ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.5(2002/06/23) B
【お花畑】
さて、来週は長野県側の県道乗鞍岳線が開通しますので、畳平の情報は今回で終わりです。というわけで今回は、お花畑の様子をもう少し詳しくお伝えしたいと思います。
昨年までは部分的に地道が残っていましたが、今年は全線にわたって木道が整備されています。だた、新しい木道は雨にぬれるとかなり滑りやすいので注意が必要です。
お花畑全体的に青さが増してきています。画像ではよく分かりませんが、エリアによって差があるものの白い花が点々と咲いています。
ハクサンイチゲ |
もう、この時期に白い花といえば、ハクサンイチゲですね。数輪固まって咲いていますので、小さな花でもよく目立ちます。右の映像で左が花。右がまだつぼみのものです。まだ、花と葉のあいだの間隔が狭いですが、これからどんどん大きくなり、花が落ちても茎は伸びます。秋には黒い実をつけます。
ショウジョウバカマ |
雪融けと共に姿をあらわすのはハクサンイチゲだけではありません。こちらのショウジョウバカマもその代表格です。新葉と花に特徴のある花です。ハクサンイチゲのようにあたり一面に咲いてはいませんが、よく目を凝らしてお花畑を見まわすと見つけることができます。
ミヤマキンバイ |
ハクサンイチゲ同様、いたるところで開花まえのミヤマキンバイの葉を見かけます。雪融けが速く進んだところではようやく黄色い花が出ます。黄色い花はミヤマキンバイ以外にもシナノキンバイ、ミヤマキンポウゲなどよく似たものが数多くあり、見分けが難しいものです。花弁の形・数以外に萼(がく)や茎のつきかたや葉の形を眺めるのも高山植物の楽しみ方のひとつかもしれません。
昨年と比較して雪融けがやや遅れたお花畑ですが、ハクサンイチゲなど花の開花の様子などは昨年とほぼ同じくらいではないかと思います。
この1週間大きな変化が見られない大雪渓ですが、スプーンカットやお花畑の開花状況から、少しづつ夏シーズンにシフトしている様子が伺えます。特に、少しばかり雪融けが遅いものの、雪のなくなった場所からどんどん新しい高山植物が開花し、例年と比較して遅れているといった印象はありません。
そして、いよいよ6月28日には長野県側もオープンし、多くのスキーヤー・ボーダー、そして登山の方が訪れます。まだまだ、梅雨が続き悪天候が予想されますが、夏は着実に進んでいます。
【昨年の今ごろは?】
昨年と比較して今年はまだ雪渓上を鉄砲水が流れていないため、雪渓そのものはきれいだということが分かりますね。鉄砲水が生じるほどの豪雨がまだないためですが、豪雨や鉄砲水は雪融けにかなりの影響を与えるので、この先、どの程度積雪が残るかまだ、分かりません。
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