【速報バックナンバー 2008年12月分】

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◎ 12月

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■2008年12月31日(水)■  

 

@ 2008/12/31 09:55
昨晩からの降雪で綺麗にグルーミング
(ツアーコース − 入口急斜面)
A 2008/12/31 11:20
テント周辺は一晩で30センチほどの降雪
(ツアーコース − D番標識付近)

B 2008/12/31 12:10
午前中の晴れ間はなくなり、天候は悪化傾向へ
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2008/12/31 18:00
位ヶ原山荘で年越し
(位ヶ原山荘)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
今日は寒さの厳しい荒れた一日となりました。昨晩から降り始めた雪は深夜3時ごろから激しい吹雪となり、ブリザードといっても良い状態が夜明け前まで続きます。早朝5時の乗鞍高原の気温はマイナス7℃。この時点で15センチほどの積雪です。この吹雪は6時を過ぎる頃になると収まり始め、7時30分ごろには激しく流れる雲間に青空が時折のぞくまで回復します。太陽もそんな雲間にぼんやりと姿をあらわし、少しずつ天候の回復の兆しが見えるように感じさせてくれるものの、依然としてスキー場のゲレンデではリフトの搬器が揺さぶられほどの激しい暴風が周期的に吹き付けられる状態が続きます。
そんな様子も8時30分を過ぎる頃になるとおさまりをみせ、しっかりとした影を作るほどにまで太陽がはっきりとしてきます。そして軽く舞い続ける新雪がきらびやかに光る様子は真冬のワンシーンそのもの。9時の三本滝レストハウス付近の気温はマイナス8℃。今日はほとんど気温が変わらないばかりか、どんどん冷たい空気が入り込んでくる感覚が続きます。そして、一面新雪に覆われたかもしかゲレンデは、我先にと多くのスキーヤーやボーダーが思い思いのターンを描き、30分もしないうちに完全に食い潰された状態となりました。かもしかゲレンデの最上部から始まるツアーコースも新雪で綺麗にグルーミングされ、ツアーコース入口付近で15センチ程度、その先の急斜面では30〜50センチの新雪が積もりますが、シールでラッセルしてもほとんど重さを感じさせない軽い雪質。もちろんこの降雪でブッシュの面積はさらに減少しています。
10時のツアーコース入口急斜面付近の気温はマイナス10℃。小雪が続きますが、青空と太陽はさらにしっかりとしたものとなってきます。それでも太陽の暖かさはほとんど感じられないほど空気は冷たく、太陽と青空がはっきりとしていたのは1時間程度しかありません。
急斜面を登りきった先も昨日のトレース跡は完全になくなり、昨晩、ツアーコース脇でテントで一晩を過ごされた方の話では30センチ程度の降雪ではなかったかとのことでした。少しばかり青空がのぞく状態でもツアーコースから望む位ヶ原方面はほぼ完全に濃霧の中で、ツアーコースを進むにつれて視界が低下し始めます。
正午のツアーコース位ヶ原急斜面の気温はマイナス12℃。ここでも昨晩の降雪は30センチ程度で、E番付近のウェーブは一昨日よりもさらに歩きやすい状態になってきました。ただ、この付近から少しばかり風の影響を受けたようで、雪面にやや重さを感じますが、それでも滑走には大きな問題となるものではありません。
そして、ツアーコース位ヶ原急斜面を登りきった先の位ヶ原はそれまでの冷たさとは比較にならない状態となります。13時の気温はマイナス14℃。絶えず強い北風にさらされ、顔の感覚がなくなり、顔面を手でマッサージし続けないと凍傷になってしまうほど。視界は100メートルほどとなって、これ以上、先に進めない状態となります。
今日は完全に真冬の一日となり、速報を書く現在も時折、強い風に周囲の木々が唸りをあげるときがあります。
今年の速報も今回で最後となります。一年間、ご愛読くださいましてありがとうございます。また、来年もこれまでと同様、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。それでは皆様も良い年をお迎えください。(2008/12/30 19:10更新)

【位ヶ原山荘の年末年始営業開始について】
10月末に夏季営業を終えた位ヶ原山荘は、12月23日(火)から1月5日(月)までの年末年始営業されます。通常の宿泊のほか、お昼の軽食・喫茶も行います。

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
<速報>

2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
<ノリクラ雪渓カレンダー>
今シーズンの連載は2008年10月28日発行のVol.24が最終号となります。】
来シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2009年3月中下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2009年5月中旬頃を予定しております。

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■2008年12月29日(月)■  

 

@ 2008/12/29 08:45
快晴の朝、屋根板へ出発
(位ヶ原山荘前)
A 2008/12/29 10:05
パウダーを喰う
(屋根板)

B 2008/12/29 11:55
午後からモノトーンの空
(大雪渓)

