ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
Vol.2(2016/03/26) @
3月最終週を迎え、冷え込みの厳しい日がかなり少なくなってきました。もっとも、今年は真冬でも厳しく冷え込んだと感じる日がほとんどなく、冬が終わってしまった感覚があります。
ただ、標高の高い森林限界以降の高山帯では、まだ冬の様相と春の様相が混在し、ゴールデンウィーク頃までは厳冬期という認識のほうがよいでしょう。ノリクラでの森林限界は標高2500メートルの位ヶ原より上部がそれに相当し、特に標高2770メートルの肩の小屋より剣ヶ峰山頂方面は、どんなに天候が良くても、アイゼンなどの装備が必須です。また、ゴールデンウィーク以降の春スキーシーズンでは、大雪渓から山頂・稜線への直登ルートがメインですが、この時期はバーンが固く、滑落の危険がまだありますので、必ず、肩の小屋から迂回するルート(夏道ルート)でアクセスされたほうがよいでしょう。
冬から春は気候がよくなり、気分的に楽しいものですが、判断はまだ冬をイメージしたものでなければなりません。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【3月26(土)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
早朝6時の観光センター前駐車場。
気温はマイナス8℃ − びっしりと霜が降りる | 朝焼けに沈む立待の月 |
気温はマイナス8℃、真冬に逆戻りしたような冷え込みの朝です。周囲は一面霜でおおわれています。このところ、急速に日の出が早くなり、今日は5時45分くらいから、ノリクラの白肌が赤くピンク色に染まり始めます。そして、昨晩の立待の月が朝日とバトンタッチするかのごとく、高天ヶ原に目掛けて沈もうとしてます。
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ピンクに染まる − 朝焼けと月との共演 | 6時過ぎには青空に溶け込む白い輝き |
朝焼けと月との共演は、天候との兼ね合いもありますから、タイミングよくみられるものではありませんが、早起きしてご覧になっていれば、いつか必ず見られると思います。そして、朝焼けは6時過ぎにはほとんど終わり、今度は青空に溶け込むようにノリクラが真っ白な輝きを放つようになりました。
乗鞍高原から望む乗鞍岳の峰々 |
多くの山が固有の名称を持っていますが、乗鞍一帯には「乗鞍岳」という固有の山はありません。「乗鞍岳」は乗鞍23峰の総称です。ただ、一般的には乗鞍23峰の中で最も高い「剣ヶ峰」を指す場合が多いようです。乗鞍高原からは23峰をすべて望むことはできませんが、主要な峰々は確認できます。
画像の左から順番に、なだらかな山容の高天ヶ原(たかまがはら、標高2829m)、そして、その右に大日岳(だいにちだけ、標高3014m)、乗鞍岳主峰の剣ヶ峰(けんがみね、標高3026m)、蚕玉岳(こだまだけ、標高2979m)、朝日岳(あさひだけ、標高2975m)と続きます。大日岳から朝日岳までの4峰は、権現ヶ池の外輪山で剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳の向こう側には屏風岳(びょうぶだけ、標高2968m)、薬師岳(やくしだけ、標高2950m)、雪山岳(せつざんだけ、標高2891m)、水分岳(みくまりだけ、標高2896m)があり、肩の小屋から山頂方面の登山道を進むと確認することができます。朝日岳の下には、夏スキーで有名な乗鞍大雪渓が広がり、お盆くらいまでなら一般スキーヤーもサマースキーが楽しめます。
そして、右の画像に移って、摩利支天岳(まりしてんだけ、標高2872m)、富士見岳(ふじみだけ、標高2817m)です。ちょうど、この画像に写る摩利支天岳のピークの向こう側にコロナ観測所(2010年閉鎖、2011年自然科学研究機構乗鞍観測所として再運用)があり、富士見岳の右側にシャトルバスの終点の畳平となります。また、富士見岳ピークを挟むように富士見沢と鶴ヶ沢があり、厳冬期から春先にかけてはバックカントリースキーが楽しめます。
