ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2014/05/31〜06/01) @
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5月が終わって6月になりました。乗鞍岳春山バスが運行を始めたゴールデンウィークがつい先日だったように感じるのに、すでに1ヶ月も前のことになっています。その春山バスは、5月29日(木)より大雪渓への延長運行が始まり、今回は最初の週末を迎えました。大雪渓まで歩かずにやってこられるようになると、夏のシャトルバスとほとんど変わらない利便性となり、山頂・稜線を目指すバックカントリーの方々に加えて、大雪渓だけを繰り返し滑走するサマースキーヤーの姿も少しずつ増えてきます。それに伴い、ノリクラの雰囲気も少しずつ夏モードに変わって行くように感じられます。
5月31日(土)は、ほぼ終日快晴で気持ちのよい空気感に包まれた一日。乗鞍岳春山バスは通常通り運行され、大雪渓まで延長運行が開始されて初めての週末ということもあって、始発便は5台運行されました。バスを降りて目の前には大きな雪山が真っ青な空に聳え立ち、あちこちでシャッターを切る様子が見られます。大雪渓駐車場が一年で最も賑わうのが、おそらく、大雪渓延長運行された最初の週末であると考えられ、よい天気に恵まれたこともあって、乗車された方の中には、大雪渓延長運行を待ちわびていた方もいらっしゃったようです。今日は汗というものを完全に忘れた一日で、風に吹かれる心地よさが、今年もこの時期に忘れずにやってきてくれたことをうれしく思うほどでした。
6月1日(日)は、昨日以上に透明感あふれる澄んだ青空が広がります。乗鞍スカイラインを登った桔梗ヶ原付近の空は、これ以上にないほどの深い青空が雪原いっぱいに広がります。この快晴の空は終日に渡って広がり、一年の中で一番綺麗な青空だといっても過言ではないほどの状況でした。
1日目の5月31日(土)は、長野県側の乗鞍岳春山バスからの稜線方面へ、そして、2日目の6月1日(日)は、岐阜県側の乗鞍スカイラインから畳平方面への様子をお伝えします。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【5月31日(土)、観光センター前駐車場】
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観光センター前駐車場 |
こちらは、朝6時の観光センター前駐車場。
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夏山シーズン並の駐車台数 |
6時の段階では30台ほどしかマイカーがありませんでしたが、その後、続々とお越しになって、7時の段階で約60台を数えます。シャトルバスが運行される7月から10月までの夏山シーズンほどたくさんの方が訪れないこの時期ですが、最近は乗鞍岳春山バスの乗車を目的とした方々が多くなり、今日は夏山シーズンに近い台数となっています。
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日に日に緑が濃くなる |
日に日に色濃くなる乗鞍高原の新緑。左の画像は、三角の山の頂上付近はカラマツ、そして、裾野部分はシラカバで、先週の段階では、シラカバの緑がようやく色付き始めたところでした。しかし、今週は上のカラマツとほぼ同じ位に色濃くなっています。
観光センター周辺のシラカバも同様に濃い緑になって、青空に映えています。
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レンゲツツジの季節も近づく |
こちらは観光センター隣にある自然保護センター。サクラやスモモが終り、花の少ない状況となっていますが、それに変わって、芽吹き始めたのがレンゲツツジ。おそらく、来週には目に飛び込んでくるようなビビッドなオレンジ色の花を見せてくれるものと思います。
乗鞍高原一帯では、6月になるとあちこちでレンゲツツジを目にすることができます。その中でも、一の瀬園地のレンゲツツジは一見の価値があります。春スキーに出かける前や帰ってこられてからでも結構かと思いますので、一度、ご覧になってはいかがでしょうか?
