ノリクラ 雪渓カレンダー 紅葉版
Vol.9(2022/10/29<今期最終版>) A
【10月29日(土)の様子、観光センター前駐車場】
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観光センター前駐車場 |
グリーシーズン終了まであと2日。7時の観光センター前の気温は5℃。綺麗に晴れ上がった朝を迎えています。週末の朝は少なくとも40台程度の車がお越しになっていますが、今日は数台程度と閑散としています。
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シャトルバス案内所 | 積雪通行止めが続き、今期の営業は終了 |
10月24日(月)積雪により、同日より県道乗鞍岳線は三本滝ゲート以降が通行止めとなっています。そのため、シャトルンバスも運行が見合わせになっていましたが、26日(水)には今期の運行終了が発表されました。観光センター前駐車場に数台しかお越しになっていない理由は、山頂方面に向かうことができないからです。
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快晴の青空 − 山頂には雪が残る |
7時30分ごろから山頂方面の雲が取れて、快晴の青空が広がります。ご覧の通り、山頂付近は真っ白。24日に降った雪が溶けずに残っています。
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三本滝ゲート | 通行止めが継続 |
こちらは観光センターから約7km先の三本滝ゲート。ご覧の通り、ゲートが閉鎖され、通行止めが継続されています。
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かもしかゲレンデ スキーシーズンに向けてガードロープ撤去 |
カーブミラーの撤去 冬季は安全設備がないため、自転車の侵入は禁止 |
県道乗鞍岳線の冬季閉鎖は3日後の11月1日より開始され、その前に積雪に対する対応が始まっています。左は三本滝ゲートのすぐ上にあるかもしかゲレンデ。冬季はスキー場のゲレンデの一部となりますので、ガードロープと支柱が撤去されています。そして、右の画像のようにカーブミラーも外されています。
カーブミラーがないため、対向車両の安全確認が困難ですが、冬季閉鎖中に無断で自転車が侵入するケースが後を絶ちません。特に問題視されているのは、4月下旬から6月の春山バス運行期間中です。除雪の雪壁で道路幅が狭く、高い雪壁で安全確認が困難な状況の中、無断で侵入した自転車が春山バスと衝突する危険性が高いため、春山バス運転手さんには脅威そのものなんです。
【道路の積雪状況】
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位ヶ原山荘 ここまでは全く積雪なし |
観光センターから約15km先にある、標高2350メートル位ヶ原山荘までは、全く積雪はないんですが...
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位ヶ原山荘先の直線区間 アイスバーンとなり、これが通行止めの原因 |
日差しが当たっている場所は溶けているが 日陰部分は全く溶けない |
そのすぐ先にある直線区間で路面凍結となっていて、今回の通行止めの原因となっています。北向きの斜面になっていて、なおかつ、午前中のわずかな時間しか陽が当たらないため雪が溶けず、時間の経過とともに、アイスバーンに変化してしまい、さらに溶けにくくなってしまいます。右の画像のように日の当たっているところは溶けています。
気温も低く、11時の時点で5℃。おそらく、これが今日の最高気温になったかと思います。例年、10月20日を過ぎると、このような状態になることが多いです。
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現在の位ヶ原 7号カーブ ↓ |
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厳冬期の位ヶ原
7号カーブ(カーブミラーの支柱に注目) 気温マイナス15℃、積雪は1.5mほど 速報(2022/02/05) |
厳冬期の位ヶ原 7号カーブ −
まるで別世界 速報(2022/02/26) |
さて、これから冬へと向かっていくわけですが、真冬はどんな風景になるのかご存じでしょうか?上の画像は現在の位ヶ原の7号カーブ。画像に映るカーブミラーの支柱に注目してください。
下の二つの画像が厳冬期の7号カーブ付近の様子。
左の画像は今年2月5日のもので、カーブミラーの高さからおおむね1.3mほどの積雪があり、気温は取材に訪れた13時の時点でマイナス15℃でした。また、この日の最低気温はマイナス20℃を下回りました。思ったほど積雪量がないと思われたかと思いますが、厳冬期の位ヶ原は絶えず強風が吹き抜けて、マイナス10℃以下の乾いた雪では積雪が増えません。
右の画像も同じく7号カーブ付近の晴れた日の様子。まるで海外の山岳風景のような別世界が広がっています。画像には強風で雪面が大きくえぐられた様子が見られます(風紋。シュカブラとも言います)。
なお、厳冬期の速報は12月中旬より開始し、ツアーコース(バックカントリースキー)の様子を中心にお届けする予定です。
