ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.5(2014/06/07〜08) A
【春山バス、大雪渓に到着】
大雪渓・肩の小屋口バス停 |
春山バス始発便が到着した8時過ぎの気温は8℃。今日はそれほど寒いと感じません。
小雨が降る − バスを降りたらレインウェアを着る |
小雨が降っていて、バスを降りたらすぐにレインウェアーを着用される様子も見られます。
一旦、避難小屋へ |
一方、すぐに大雪渓避難小屋へ駆け込む姿も...トイレと同様、厳冬期は閉鎖されていますが、6月から10月まではいつでも利用可能です。出発前にこちらで準備を整えたり、雨の日に春山バスやシャトルバスの下り便の到着を待つなどにも利用され。特に雷雨など荒天時は欠かせない存在となっています。
視界は100メートル程度 |
視界は100メートル程度しかありませんが、雨の降り方は弱く、それほど苦痛ではない状態。
稜線目指して |
「とりあえず、1本だけは行ってみるか...」と、おっしゃる方が多かったようですが、外に出るのも大変というような天候でもありませんから、とりあえず、稜線方面目指して歩きます。
【大雪渓下部】
ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。
昨年の大雪渓入口 2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) A ↓ |
先週の大雪渓入口 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2014/05/31〜06/01) A ↓ |
いつもお伝えしている大雪渓入口の前川国有林の看板付近もほとんど雪解けが完了し、これまでは、昨年よりも積雪量が少ない状況が続いていましたが、例年と比べてもそれほど違いがない状況になってきました。
昨年の大雪渓入口(同時期1週間後) 2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) B ↓ |
先週の大雪渓入口 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2014/05/31〜06/01) A ↓ |
しかし、こちらは大雪渓入口右側の「高山植物などの採取は禁止...」の看板では、左上の画像が昨年同時期の1週間後のものですが、今週はそれよりも雪解けが進んでいて、先週よりも50センチ以上雪解けしています。
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昨年の大雪渓入口 2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) A |
今週の大雪渓入口 |
大雪渓入口のガードロープで比較すると、昨年はガードロープよりも積雪が高かったものの、今週はガードロープの根元付近に雪面があります。ガードロープは60センチ程度の高さがありますので、昨年よりも60センチ以上も積雪が少ないことになります。
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昨年のトイレ付近 2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) A |
今週のトイレ付近 ほぼ昨年並みの積雪量 |
しかし、車道をはさんだ反対側のトイレ付近は、ご覧のように昨年とほぼ同じ積雪量です。また、位ヶ原山荘への下山滑走はこちらからスタートします。
【大雪渓から位ヶ原山荘への下山滑走ルート(滑走可能時期:6月中旬まで)】 |
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@上部ハイマツ(滑走中は左側ハイマツ)が途切れたら左へ | A (別角度)左側ハイマツが途切れたら左へ |
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B 直進すると道路転落(××印箇所、雪壁数メートル) | C
矢印部分の急斜面入口で、位ヶ原山荘を目視で確認 (この急斜面は厳冬期雪崩多発地帯) |
春山バスが位ヶ原山荘までしか運行されなかったときは、位ヶ原山荘から大雪渓まで下山滑走ルートを登ってきますので問題なかったのですが、春山バスが大雪渓まで運行されると、位ヶ原から大雪渓までの登りのルートを把握されていない方もいらっしゃいます。
そのため、こちらでは大雪渓から位ヶ原山荘までの下山滑走ルートをお伝えいたします。ただし、こちらの内容は参考程度に考えていただき、初心者の方は必ず経験者と一緒に行動されるようお願いいたします。また、位ヶ原山荘の屋根が確認できないとルートを間違える可能性もありますので、視界が悪い場合は、下山滑走せずに、大雪渓から春山バス下り便をご利用ください。
画像@
−上の部分のハイマツ帯が途切れたところから、左へルートを取る。この時点で視界が悪い場合は、下山滑走せず、大雪渓から春山バスをご利用ください。
画像A − こちらは反対側から見たところ。
画像B
−ルートを左に取らないと、道路に到達します。視界が悪い場合は雪の壁から道路へ転落の危険もあります。雪の壁は数メートルありますので絶対に近づかないようお願いします。
画像C
−そのまま、平坦部分を滑走し、矢印部分にある急斜面から、位ヶ原山荘の屋根を目視して、位ヶ原山荘の方向へ滑走してください。尚、屋根が目視できる視程が必要ですから、濃霧など視界不良の場合は、下山滑走しないようお願いします。ただし、この急斜面は厳冬期は雪崩多発地帯ですので、その点を頭に入れて滑走してください。