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春山バスの停留所 − 今シーズンから駐車場内に変更されました |
例年、乗鞍岳春山バスの観光センター前停留所は、路線バスが停車する車道沿いの停留所を兼用していましたが、今年は駐車場内のシャトルバスの停留所に変更されています。春山バス利用者が増加して、車道沿いの路線バス用の停留所では手狭になったことで変更されたようです。
シャトルバスの停留所として利用される7月〜10月の期間中は、テントが設営されていたものの現在はありません。しかし、ちょうど取材日に新しいテントが設営されました。
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大雪渓まで延長運行 − アルペンレーサーの姿も | 「いや〜、また、今年も始まっちゃいましたね!」 |
大雪渓まで延長運行されたことにより、スキーヤーにとっては、夏のシャトルバスと同じところまでバスで行くことができるようになりました。これまでは、春山バスといえばバックカントリースキーヤー・ボーダーが大半を占めていましたが、夏スキーと同じ条件となれば、夏スキーヤーが行っても全く問題ないということになり、今日はレーシングスーツで身を固めたアルペンレーサーの様子を見かけることができました。
そして、そのキャンプのコーチは昨年の夏以来、久しぶりの再会です。「いや〜、また、今年も始まっちゃいましたね!」と、笑いながらおっしゃっていました。
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三本滝レストハウス前駐車場 | 片道料金×2よりも、大雪渓往復料金の方がオトク |
こちらは観光センターから7km先の三本滝レストハウス前駐車。春山バスが大雪渓へ延長運行されるまでは、終点は位ヶ原山荘までだったため、片道料金も往復料金も変わりませんでした。しかし、今後は行きは大雪渓まで行って、帰りは大雪渓〜位ヶ原山荘間を滑って下りて、春山バスには位ヶ原山荘から乗車するというケースが多くなってきます。この場合でも片道切符をそれぞれ購入するよりも、大雪渓までの往復切符を購入したほうが料金が安くなります。(料金など春山バスの詳細は こちら。 大雪渓から位ヶ原山荘への滑走ルートは、 次のページのこちら を参照ください。ただし、滑走は視界の良いときに限ります。)
なお、位ヶ原から三本滝レストハウスまでのツアーコースでの下山滑走は、すで不能になっていますから、大雪渓や位ヶ原山荘からの下山は必ず春山バスを利用することになります。そのため、いずれにしても往復切符を購入されることをオススメします。
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春山バス始発便が到着 |
ある程度の人数がカウントされた場合は、空席の春山バスが他のバス停を通過して三本滝へ直接配車されます。その後、観光センターからやって来た春山バスと合流してから大雪渓に向かいます。三本滝の春山バスが先頭で、その後に観光センターからの春山バスとなりますが、ここで合流するため、どちらの春山バスも同じ時刻に大雪渓に到着します。
【乗鞍岳春山バス、大雪渓へ】
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かもしかゲレンデ付近 − 雪はもうありません |
それでは、ここからは春山バスが行く沿道の様子をお伝えします。こちらは三本滝ゲートの先のかもしかゲレンデ。ご覧のように積雪は全くありません。
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沿道にはヤマザクラ |
しばらくは、沿道の積雪が全く見られない状態となります。こちらは標高2000メートルの摩利支天付近。春山バスが運行を始めた1ヶ月前はまだ雪の壁がありました。少しずつ緑を感じるようになってきて、ヤマザクラが淡いピンクに咲いています。
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冷泉小屋付近 − 積雪が見られる |
標高2200メートルの冷泉小屋付近までやってくると、周囲に積雪が見られるようになってきます。春山バスらしい光景といえます。
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位ヶ原山荘、数日前まではこちらが終点でした |
さらに登って、標高2350メートルの位ヶ原山荘。5月28日(水)までは、こちらが春山バスの終点でした。そのため、始発便が位ヶ原山荘に到着するとかなりの混雑となっていましたが、その様子はもうありません。ただ、大雪渓から位ヶ原山荘までは下山滑走可能ですから、今日も多くのスキーヤーがこちらまで下山して、位ヶ原山荘から春山バス下り便でお帰りになりました。
大雪渓から位ヶ原山荘への下山ルートは、次のページ でお伝えしますが、初めての方は経験者と同伴の下でお願いします。また、視界不良の場合は、ルートを間違える危険性があるため、下山滑走せずに大雪渓から春山バス下り便をご利用ください。
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この先から森林限界 |
位ヶ原山荘から大雪渓までは、標高差250メートル、距離3.5kmで、森林限界を超えた別世界が待っています。
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11号カーブ付近の雪の壁(位ヶ原山荘から1.5km) |
位ヶ原山荘から先は積雪量が多く、切り立った雪の壁となっています。こちらは位ヶ原山荘から1.5km先の位ヶ原11号カーブ付近。11号カーブや後ほど登場する4号カーブ・大雪渓駐車場の位置など、県道乗鞍岳線カーブ番号は、ノリクラガイドマップ県道乗鞍岳線カーブ番号版 をご覧ください。
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11号カーブから望む高天ヶ原と剣ヶ峰 | ツアーコース位ヶ原急斜面 − この先下山滑走困難 |
左の画像は、11号カーブから望む高天ヶ原と剣ヶ峰。先週と比べて、ハイマツ帯が織り成す唐松模様がはっきりとしています。そして、右の画像は11号カーブ付近から真下を望んだツアーコース位ヶ原急斜面。たっぷりと積雪があって滑走可能なように見られますが、この先のツアーコースの中間付近から山麓側は、ほぼ完全に雪解けが終了し、ひどい藪漕ぎを強いられるため下山困難な状態です。そのため、必ず、乗鞍岳春山バスの下り便をご利用ください。
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厳冬期並みの青空 |
こんなに青い空は久しぶりのこと...厳冬期並みの透明感です。
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雪の壁を春山バスが行く |
大雪渓まで延長運行が始まると、一番のビューポイントは位ヶ原周辺に広がるバスの背丈以上の雪の壁と、森林限界を超えて青空が一層輝きを増してコントラストが冴え渡る光景です。これは標高の高い山でないと体験できません。
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最も高い4号カーブ − 現在9.8メートル |
最も雪の壁が高いのは、大雪渓の手前数客メートルのところにある4号カーブ。現在の高さは9.8メートルで、先週の10.5メートルから2メートル近くも低くなっています。これから雪解けが進むとさらに低くなってしまいますから、お早めにお越しになってご覧下されば幸いと思います。(訂正:掲載当初、高さを8.8メートルとしていましたが、正しくは9.8メートルでした。)
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■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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