ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.18(2014/09/05〜06) B

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(Update:2014/09/11)

 

【雪渓下部 U】

石碑の岩

さて、大雪渓では雪解けと共に最も早く頭を出すのはモーグルコースの岩ですが、こちらは南側に100メートルにある石碑の岩、モーグルコースに続いて2番目に頭を出す岩です。先週の段階で雪解けが完了しましたので、雪解け状況をお伝えするわけではありませんが、大雪渓内の一つのランドマークとしてご紹介します。

 

チングルマ − 綿毛状態は2週間と変わらず

石碑の岩のチングルマは先々週の段階ですべて綿毛が開きました。しかし、先週と同様に今週もほとんど変化が見られません。ただ、先週よりも紅色の色合いが濃くなっています。

 

雪渓上部下端部分

ここからは雪渓上部の下端部分についてお伝えします。石碑の岩の南側には雪渓上部へとつながるスキーヤー専用道があります。

 

大雨で激しい濁流に(9月5日(金))

取材1日目の9月5日(金)は激しい土砂降りに見舞われ、大雪渓一帯は激しい濁流でした。今年のお盆もひどい豪雨に見舞われましたが、それに匹敵するほどの激流です。しとしと降る状態であればこのようなことはありませんが、短い時間でも一気に降るとご覧の状態になり、今回は実際に降った時間は2〜3時間と短時間でした。

 

雪渓上部下端部分

大雪渓の大半は下地が岩場で、地下への浸透がほとんどなく、保水力がありません。そのため、短時間の大雨であふれてしまいます。大雪渓以外の周辺の斜面を見るとハイマツ帯に覆われて、緑のベールに包まれたノリクラ特有の風景をを形作っています。しかし、大雪渓エリア内でもっとも雪解けの遅いところは、その積雪によりハイマツ帯や他の高山植物の生育が妨げられるため、植生が少なく岩石ばかりの不毛の場所となっていると考えられます。また、雪渓で地表が侵食されて高山植物が自生できないのかもしれません。

 

先週の雪渓上部下端部分
ノリクラ 雪渓カレンダー 正式版 Vol.17(2014/08/30〜31) C
今週の雪渓上部下端部分
先週より5メートル上昇

雪渓上部の下端部分は先週より5メートルほど上昇し、昨年より2週間ほど早い雪解けです。

 

先週から高さで1メートル程度雪解けする

左の画像は今週の下端部分。そして、右の画像は先週もお伝えした畳の岩で、この状態から先週より高さで1メートル程度の雪解けが見られます。

 

2012年の雪渓上部下端の畳の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2012/08/24〜25) C
2013の雪渓上部下端
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2013/09/21〜22) B
=今週の畳の岩と同じ状態の時期をピックアップ=

今週の岩周辺と同じ雪解状態の昨年・一昨年の画像をピックアップします。
左は今週より2週間早い一昨年の状況、右は今週より2週間遅い昨年の様子。このことから昨年よりも雪解けが2週間早く、例年よりも2週間遅い状況が確認できます。

 

【雪渓上部 T】

雪渓上部全景

それでは雪渓上部の様子をお伝えします。右側の雪渓がかろうじて残っていることがわかります。

 

昨年の雪渓上部右側
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2013/09/07〜08) C
先週の雪渓上部右側
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2014/08/30〜31) D
今週の雪渓上部右側 

こちらが雪渓上部右側。先週と比べて積雪はかなり減少し、昨年とは雲泥の差があります。

 

今週より3週間遅い昨年の雪渓上部右側
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2013/09/28〜29) C
今週の雪渓上部右側 − 下側のほうが大きい
昨年より3週間早い雪解け

雪渓上部右側は先週から上半分と下半分に分かれてしまい、前述の画像は上半分が写っています。左は今週より3週間遅い昨年のもので右は今週です。先週の雪渓上部右側は昨年よりも1〜2週間早い雪解けでしたが、今週はさらに雪解けスピードが早くなっています。また、2枚の画像をご覧頂くお分かりの通り、下半分のほうが大きい状態です。

 

昨年の鉄塔土台
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2013/09/07〜08) C
先週の鉄塔土台
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2014/08/30〜31) D
今週の鉄塔土台
雪渓から土台まで53メートル

雪渓上部右側エリアの下部、ちょうど雪渓中段につながる位置にある鉄塔土台です。雪渓から土台までの距離は53メートルで、昨年より3週間早い雪解けであることがわかります。

 

下半分は長さ50メートル×幅15メートル − 滑走不能

さて、上半分と下半分の様子をお伝えします。
こちらは下半分の画像。長さは50メートルありますが、横幅は15メートル程度しかなく、岩の頭もあって、滑走できる状態ではありません。

 

上半分は消滅間近

そして、こちらは上半分の画像。いくつかに分かれていますが、左の画像は5メートル四方しかなく滑走不能。また、その隣は岩だらけでこちらも滑走不能。このため、先週まで滑走可能だった雪渓上部右側は今週から滑走できない状態となりました。

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