大雪渓から位ヶ原山荘への下山滑走は、例年6月中旬頃まで可能です。ただし、今後、雪解けでダケカンバなどの枝が目立つようになると、スキーに干渉して転倒の恐れがありますのでご注意ください。
また、上記のルートで位ヶ原山荘の屋根が目視できる条件が必要ですので、視界が良好な場合に限られます。天候の悪い場合は、大雪渓避難小屋で待機して、大雪渓から春山バスで下山することをオススメします。
大雪渓下部全景 −モーグルコースの岩(赤丸) |
こちらは大雪渓下部の全景ですが、赤丸部分に岩が見られると思います。
岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが、画像の中の左上に写るモーグルコースの岩です。ですから、モーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。
昨年のモーグルコースの岩 2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) A ↓ |
先週のモーグルコースの岩 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2014/05/31〜06/01) A ↓ |
今週のモーグルコースの岩 先週より40センチ減少、昨年より1週間以上早い雪解け |
モーグルコースの岩は、例年3月ぐらいまではまだ姿が見られ、その後の降雪で完全に埋まります。そして、、再び姿が見られるのは5月中旬ごろです。しかし、今年は一度も埋まることがありませんでした。積雪量は先週と比べると40センチ程度減少して、昨年より1メートル以上少なく、1週間以上早い雪解けを見せています。
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昨年の石碑の岩(同時期の2週間後) 2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2013/06/21〜22) D |
今週の石碑の岩 −
今シーズン初めて姿をあらわす 昨年より2週間早く例年並みの雪解け |
そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。今週になってようやく姿をあらわし始めました。昨年より2週間早い雪解けで、例年並の状況です。
アルペンボーダー − ゲートをセッティング |
春スキーの時期は稜線からの大滑降を楽しむバックカントリースキーヤーがたくさんお越しになりますが、春山バスが大雪渓までやってくるようになると、少しずつ状況に変化が現れます。
表面が若干荒れ始めるが、まずまずのバーンコンディション |
先週からゲートを設置して練習するアルペンボーダーの方々がお越しになっています。今週に入ってバーン表面が若干荒れ始めましたが、今日は硬めのバーンコンディションで、アルペンボーダーの方には滑走しやすい条件だったのではないでしょうか?
WebSiteで春山バス大雪渓延長運行の情報がいち早く得られてよかった |
メンバーの方からは、「WebSiteで春山バスが大雪渓まで運行される情報がいち早く掲載されていて助かりました。メンバーを召集して諸々の準備を考えると、本当に早く情報が欲しいものです。」と、おっしゃってくださいました。
ゴールデンウィークから運行を開始する乗鞍岳春山バスは、乗鞍高原(観光センター)から標高2350メートルの位ヶ原山荘までの運行ですが、運行開始後も、位ヶ原山荘より先の除雪が継続され、例年5月下旬から6月上旬には、位ヶ原山荘より約3.5km先にある標高2600メートルの大雪渓・肩の小屋口バス停(大雪渓入口)まで延長運行が開始されます。(今シーズンの大雪渓延長運行は、5月29日(木)から開始されました。乗鞍岳春山バスの詳細は、お知らせ − 2014シーズン 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘・大雪渓)の運行について をご覧ください。)
大雪渓への延長運行開始日は、除雪の進捗具合と除雪後の道路の安全状況で決まるため、事前に決まっていません。除雪が完了した後、延長運行開始の数日前にバス会社や関係機関が安全確認を実施した上で決定されます。なお、スキーヤー・ボーダーの方々には、大雪渓まで延長運行されるかどうかは非常に重要な情報のため、当WebSiteでは、いち早く情報をお届けするように心がけています。
即時性が必要な情報はTwitter でも発信しています |
これから夏スキーのシーズンに入ると、ボードやスキーのキャンプを開催するチームも多くなってきます。個人単位で行動する場合と異なり、ある程度時間に余裕をもって計画する必要があるため、できる限り早く情報が欲しいというケースは多いものと思います。
また、個人の方でもできる限り早く情報が欲しい場合が多いかと思います。WebSiteでは、できる限り早めに各種情報をお伝えできるようにしています。
お知らせすべき情報は、トップページのお知らせの欄に掲載しますが、さらに即時性が必要な場合は、ツイッター(Twitterアカウント
: @norikura_org)にてご案内しておりますので、あわせてご覧ください。
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■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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