乗鞍高原での路面凍結や路面積雪は、真冬よりもかなり少なくなってきました。
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昨年の積雪(観光センター横) 2015ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.3(2015/04/04) @ |
今回の積雪(観光センター横) 昨年よりも明らかに少ない |
そして、周囲の森林の中の積雪も昨年と比べると大きな違いがみられます。木々の芽吹きが早いかもしれませんね。
Mt乗鞍スキー場の最下部のゲレンデ |
こちらはMt乗鞍スキー場の最下部のゲレンデ。営業終了まであと1週間ですが、何とか積雪が保たれているようです。雪不足という言葉が一日たりとも離れることのなかった今シーズンも終盤が近づいています。
【Mt乗鞍 − 第3駐車場、チケットセンター】
Mt乗鞍 第3駐車場 |
観光センターから約2km先にあるMt乗鞍 第3駐車場。ここからでもノリクラの峰々がくっきりと確認できます。乗鞍高原一帯ではどこにいても、必ず乗鞍の峰々が目の前に広がっています。
登山用の大きなザックに荷物を押し込んで |
8時の気温はマイナス4℃、日が高くなってもあまり気温は上がりません。それでも、冷たさ・寒さはほぼなくなり、日差しの暖かさが感じられるようになってきました。リフトを利用してツアーコースに向かうことができるのもの、次週末までですので駐車場内を見ると、登山用の大きなザックにパッキングする光景があちこちで見られました。
Mt乗鞍スキー場の今シーズンの営業は4月3日(日)まで。それ以降のツアーコースへのアクセス方法は、道路の冬季閉鎖解除や乗鞍岳春山バス運行開始などで週を追って変化しますが、4月4日(月)から4月15日(金)までは、休暇村から全山歩くことになりますのでご注意ください。
チケットセンター − 1回券購入のツアーコース入山者が多い |
第3駐車場からゲレンデサイドに入ると、チケットセンターがあり、多くの方が集まっています。そのほとんど方が1回券を購入されるツアーコース入山者で、ゲレンデスキーヤー・ボーダーよりも多い状態です。ツアーコース入口に向かうには1回券×3枚が必要です。
やまぼうしリフト→夢の平クワッドリフト→かもしかリフト 【地図拡大】 |
利用するリフトは、@やまぼうしリフト → A夢の平クワッドリフト → Bかもしかリフトの3本で、一回券×3枚必要です(400円×3枚、価格は取材時点)。なお、滑走用具を持たない登山者の方は、休暇村ゲレンデから入山されることをお勧めします。
チケットセンターから夢の平クワッドリフトへ登る登山者 =できるだけゲレンデ端を歩くようにお願いします= |
チケットセンターからやまぼうしリフトへ下る登山者 =登山者は休暇村ゲレンデからの入山がお勧めです= |
最初のやまぼうしリフトは使用せず、ゲレンデを上に登って、次の夢の平クワッドリフトから乗車という方もいらっしゃいます。ただし、左画像のようにゲレンデ中央を歩くことなく、ゲレンデ端のほうを歩くようにお願いいたします。
なお、チケットを3枚購入された場合は、やまぼうしリフトの乗場まで下ることになり、スキーヤー・ボーダーは問題ありませんが、登山者の場合は歩いて降りることになります。そのため、先ほど申し上げたように、登山者は休暇村ゲレンデから入山されることをお勧めします。
朝一番はハードコンディション − しっかりエッジをくいこませて |
朝一番は締まったバーンコンディション。エッジをしっかりくいこませた滑走が可能。他のスキー場だと標高が低いため、シーズン終盤でも冬のような締まったバーンコンディションを保つことは難しいと思われます。これからの時期は標高の高いスキー場のほうがバーンコンディションの悪化が少ないのではと考えられます。
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■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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