ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.5(2005/06/12) C

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(Update:2005/06/16)

 

【蚕玉岳〜朝日岳稜線】

先週と比べてかなり変化があります。稜線から大雪渓に滑り降りることは不可能です。それでも昨年と比べて3〜4週間ほど遅い雪解けです。画像の手前の雪渓は朝日岳直下からつながるもので、大雪渓に滑り降りるには稜線から右方向に移動し、この朝日岳直下からスタートすることになります。

 

権現ヶ池

権現ヶ池は雪解けでできた水面からエメラルドグリーンの深い色合いを放ち始めています。

 

蚕玉岳〜朝日岳稜線 朝日岳

蚕玉岳〜朝日岳稜線にはまだ若干積雪がありますが、先ほども申し上げたように、大雪渓に続く部分の積雪がだいぶ少なくなり、滑走できません。

先週は朝日岳山頂付近までしっかり雪がついていましたが、右の画像のように山頂から30〜40メートルくらいのところまですっかり雪がなくなっています。この1週間の変化は少し大きいような感じがしますが、それでも昨年よりも3週間、2003年よりも2週間ほど遅い雪解けです。右の画像をもう少し詳細に説明すると、手前の雪渓は蚕玉岳〜朝日岳の稜線の雪渓で、こちらは滑走できません。大雪渓に滑り降りるにはその奥に見える、朝日岳直下の雪渓からとなります。

 

朝日岳直下

こちらが朝日岳直下の雪渓、山頂から30〜40メートル下がったあたりです。

 

大雪渓エリアの中で朝日岳直下が一番滑りやすい

この情景に身をゆだね、あとはひたすら落ちていくだけ...

ご覧のように朝日岳直下から大雪渓上部へ滑走するエリアはまだ滑走可能です。大雪渓エリアの中で、この付近は縦溝もほとんどなく、一番滑りやすい箇所です。ですから、雪質に気を使う必要はなく、遠方の穂高を眺めながら、この情景に身をゆだね、ひたすら落ちていくだけ...今日一番の幸せでしょう。

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線】

剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線

登山道が見え始めています

こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線。先週とくらべて大きな変化はありませんが、蚕玉岳山頂から10メートルほど下った辺りにある登山道が見え始めていますので、先週と比べて積雪の高さで50センチ〜1メートルの雪解けが見られます。昨年と比べて3〜4週間、2003年と比べて2〜3週間遅い雪解けです。

 

稜線直下から〜まだまだ滑走可能 唐草模様

左の画像の通り、十分滑走可能です。先ほど紹介した朝日岳直下の滑り出しよりももっと横幅があります。

右の画像の唐草模様も、先週あたりまではまだしっかり雪が残り、白く潰れていたところありましたが、今週はご覧のようにきれいな幾何学模様を描いています。

 

それでも雪解けは進んでいます。

このエリアはホントに滑走距離、横幅ともにほかよりも大きいので、多少雪解けしてもその変化を気にする必要がまったくないのですが、雪渓の左右から狭まってきている様子が分かります。先週から比べ、高さで1メートルほど、長さで5メートルほどは小さくなっているはずです。

 

稜線からの急斜面を滑り出し、全体の半分ほどのところに雪渓が細くくびれた箇所があります。例年、6月中旬になるとこの部分が途切れて稜線から滑り降りることができなくなるのですが、先週あたりから岩の頭が少し出始めているものの、まだ滑走できます。

滑走は左の画像の岩の右側を降りていきますが、横幅は20メートル近くあり、今のところ問題ありません。積雪の多かった2003年でも6月第3週まで滑走できましたので、あと1〜2週間は滑走できると思います。

 

剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線からの滑走コース全景

こちらはコース全景。全体的にはそれほど雪解けは目立ちませんが、先ほども申し上げたくびれている部分が2週間前と比べて半分程度の横幅になっています。やはりこの部分の雪解け具合が、今後、気になるところです。

 

積雪は2メートルほど。山頂付近に水平環(環水平アーク)

県道乗鞍岳線に接するゴール付近は先週は3メートル弱の積雪でしたが、今週は2メートルほど。2003年よりも2〜3週間遅い雪解けです。

この画像を撮影したのは6月12日(日)の正午ごろ。剣ヶ峰山頂の左側の上空に虹のような帯が横たわっているのがお分かりでしょうか?水平環(環水平アーク)と呼ばれるもので、5000メートル以上の上空の氷の結晶に太陽の光が反射して起こる珍しい現象です。この日の水平環は広い地域で確認され、翌日の新聞報道などでも記事になっておりました。

 

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