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大雪渓下 4号カーブ | 今日も小さな滝が氷結しています 日差しがあっても溶けません |
こちらは大雪渓の少し下にある4号カーブ付近。右の画像のように小さな滝が氷結しています。日中の日差しがあっても気温が0℃と低くて溶けません。
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県境付近 |
こちらは県境付近。24日の積雪が残っていますが、日当たりが良い場所で、積雪はありません。
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鶴ヶ池 | 池の表面は凍結しています |
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畳平 | 駐車場内の積雪はなくなっています |
上段画像は鶴ヶ池の様子。池周辺に積雪が見られ、鶴ヶ池表面は結氷しています。下段の画像は畳平周辺の様子。駐車場内の積雪は数日前に消滅しています。
この日の畳平の気温は、
6時30分:マイナス6℃
11時:マイナス4℃
15時:0℃
で、今日は終日氷点下の一日となりました。
今日は空気は冷たかったものの日差しが強く、暑い一日でした。また、三本滝ゲートから歩いて登る登山者が多かったため、一般観光客がつられて登っていくケースがありました。今日は天候が良く、日中は過ごしやすいコンディションでしたが陽がかげると一気に冷え込み、なんの装備も持たずに手ぶらで登った場合は、非常に危険な状態になります。最近は日の入りが早く、今日も陽が落ちてから下山した一般観光客がいました。
【大雪渓の様子】
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山頂・大雪渓全景 |
ここからは大雪渓周辺の様子をお伝えします。
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大雪渓トイレ−
10月末で閉鎖されます (利用再開は来年6月頃) |
薄氷が張る |
こちら大雪渓のトイレ。積雪はありませんが、バケツに張った水の表面には薄氷が張っています。さんさんと降り注ぐ日差しがあるにも関わらず、溶けずに残っています。なお、トイレとその奥の避難小屋は10月末で閉鎖され、来年6月頃から利用再開となります。
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先週の雪渓上部左側(ごくわずかに残っている) ノリクラ 雪渓カレンダー 紅葉版Vol.8(2022/10/22・24) B |
今回の雪渓上部左側 |
こちらが先週まで存在が確認できた雪渓上部左側。
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先週の雪渓上部左側(ごくわずかに残っている) ノリクラ 雪渓カレンダー 紅葉版Vol.8(2022/10/22・24) B |
今回の雪渓上部左側 どこに雪渓があったのかわからない |
先週はわずかに残っていて、越冬できるか心配された雪渓ですが、今回の降雪で完全に埋まってしまいました。
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新雪の表面にはいくつもの筋が | 落石のあと 気づいていないだけで、かなりの頻度で発生 (過去には落石に当たって足を骨折したスキーヤーも) |
その新雪の表面にはいくつもの筋が確認できます。その原因は画像にも映っている落石によるもの。この付近は地盤が緩く、落石は絶えず発生しています。降雪から僅か1週間ほどしか経過していないにも関わらず、雪面に何本もの筋が見られ、過去には落石が当たって足を骨折したスキーヤーもいらっしゃいました。
気が付いていないだけで、かなりの頻度で落石が発生していることがわかります。
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積雪5〜10センチ −滑走できるレベルではありません |
積雪は5〜10センチほど。岩の頭がいくつも見られ、今回の降雪では「新雪初滑り」行うことができません。大雪渓付近の新雪滑走は11月下旬ごろから、ツアーコースの新雪滑走は12月下旬ごろからとなると思いますが、いずれも、すべて徒歩にて入山することになりますので、冬山登山の装備を整え、それなりの経験者のみが入山できる状態ですのでご留意ください。
9月から連載してきましたノリクラ雪渓カレンダー紅葉版は今回で終了します。なお、10月末を以って速報などの連載も一旦終了させていただきます。来年の再開は速報は12月中旬、ノリクラ雪渓カレンダー紅葉版は紅葉シーズンが始まる9月を予定しております。また、県道乗鞍岳線・乗鞍スカイラインの道路状況をお届けしているツイッターについても、10月31日をを以って終了させていただきますが、乗鞍関係の情報が入った場合は、随時発信していく予定です。(→お知らせ − 2022〜2023シーズン 当WebSite、道路交通・各施設の営業終了と来年度再開予定(2022/11/01))
また、来年度も乗鞍大雪渓WebSiteのご愛読をよろしくお願いいたします。
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