ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.13(2015/08/01〜02) E
【肩の小屋、山頂への登山道】
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肩の小屋への登山道 − 高山植物が見頃 |
大雪渓から肩の小屋への登山道は高山植物が数多くみられるようになってきました。
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チングルマ | アオノツガザクラ |
最も多いのはチングルマとアオノツガザクラ。アオノツガザクラにはちょうどハナアブが訪問中です。
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綿毛のチングルマ | イワギキョウ |
チングルマは場所によって花の進捗度合いがかなり異なっていて、数メートル場所が違うだけでご覧のように花が終わって綿毛(実)になっています。上のチングルマとは1〜2週間程度の違いがあるはずです。その隣にはイワギキョウが咲き始め、夏が最盛期に入ったことを告げています。
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肩の小屋にはたくさんの方が立ち寄る |
肩の小屋は剣ヶ峰登山に向かう方々が数多く立ち寄る中継地点。今日もたくさんの方がお越しになっています。
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生ビールの幟が... | 気温20℃ − 暑い日はやっぱりコレ! |
先週はなかった「生ビール」の幟がありますね...気温は20℃を超える状況の中、生ビールは売れ筋商品です。平地で20℃というと決して生ビールを飲みたいと思わせるものではありませんが、気温以上に日差しが強いため、肩の小屋においては20℃という気温はかなりの高温という事になります。
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半袖Tシャツ − 「こんなに暑い年は今までなかったですよ。」 | ソフトクリームが人気 |
肩の小屋の管理人もご覧のとおり半袖。「こんなに暑い年は今までなかったですよ。」おそらく、年間通しても半袖で過ごせるのは1〜2週間程度と考えられます。そして、やはり、今日もソフトクリームが飛ぶように売れていきます。
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忙しくてスキーの練習どころじゃない! |
さて、こちらの新人のスタッフ。「このところ忙しくてスキーどころじゃないんですよ。ホントは一日に一本でもいいから朝練・夕練したいんですけどね...」 この忙しさもハイシーズンのこの時期だけですから、もう少しの辛抱...
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山頂への登山道 |
それでは、肩の小屋から先へ続く、山頂方面の登山道の様子も少し見てみましょう。
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実気温は低くても、強い日差しに注意(日焼けと喉の渇き) |
体感的な温度は気温そのものに加えて、日差しと風が大きな要因。おそらく、20℃でも風が全くないとかなり暑い状態で、少しでも風が吹くと20℃という気温に近い体感温度になります。この時期の登山は半袖・短パンという方もいらっしゃいますが、日焼けで真っ赤になってしまうケースもかなり多く、露出部分は日焼け止め対策を施したほうがよさそうです。先ほどの生ビールではありませんが、思った以上に乾きますので、必ずペットボトルなどを多めに持参してください。
今日もきれいな青空に恵まれ、やさしい風が絶えず吹く状態でしたから、登山日和の一日といえます。
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権現ヶ池 − 主峰剣ヶ峰の火口湖 | 蚕玉岳稜線から権現ヶ池を望む |
こちらは蚕玉岳の稜線。剣ヶ峰の火口湖の権現ヶ池にはまだ雪が残っていて、紺碧の青空を湖面に映しています。
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終日きれいな青空が続く |
夕方近くになっても見事な青空。夕方から登り始めた方の中には、肩の小屋に宿泊されるとのことで、明日のご来光が楽しみとおっしゃっていました。
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肩の小屋宿泊なら夕方近くまで行動可能 |
肩の小屋に宿泊される場合は、どこまでも続く青空に沈みゆく夕日を楽しむことも可能。そして、翌日は日の出を小屋の窓から望むことも可能。稜線近くにある山小屋ならではの楽しみ方でしょう。
【畳平、お花畑】
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畳平(夕方15時前) |
こちらは、8月2日(日)、15時前の畳平。
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数多くの観光バス | シャトルバス下り便を待つ方々の列 =下りのピークは14〜16時= |
日曜日の午後は下山モードになってきて、観光バスなどは少なくなってくる時間帯ですが、今日は午前中とさほど変わらない混雑が続いています。また、シャトルバスのほうは、下り便を待つ方々の列が長くなってきました。
シャトルバス下り便の混雑のピークは14時台〜16時台で、繁忙期はすぐに乗車できないケースがありますので、時間に余裕をもって行動されることをお勧めします。
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シャトルバス下り便 −
混雑時は乗り間違いに注意! 乗鞍高原方面(長野側)と平湯・ほおのき方面(岐阜側)の2系統 |
畳平からのシャトルバスは、長野県側の乗鞍高原方面と、岐阜県側の平湯・ほおのき方面の2系統があります。混雑時はどちらの列なのかわからなくなってしまう場合があって、たまに別系統に乗ってしまう方がいらっしゃいます。長野県側終点の乗鞍高原(観光センター)と、岐阜県側終点のほおのき平や平湯温泉とを直接結ぶ交通手段はありません。乗り間違えた場合は、再び畳平に戻ってくる必要がありますので十分注意してください。
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畳平お花畑 |
それではいつものように畳平お花畑の様子をお伝えします。
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入口階段付近 | ハクサンイチゲが満開 =現在開花のハクサンイチゲはここだけになった= |
お花畑の花形だったハクサンイチゲのピークは終了し、現在、咲いているのは入口階段付近のみです。この箇所は他のエリアよりも積雪が遅くまで残っていたことから、ハクサンイチゲの開花が遅く、現時点で咲いているのはこの箇所のみとなっています。
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そのほかの大半の部分では...
