ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.24(2007/10/20〜21) F
【雪渓下部】
大雪渓入口 |
それではここからはいつものように大雪渓の様子をお伝えします。雪渓下部は6週間前の段階で完全に雪解けが完了しましたが、ご覧のとおり全面雪化粧です。
雪渓下部全景 |
ご覧のように積雪があっても岩が完全に隠れるまでには至っていません。したがって滑走はできません。
雪渓下部と車道が接した部分は西から降り続いた雪が吹き溜まっていて、雪渓下部の中で一番積雪量が多くなっている箇所です。右の画像の排水溝の付近の積雪は一番深いところで50センチ程度の積雪量になっています。
トイレ付近 |
こちらのトイレ付近は先ほどとは逆に雪着きの悪いところ。それでもご覧のように数センチの積雪があります。
昨晩の新雪部分だけでも10センチ程度の積雪 |
大雪渓入口前の県道乗鞍岳線も沿道の地形によって雪付きばらつきがありますが、右の画像のようにかなり雪付きが多い箇所もあります。表面には昨晩降った新雪が積もっています。この新雪部分だけでも10センチ程度の積雪で、さらにその下の一昨日の降雪部分は凍結していて、アスファルトまで掘り出すことはできません。昨日の段階で20センチの積雪がありましたので、若干沈んで押し固められたとしても全体の積雪量は20〜25センチ程度と見積もることができます。
このため、重機による除雪作業を実施しない限り、自然融雪を期待することは無理かと考えられます。
山肌にはハイマツの緑以外は彩りの全くない大雪渓エリアでは、先ほどの登山道と同様、ウラジロナナカマドの赤いは遠くからでもかなり目立つ存在です。
スキーヤー専用道を雪渓上部に向けて歩きます。
スキーヤー専用道は深いところで40〜50センチの積雪 |
バス停のある入口から少し進むと、少し吹き溜まりになっている箇所があります。左右のロープの状態から40〜50センチ程度の積雪でしょうか? ツボ足の深さも30センチ程度です。
石碑の岩 |
石碑の岩の下部のバーン |
こちらはモーグルコーススタート地点の岩の南側にある石碑の岩。この付近は10〜20センチ程度の積雪。石碑の岩の下部のバーンを見るともうあと一降りから二降りすれば、何とか滑走できそうな状況です。
チングルマ − 針山に刺された待ち針 |
毎週定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。先週はかなりの彩を見せてくれましたが、先ほどの登山道と同様、見る影もありません。花茎だけが雪から突き出て、針山に刺された待ち針と化しています。
今日は天気が良いのでついつい...でもやはりある程度の装備は... |
こちらの方は三本滝から3時間。もちろん今日はシャトルバスに乗ってお越しになる予定で、ノリクラに向かうにつれて真っ白な山にどんどん近づくが、もしかしてあれがノリクラかな?と思いつつやってきたとのこと。観光センターに到着して、その山がノリクラであることを確信し、バスが運休であることもそこで知り、三本滝から登ってきたとのことです。ご覧のとおり、ほとんど街中の格好でお越しになっています。もう一人の友人は「ここまでくるはずじゃなかったが、コイツにだまされてやってきた!」とおっしゃっています(笑)。ご自身も「冬山に来る格好ではないですよね〜(笑)」と...
今日は非常に良い天候ですから、この格好でも問題ありませんが、一旦、荒れ出せば本当に真冬の状況になります。10月とはいえ、一旦、降り出せばかなりひどい状況となり、ロケーションのよいノリクラは逆に風雪をさえぎるものがなく、かなり辛い思いをすることになります。
今日のこの天候なら、なんら問題はありませんが、この時期はどんなに天候が良くても、吹雪になったことを想定した行動と装備が必要です。
■ご注意■
今回の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンにしてください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。大雪渓は新雪が降っても急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
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