ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.2(2017/05/20) C
【剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線】
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剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線 |
こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。
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昨年の蚕玉岳山頂 2016ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2016/05/20〜22) D |
今回の蚕玉岳山頂 例年よりも多い |
蚕玉岳山頂は昨年よりも積雪が多い状態で、例年と比べても多い方に入ります。
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心地よい西風 − 半袖姿の方も |
気温は16℃、心地よい西風が吹き、中には半袖姿の方もいらっしゃるほど...
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ごめんなさい雪が溶けちゃって〜新婚だから許して(笑) |
「僕たち新婚なんです。」と、やって来たこちらのお二人。午前中は富士見沢方面に向かったところ、旦那様が急なルートを取ったため、喧嘩になったとのこと。そういう時は「泣きべそ&平謝りで」でいつも収拾とのこと。最後には「雪が融けちゃってごめんなさい!」って...大変ごちそうさまでした(笑)
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確かに今日のバーンはかなり溶けて緩んでる |
確かに今日のバーンは雪がかなり溶けて緩んでいます。
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雪飛沫を上げながら |
激しく雪飛沫を上げながら滑り降りるスキーヤーの姿も...
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昨年の位ヶ原 2016ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2016/05/20〜22) D |
今回の位ヶ原 | |
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昨年の剣ヶ峰直下の岩 2016ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2016/05/20〜22) D |
今回の剣ヶ峰直下の岩 |
稜線付近からの位ヶ原。昨年よりも明らかに積雪量が多いことがわかります。年によっては、唐草模様が全くない状況もありますので、今年は目立って積雪の多い状態ではありません。
下段の剣ヶ峰直下の岩付近も少なくはないもの、目立って多い状態ではありません。
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下部には少し縦溝が発生 − 激しく緩んで滑走には支障ない |
上部ではほとんど目立ちませんが、下部に向かうほど縦溝が少しみられる状況になってきます。これは今後降雨が多くなると徐々に大きくなります。したがって、快適な滑走を楽しむのであれば、梅雨入り前が最適でしょう。今回は、発生が若干ありましたが、バーンが緩んで滑走に影響する状況ではありませんでした。
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県道乗鞍岳線に到達 − 積雪は推定3メートル |
そして、稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。除雪が開始されたばかりの状態ですから、全体の積雪量はわかりませんが、現在の切り通しの高さは2メートルで、その下には1メートルほどの積雪がありましたので、全体で3メートル程度と推測されます。
これまでに最も多い年は4.4メートル(2012年)ありましたので、今年は例年並みといったところでしょう。
【ツアーコースの積雪状況、滑走困難】
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ツアーコース位ヶ原急斜面 | 6番付近の谷 |
それでは最後にツアーコースの積雪状況を最上部の位ヶ原急斜面からゲレンデ接続部の入口急斜面にわたってお伝えします。全体的には例年より積雪量の多い状態が見られるものの、ゲレンデ最上部と接続する入口急斜面の積雪がなくなってきましたので、ツアーコース状況の情報は今回で最後になります。
こちらは最上部の位ヶ原急斜面と、6番標識の谷。ブッシュ等ほとんどなく、まだまだ滑走は可能です。
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5番標識−積雪は80センチ |
こちらはツアーコース上部付近の5番標識。現在の積雪は80センチ。先週より25センチの減少です。
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3番標識 −積雪30センチ |
こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。現在の積雪は30センチ、先週より20センチ減少です。この辺りからブッシュの存在が確認できるようになってきました。若干滑走スペースが狭くなってきました。
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2番標識手前 − あと数日で滑走ラインが途切れる |
さらに下って2番標識手前部分。おそらく数日で滑走ラインが途切れることと思います。
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1番標識付近 | 1番標識〜入口急斜面上端間 |
左の1番標識付近は標識の樹木よりもバーンのほうが低い状態となってきました。そして、左の1番標識から入口急斜面上端につながる部分は滑走ラインが制限されるようになってきました。
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入口急斜面 − 滑走不能 | 入口急斜面 |
=状況を熟知された方以外は、春山バスでの下山をお勧めします= |
そして、問題となる入口急斜面。ここまでの滑走は大きな問題はありませんが、入口急斜面上端から斜面に降りる箇所はすでに積雪はなく、スリップしやすいクマザサを歩いて降りる必要があります。また、入口急斜面の滑走もかなり制限される状況になってきました。
また、画像は掲載しませんが、この先のかもしかゲレンデは完全に歩いて降りる必要があり、途中には人の背丈ほどのクマザサが生い茂っています。そのため、状況を熟知された方以外は、乗鞍岳春山バスにて下山されることをオススメします。入口急斜面を降りたところから三本滝レストハウスまではかもしかゲレンデを歩いて30分程度必要です。
位ヶ原山荘発の下り最終便は15時34分発で、三本滝到着15時56分・観光センター到着16時12分です。三本滝までの所要時間は22分ですから、ツアーコースを無理に下山滑走するよりも早く到着することができます。
<編集後記>
「ネット時代」
先日のツイッターで、シールの遺失物について発信したところ、数多くの方々のリツイートによる情報拡散のおかげで、当日中に持ち主からの連絡を得ることができました。単なるWeb配信だけではこれだけすぐに情報が行き渡ることは不可能で、やはりSNSの力は大したものだと感心せざるを得ません。
昨今はネットが普及し、必要な情報はすべてネットから得ることができる便利さはある一方、ネットだけの情報に頼っていてはいけない部分もあります。特に人間の感覚に依存するものは、デジタルであるネットでは、伝わりにくいもので、やはり、実際に体験してみないとわからないものです。家電を購入する際に、量販店で実物を見て、ネットで注文するというスタイルは、まさにそれを象徴している現象といえます。
でも、ネットを追及し続けると、実経済が衰退してしまい、ネットに乗らないものしか生きていけない状況に陥ってしまいます。今後はネットに乗せられない・乗せにくいものを大切しなければいけない時代に入って行き、それが自然を大切にするという気持ちと共通するものかと思われます。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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