行くルートをご存知ない方も増えてきます。最も、そのまま大雪渓から春山バス下り便に乗車すればよいですが、位ヶ原山荘まで下山される方も結構いらっしゃるようです。

大雪渓から位ヶ原山荘には、こちらのトイレ付近からスタートします。

 

【大雪渓から位ヶ原山荘への下山滑走ルート(滑走可能時期:6月中旬まで)】

@ ハイマツ帯の向こう側を滑る Aハイマツ帯が途切れたら左へ − 道路滑落注意
B 平坦部分を滑走 C 矢印部分の急斜面入口で、位ヶ原山荘を目視で確認
(この急斜面は厳冬期雪崩多発地帯)

大雪渓から位ヶ原山荘への下山滑走ルートは、若干注意する点がありますので、画像でご説明します。ただ、この情報は参考程度と考えていただき、初めての方は、必ず経験者と同行するようお願いいたします。また、視界の悪い時は、位ヶ原山荘への下山滑走をせずに、大雪渓から春山バスをご利用ください。

画像@のハイマツ帯の向こう側がトイレからの滑り降りてきたルートです。
画像Aのハイマツ帯の切れたところから左にルートを取ります。左にルートを変更しないと、道路の切り通し部分に出てしまい、視界が悪い場合では道路に滑落する危険性がありますので注意が必要です。
画像Bでは、そのまま平坦な部分へと滑り降りて行きます。
画像Cでは、最後の急斜面の入口部分(ちょうど矢印部分)から、位ヶ原山荘の屋根が見えますので、山荘の屋根を目指して滑り降りることになります。ただし、この急斜面は厳冬期は雪崩多発地帯ですので、その点を頭に入れて滑走してください。

大雪渓から位ヶ原山荘への下山滑走は、例年6月中旬頃まで可能です。ただし、今後、雪解けでダケカンバなどの枝が目立つようになると、スキーに干渉して転倒の恐れがありますのでご注意ください。
また、上記のルートで位ヶ原山荘の屋根が目視できる条件が必要ですので、視界が良好な場合に限られます。天候の悪い場合は、大雪渓避難小屋で待機して、大雪渓から春山バスで下山することをオススメします。

 

大雪渓下部全景 − モーグルコースの岩(赤丸)

こちらは大雪渓下部の全景ですが、赤丸部分に岩が見られると思います。
岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが、画像の中の左上に写るモーグルコースの岩です。ですから、モーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

 

先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2014/05/15・17・18) C
今週のモーグルコースの岩
先週より20センチ減少

モーグルコースの岩は、例年3月ぐらいまではまだ姿が見られ、その後の降雪で完全に埋まります。そして、、再び姿が見られるのは5月中旬ごろです。しかし、今年は一度も埋まることがありませんでした。積雪量は先週と比べると20センチ程度減少しています。また、毎年見られる現象ですが、モーグルコースの岩周辺にクラックが見られるようになって来ました。ちょうど画像に写るストックの付近から今年も発生しています。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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