ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.24(2005/10/22) A
【雪渓下部】
ちょうど、大雪渓へ向かおうとしたとき、山頂付近から急に雲が流れ込みはじめます。先週と比べて大きな変化はありません。
登山道の土は固く締まっています |
ただ、地面の土は寒さで固く締まり、歩くたびに、ゴリゴリと音を立てて、砕けます。
霜柱 |
歩くたびにゴリゴリと音を立てるのは、霜柱のせいです。2004年もちょうど今ぐらいの時期になってようやく霜柱が立ち始めました。大雪渓エリアでは、例年、9月下旬〜10月上旬には、ごく普通に見られます。この時期の霜柱は日中になると消えてしまうことが多いのですが、さすがに今日は日差しもなく、冷蔵庫のような気温ですので、しっかりとした霜柱がお昼になっても立っていました。
ウラジロナナカマド(実) |
こちらはいつものウラジロナナカマド。先週の段階で、実の表面がしわしわになってきましたが、まだ、落ちずに残っています。訪れたカメラマンも、すでに紅葉の終わった大雪渓エリアで唯一の被写体にレンズを向けていました。
ウラジロナナカマド(冬芽) |
ウラジロナナカマドの実が落ちていく中、冬芽のほうはしっかりとした形を作っています。冬芽ができ初めてすでに1ヶ月以上たちますが、このところ、特に大きなものになってきました。今にも新芽を出しそうな勢いです。春が訪れ、6月ごろの大雪渓エリアでは、雪解けが終わった箇所から、まぶしい緑の芽吹きが始まります。
【雪渓上部】
雪渓上部左側 左部分 |
大雪渓に上がり始めると、一面は霧で覆われてしまい、全景をご紹介することはできません。左の画像は大雪渓上部左側 左部分。手前にある岩の付近などを見る限り、雪渓そのものの大きさはそれほど変わっていませんが、左の画像の中央付近で、雪渓の中に雪解けした部分があるのがお分かりかと思いますが、その付近の様子が右の画像です。ここの雪解け部分は先週よりも1.5倍くらいの大きさになっていますので、まったく雪解けが進んでいないわけではないことがわかります。
左端部分 |
こちらは左端部分。2週間前まではこの付近を常連の方々が滑走されていました。画像の左にとがった岩がありますが、先週はそのすぐ下まで雪がありましたので、左端が2メートルほど雪解けで移動していることがわかります。
雪渓の表面は氷結状態 |
ご覧の状態のとおり、雪渓の表面は凍りついています。雪解けで表面がしみたり、雪解け水が流れると、右の画像のように黒っぽい筋になって凍ります。したがって、黒い部分は通常でも硬く、雪渓を登るときはそこを避けてアプローチしますが、今日は白い部分も黒い部分も一様にスケートリンク状態になっています。雪というやわらかいイメージではありません。「氷結」という言葉がぴったりです。
上端部分 |
こちらは上端部分。上端の位置は先週と比べて3〜4メートルほど下方に移動しています。地面と雪渓の境目が先週までは丸い円を描いていましたが、今週はご覧のようにアメーバー状になっていて、地面の上に雪がかろうじて張り付いている状態です。積雪がほとんどないことをあらわし、最後の最後まで、雪解けが進んでいたことがわかります。また、この付近はアリ地獄のような砂利ですが、水はけのよいこの砂利でさえ、雪渓に近い部分では凍っていました。日中に溶け出した雪解け水がすぐに凍ったのでしょう。いかに寒いのか良くわかります。
雪渓の様子を撮影するにも、この状態です。気温は朝よりさらに下がり、マイナス3℃。時刻はまだ正午くらいですが、とても取材が継続できる状態ではなく、雪も降り始めたため、これ以上の滞在は無理と判断し、下山しました。
Copyright (C) 乗鞍香辛料監視委員会 |