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ハクサンイチゲ − 花は終わって実 | ミヤマクロユリも実ができる |
左の画像のとおり、実ができています。また、ミヤマクロユリも多くもので花が終わって、ご覧のように実ができています。
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T字路(直進:不消道、右折:遊歩道) | コバイケイソウの群落(不消道入口) |
入口からさらに進んで、こちらは不消道(きえずどう)とのT字路。直進すると不消道で不消ヶ池のそばを通って肩の小屋への専用道へ出ます。お花畑の遊歩道はここを右に曲がります。このT字路の少し先、不消道の入口付近には、コバイケイソウの群落があって、今年も見事な開花を見せてくれました。
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遊歩道分岐点 |
先のT字路を右に進むとお花畑遊歩道の分岐点に到達します。雪解け状況が右側のほうが遅いため、高山植物の開花は左側より右側は遅い状況でした。そろそろ、高山植物の時期が終盤に入りましたが、先のような雪解け状況のため、咲き残っている高山植物は右側のほうが多い状態です。
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分岐点を右へ |
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ミヤマキンポウゲが見頃 | ハクサンイチゲがまだ咲いている |
右側を進むと、ミヤマキンポウゲがちょうど見頃となり、ハクサンイチゲもかろうじて残っています。
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チングルマ − そろそろ終わりに |
畳平お花畑ではチングルマはあまり多くありませんが、右側遊歩道のターミナル建物方面でよく見られます。しかし、こちらも花期が終わりに近づき、雌しべが「稚児車」になり始めています。
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ハクサンイチゲに置き換わって咲く白い群落 | ハクサンボウフウ |
これまでハクサンイチゲの群生で真っ白だったお花畑ですが、それに置き換わるように再び白い花が咲き始めました。こちらはハクサンボウフウ。ハクサンボウフウをはじめ、セリ科の高山植物はツキノワグマの好物で、しばしば、お花畑付近に出没するため、場合によってお花畑が閉鎖されることがあります。
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遊歩道の折り返し付近 | ミヤマゼンコ |
さらに奥に進むとハクサンボウフウよりも一回り大きなミヤマゼンコが多くなります。この付近もミヤマクロユリが数多く咲いていましたが、もうすでに花期は終わってしまいました。
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そのほかの見頃の花(左:ミヤマアキノキリンソウ 右:イワギキョウ) |
これから見頃となるのは、ミヤマアキノキリンソウ、イワギキョウ。
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そのほかの見頃の花(左:ミコウメバチソウ 右:ヨツバシオガマ) |
そして、コウメバチソウもこれからの高山植物。ヨツバシオガマはちょうど今が見頃です。
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まだこれから咲く高山植物が待ってます |
ハクサンイチゲとミヤマクロユリが終了すると、大きな群落を作る高山植物がなくなりますが、それでも、これから花期を迎える高山植物もあります。
【昨年の今ごろは?】
8月最初のノリクラ雪渓カレンダーをお届けします。
夏真っ只中を迎えて、何をやっても動きやすいシーズンを迎えました。半年前の厳冬期のノリクラとは想像もできないほど動きやすい...「動きやすい」とお聞きになると違和感があるかもしれませんが、冬は何をするにしても本当に活動が制限されるものです。四季にこれだけ違いが見られるから、その移り変わりに一喜一憂するものです。
8月2日(土)は、朝一番は青空が広がっていたものの、次第に雲に覆われて、9時過ぎにはほとんど日差しがなくなります。おそらく台風12号の影響で湿った空気が流れ込み、終日に渡って蒸し暑い一日でした。午後になって、一時的に雨に見舞われるタイミングがありましたが、思ったほどの天候の崩れはなく、蒸し暑ささえなければ、快適なコンディションだったと思います。
8月3日(日)も、昨日と同じような天候の推移でした。早朝の晴れ間からすぐに曇り空に覆われ、午前中は小雨と霧が周期的に流れます。そして、午後からはザーッと降っては止むのを繰り返す状況でした。この天候ですが、昨日よりも人出は多く、特にヒルクライマーは午前中だけで201名も駆け上がり、観光センター前駐車場は8時前にはもう満車になりました。
<編集後記>
夏スキーは梅雨明けからお盆ぐらいまでがハイシーズンで、この期間中は初めてお越しになる方にも最適な時期を迎えています。しかし、夏スキーをされたことのない方には、「リフトのないところで、何度も登り返しのスキーなんて」と、思う方もいらっしゃるかと思います。
初めてノリクラに夏スキーにお越しになる理由は人それぞれかと思います。元々興味があって自らの意志でお越しになる方。また、スキークラブの合宿だから、仕方なくやってきたという人など様々...しかし、実際に夏スキーをやってみると、最初はハイクアップが辛く感じるものの、最終的には楽しかったという感覚のほうが勝り、「二度と来たくない!」という人はかなり少ないのではないかと感じます。また、リフトのある冬場ではロングコースを滑る練習が主体で、細かな動作練習を何度も繰り返すことはしなくなりがちですが、夏のノリクラでは滑走距離が短い分、細かな練習の繰り返しがメインになりますので、冬場に向けての単なる足裏感覚の保持というだけでなく、冬場で取り組めなかったトレーニングができます。
夏スキーは今がハイシーズン!
スキーの旬は冬ですが、夏スキーはそれとは違った感覚・雰囲気があって、それこそ今が旬。ノリクラ雪渓カレンダーの過去記事を参照していただき、ぜひとも、今年は夏スキーデビューしてみませんか??
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