ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.9(2002/07/21) A
【雪渓下部 U】
いつもの石碑のある岩です。先週より少し左寄りの位置から撮影していますので、やや雰囲気がちがって見えます。先週もお伝えしたとおり、この付近一帯は完全に雪はありません。この岩の高さは7〜8メートルはあると思います。右の画像はその石碑周辺(雪渓下端方面)です。先週までは画像右側の雪渓が上部へつながっていましたが、今週は完全に切れてしまい、上部から滑り降りるには先に述べた、雪渓下部の中央付近の登山道沿いのみとなってしまいました。
【登山道】
雪融けのため登山道も大半の部分は姿を表してきました。こちらは県道からの登山口、この付近の登山道脇にはすでにミヤマキンバイ、コイワカガミなどたくさんの高山植物を楽しむことができます。しばらく進むと雪渓に出ます。まっすぐ登らず、画像の左に上に見える岩を目指して雪渓を進んでください。ただ、この雪渓はモーグラーの滑走エリアになっていますので、斜め左に歩くのではなく、そのまままっすぐ上に歩き、上部の岩に到着したら、左に横移動してください。岩の左脇に登山道を示した緑色のロープが見えるはずです。この付近は斜度がありますので、足を滑らさないよう十分に注意してください(上りよりも下りの方に特に注意を払う必要があります。)
岩の左を登っていくとすぐまた、雪渓に出ます。先ほどよりも斜度がゆるいので安心していけますが、やはりこちらも下りは注意する必要があるでしょう。雪渓を歩かなければならないのはほんの20〜30メートルほどです。
この2箇所を通り過ぎれば、後は肩の小屋まで登山道脇に咲く高山植物を楽しみながら足を進めていくことができます。
【高山植物】
ハイマツ |
ノリクラを代表する高山植物といえばハイマツ。昨年生まれた球果(いわゆるマツボックリ)が紫〜褐色に色づいています。これから熟成し、秋になるとハイマツの上を飛び交うホシガラスの姿を見ることができるでしょう。
チングルマ | スゲ |
こちらも去年と今年が同居しています。左はチングルマ。雪渓エリアではまだまだ咲いているものはほとんどありません。細い棒のように延びているのは昨年の花の部分。チングルマの茎をたどって葉の下の地表に近いところを見ると樹木(木本植物 もくほんしょくぶつ)であることがわかります。樹木ですからいわゆる草とは異なり、地上の茎も「越冬」できるわけです。
右の画像はスゲ、スゲにもいろいろ種類がありますが見分けがつきませんので、詳細は割愛します。こちらも、雪融けとともに芽吹きだしてきます。多年草ですが、枯れた昨年の葉がそのまま残り、その中をかき分けるように新芽が顔を出しています。
どちらも昨年の枝や葉は注意して見ると残っていることはすぐわかるのですが、今年の花や芽がたくさん出るようになるとそちらのほうに注意が回り見えないものです。
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