ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2014/06/20〜21) A

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(Update:2014/06/26)

 

【畳平に到着、畳平周辺】

畳平、気温2℃・濃霧

シャトルバス始発便の到着した8時の畳平の気温は2℃。天候はご覧の通りの濃霧。人の姿が全くありません。

 

バスターミナル内 − 夏場でも寒い日は暖房が入ることも

じーっとしていると手が悴むほどの寒さで、多くの方はバスターミナル内の売店や休憩所に逃げ込みます。今日のように天候の悪い日は気温が低くなり、夏場でも暖房が入る場合もあるほどです。

 

濃霧は周期的に流れる

西からの風が強くなり始め、周囲の霧がぬけるようになって来ました。今日は完全に濃霧という状況ではなく、20分程度待っていると何とか霧が抜けてくれるタイミングがあって、何とか各所の撮影ができました。

 

不動岳−昨年より1週間以上遅く例年より遅い雪解け 鶴ヶ池−例年より多い積雪量

ここからは畳平周辺及び畳平から肩の小屋方面へ向かう道路周辺の様子をお伝えします。左の画像は畳平の南にある不動岳。そして、右の画像は畳平の東にある鶴ヶ池。不動岳はこの1週間の雪解けがあまり進まず、昨年より1週間以上雪解けが遅い状況を見せています。また、鶴ヶ池もこの1週間の雪解けが遅く、先週の段階では積雪量の多かった2012年に次ぐ状態でしたが、今週は2012年よりも多い状況となっています。

 

お花畑 −雪解けで遊歩道の一部が見える

こちらは畳平の南側のお花畑。左斜面は不動岳の山肌で右斜面の恵比寿岳の山肌です。先ほどの不動岳や鶴ヶ池と同様に、この1週間の雪解けがあまり進まず、お花畑の遊歩道部分の雪解けも変化が少ない状況です。

 

2013年のお花畑
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2013/06/21〜22) A
2012年のお花畑
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) A
2011年のお花畑(同時期の一週間前)
2011ノリクラ雪渓カレンダー Vol.6(2011/06/17〜18) A
2010年のお花畑(同時期の一週間前)
2010ノリクラ雪渓カレンダー Vol.6(2010/06/18〜19) A

 お花畑の積雪量は、先週の段階では2012年に次く状態を見せていたものの、今週は2012年よりも多くなり、例年と比べて多い状態といえます。

 

板状に割れ目の入った岩石 板状節理(ばんじょうせつり) − ノリクラが火山であった証拠

さて、肩の小屋に向かう専用道では、板状に割れ目が入った岩石があちこちに見られます。「板状節理(ばんじょうせつり)」と呼ばれる現象で、溶岩が冷えて固まるときに発生するものです。乗鞍高原の裾野にある番所大滝(ばんどころおおたき)では、滝の周辺一帯が板状節理の岩盤になっていて、太古の昔、噴火したノリクラの溶岩が番所まで流れ出たことが、この現象からわかります。(注:溶岩が番所まで流れ出たというよりも、流れ出した溶岩で乗鞍高原や番所原が作られたといったほうが正解かもしれません。)

 

【肩の小屋へ】

肩の小屋・コロナ観測所 分岐点− 除雪が完了
例年より多い積雪量

畳平から専用道を1.2km進んで、肩の小屋・コロナ観測所分岐点に到着します。正面が魔利支天岳の頂上で、左に進むと肩の小屋、右に進むとコロナ観測所です。もちろん、昨年よりも多い状態で、積雪量の多かった2012年よりもさらに多い状態です。

そして、肩の小屋方面の除雪が先週から始まり、今週入って除雪が完了しました。道路の両脇が雪の壁になっていますが、左側の低いほうの壁で高さ2.5メートルほどあります。

 

大雪渓 位ヶ原

分岐点に差し掛かると剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳の各稜線から大雪渓や位ヶ原方面まで展望が一気に開けます。分岐点付近から望む大雪渓・稜線方面(画像左)は、昨年よりも多い状態を見せています。大雪渓・稜線方面は例年と比較したものを、下の画像でお伝えします。また、位ヶ原方面(画像右)は先週の段階では積雪量の多かった2012年よりも少ない状態でしたが、今週は2012年とほぼ同じで、例年より多い状態を見せています。

 

2013年の大雪渓
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2013/06/21〜22) A
2012年の大雪渓
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2012/06/22〜23) A
2011年の大雪渓
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2011/06/17〜18) A
2010年の大雪渓
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2010/06/25〜26) B

過去4年間(2010〜2013年)の大雪渓方面の様子と比べると、雪解けが進んで各年ともそれほど大きな違いは少なくなってきたように見られますが、蚕玉岳〜朝日岳稜線付近については例年よりも多く、剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線直下は例年よりも積雪が少なく、それより下部になると積雪量が多くなる傾向が見られ、一概に多い少ないが言えない状況となっています。

 

【肩の小屋】

昨年の肩の小屋周辺
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2013/06/21〜22) A
今週の肩の小屋周辺

ここからは肩の小屋周辺の様子をお伝えします。こちらでも積雪量が多い状態が見られています。

 

昨年の肩の小屋東側
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2013/06/21〜22) A
今週の肩の小屋東側
昨年より2メートル近く多い積雪量
先週の肩の小屋西側
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2014/06/14〜15) C
今週の肩の小屋西側
この1週間はほとんど雪解けが進んでいない

上段の肩の小屋東側は、先週の段階では昨年よりも1.5メートル以上積雪量が多い状態でしたが、今週になるとその差が2メートル近くまで達しています。また、下段の西側では、昨年同時期には雪解けが雪解けが完了しましたので、今回は先週と比較しています。ご覧のようにこの1週間であまり雪解けが進んでいない様子が見られ、上段の東側で、昨年との差が開いた原因が、今週の雪解けの遅さに起因しているとと考えられます。

 

肩の小屋南側 − 雪解けが進む
大雪渓から山頂方面へは、植生保護のため肩の小屋へ

また、肩の小屋の南側ではかなり草原地帯が広がっていますので、植生保護のため、大雪渓方面から山頂方面に向かう場合は、一旦、右側にある肩の小屋前の広場へ登り、そこから夏の登山道方面へ向かってください。

この場所はこれからハクサンイチゲなどの多数の高山植物が咲き誇るお花畑となります。

 

登山道の誘導ロープ

そして、今日は大雪渓の登山道入口から誘導ロープを敷設するグリーン・サポート・スタッフの方々にお会いしました。

 

植生保護と登山者安全のため

今シーズン初めての再会。今年もよろしくお願いいたします。
こちらの誘導ロープは、登山者がハイマツ帯などに誤って進入しないようにルートを記すためのロープです。大雪渓登山口から肩の小屋までのルートについては、この後の 【大雪渓下部】のコーナーでもお伝えいたします。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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