ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.17(2007/09/01〜02) A
【大雪渓に向けて】
今年の大雪渓の積雪は、多かった昨年と比べるとやや少ない状況ではありますが、平年と比べると多い状況です。したがって、9月には行っても十分な滑走エリアがあり、常連の方々はいつものようにお越しになっています。
現在のところ、雪渓上部右側と雪渓上部左側の二つの滑走エリアがありますが、雪解けが進んで、急斜面が主体の雪渓上部左側だけに限定された場合、ノリクラでの滑走経験のない初めての方がお越しになることはお勧めできません。急斜面であることに加え、今後の冷え込みで、日中になっても雪面が硬い状態の日があり、また、凹凸のひどいスプーンカットでとても歯が立たない状況になってきます。
ちょっと腹ごしらえ... |
これから大雪渓に向かう前にちょっと腹ごしらえ...
小腹が落ち着いたところで、雪渓に向かうモーグラーの身支度の準備をお手伝い...
今日も元気に出発! |
今日も雪渓上部に向けて元気に出発です。
【雪渓下部 T】
大雪渓入口 | 上部からは完全に見えなくなりました |
それではここからはいつものように大雪渓の様子をお伝えします。先週の状態から推測して、今週はもう少し残っているかと思いましたが、若干雪解けのスピードが速くなり、ご覧のようにほとんどなくなっています。これまで1つの雪渓が分裂し、滑走どころか雪遊びすらできないほどです。先週は昨年より1〜2週間早い状況でしたが、今週は2週間早い状態です。
大きく3つに分裂しています。
南寄りの雪渓 : 縦10メートル × 横5メートル |
中央の雪渓 : 縦3メートル × 横3メートル |
左の画像の南寄りの一番大きな箇所は縦10メートル×横5メートル、右の画像の中央部分雪渓は縦・横それぞれ3メートル、画像はありませんが、一番小さい北寄りの部分は0.5メートル四方のものが3つあります。
雪渓下端(南側) − 車道まで76メートル | 幅42メートル − 昨年より2週間早い雪解け |
左の画像の部分は雪渓下端部分で雪解け部分は車道から76メートル、先週と同じです。これだけ雪解けが進んでいるにもかかわらず、南側の下端部分からの距離が変化していないのは意外といってもよいかもしれません。最も、車道からの距離は同じでも測定位置は若干の移動はあります。いつもお伝えしているようにこの部分は大雪渓入口付近から一段上に上がっていて、雪解けとともにその幅が広がってゆきます。右の画像はその一段上がった平坦部分。この平坦な部分の雪渓はこれまで北寄り部分で車道に向かって積雪が伸びていましたが、その部分が大幅になくなり、先週の20メートルから42メートルに広がっています。先週と同様、昨年より2週間早い状況です。
9月になっても雪渓下部に積雪のある年は少ない |
9月に入って雪渓下部に積雪のある年は、WebSiteの掲載を始めた2001年以降では、9月半ばまで積雪のあった2006年と、今年よりも若干少ない2003年の2回だけ、2001年以前の状況を見ても、9月以降に積雪のあった年はほとんどなかったように記憶します。
したがって、今年の積雪状況は昨年と比べれば少ないものの、平年と比べた場合は多いほうに入ることがわかります。
緑に濃淡が現れるようになってきました | ウラジロナナカマド(実) −先端から赤くなってきました |
さて、雪渓下部ではほとんど雪解けが終わろうとしていますが、その周辺では次の季節へ少しずつシフトする兆しが見られるようになって来ました。左の画像の魔利支天岳の山肌ではこれまで一様だった緑の中に、濃淡が現れるようになってきました。これから少しずつ黄色に変化して行くことと思います。
また、右の画像はいつもお伝えしている大雪渓入口付近のウラジロナナカマド。先週とあまり変わりはありませんが、実の先端の赤色が少しずつ増えてきています。
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