C 2008/12/29 14:40
ブッシュを気にせずに滑走できるようになりました
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
今日は昨日の悪天候から一転して、綺麗な青空の下、柔らかな雪質を十分楽むことができました。
7時の位ヶ原山荘付近の気温はマイナス13℃。夜明け前からしっかりとした青空が広がり、西から吹き抜ける冷たい風に耳がキーンとする感覚が走る朝を迎えています。
昨晩からの新たな降雪はほとんどなく、位ヶ原山荘周辺の雪面は所々で風紋が見られるものパックされた感覚はなく、昨日と同様の柔らかさを保っています。そんな中、雲ひとつない空を赤く染めながら真っ赤な太陽が力強く昇り始め、西の空に広がる富士見岳や屋根板などの雪肌は次第にはっきりとしたコントラストを見せてくれるようになります。
日の出直後には少しばかり北から雲がかかるものの、時間とともに再び姿を消し、弱く吹き抜けていた風もほとんどなくなり、快晴無風の状態が続きます。10時の屋根板の気温はマイナス2℃。この時間ともなると、力強い太陽に照らされた雪面は締まり始めてきて、その状態はシールの裏から感じられるようになって沈み込みも甲程度までしかなくなってきます。それでもまだまだ十分柔らかい状態が続き、何の抵抗感もなく浮遊感と滑落感を十二分に味わえる状態が広がり、歓声を上げながら繰り返し滑るスキーヤーもいらっしゃったほどです。そして、この頃になるとアウターを着ていると暑さを感じるほどの状態となり、吹きぬける風の冷たさが心地よいと感じてしまうほどの陽気に包まれます。
ただ、快晴の青空もここまで、11時を過ぎる頃になると北の空から薄い雲が青空を白く覆い始めます。屋根板上部の気温は0℃。力強く照りつける太陽も次第に雲に阻まれて、風に冷たさが増すようになってきます。屋根板を登りきった位ヶ原はそれまでの柔らかいバーンがなくなり、所々にアイスバーンが広がり、ほぼ平坦な位ヶ原ですら登る場所を選ばないといけないほど状態です。
正午の大雪渓の気温はマイナス4℃。大雪渓を登る方や魔利支天岳に向かう方などの姿はこの時点で5名前後。そして、大雪渓の中間地点から上部は冷たい風が絶えず吹きぬけ、雪渓上部はほぼ全面に渡って風紋が広がり、大雪渓は全体的に固めのバーンが広がっています。それでも滑走しづらい箇所はほとんどなく、楽しく落ちて行くことができる状態は間違いありません。
昨日の降雪でツアーコースも全体的に積雪量が増え、特にツアーコースから位ヶ原に上がる急斜面は、これまで多くのブッシュで滑走部分を選ばないといけない状態でしたが、それもほぼ解消され、それより下部のE番付近のウェーブ箇所も滑走ルートを選べば、登り返す必要がほとんどない状態となっています。
昨日の悪天候とは打って変わり、綺麗な青空の中で新雪を味わうことができ、楽しい一日を送ることができました。なお、年末年始は週末とは関係なく、不定期で速報をお伝えする予定です。(2008/12/29 18:10更新)

【位ヶ原山荘の年末年始営業開始について】
10月末に夏季営業を終えた位ヶ原山荘は、12月23日(火)から1月5日(月)までの年末年始営業されます。通常の宿泊のほか、お昼の軽食・喫茶も行います。

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
<速報>

2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
<ノリクラ雪渓カレンダー>
今シーズンの連載は2008年10月28日発行のVol.24が最終号となります。】
来シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2009年3月中下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2009年5月中旬頃を予定しております。

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■2008年12月28日(日)■  

 

@ 2008/12/28 07:00
吹雪の朝
(位ヶ原山荘)
A 2008/12/28 11:45
30〜50センチほどの新雪、膝近くまで埋まる
(屋根板)

B 2008/12/28 11:55
猛烈な吹雪に視界がさえぎられる
(屋根板)

C 2008/12/28 12:50
柔らかな新雪で極上のパウダーゾーン
(屋根板)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
今日は終日吹雪の悪天候となりましたが、スキーヤーにとってはそんなことを忘れさせてくれる一日となりました。
朝7時の位ヶ原山荘の気温はマイナス12℃。夜半過ぎから雪が降り始め、吹雪の朝を迎えています。降り始めからの積雪は15センチほど。重さを全く感じさせない雪質で昨日よりもよい状態といえます。7時を過ぎて日の出の時間を迎えますが、太陽の姿は全く見えず、視界は100メートルにも満たないほどで、屋根板すら見えない状態です。
この吹雪はさほど強いものではないものの一向に収まる様子を見せず、1時間で10〜15センチ程度の降雪が続きます。そのため、外に出るとほんの数分で全身が真っ白になってしまうほど。それでも吹けば飛ぶ乾いた雪質です。そして、降り続く降雪で昨晩のトレースはほぼ完全になくなり、屋根板の積雪はストックで突き刺して50センチほど、シールで甲から脛程度の沈み込みがあり、登行ですら浮遊感を感じさせてくれるほどです。また、深いところではスキーのトップが完全に埋ってしまうほどですが、ラッセルしてもほとんど重さを感じさせない状態です。吹雪は西から吹いているかと思えば、周期的に東から激しく吹きつけることがあり、屋根板のダケカンバの幹は、いつもなら西に面した部分に見られる着雪が、東に面した部分に多く見られ、今回の降雪がいつもと異なるように感じます。
屋根板をさらに上部に進むと風雪がさらに強くなり、時折、視界がさえぎられ、すぐ目の前の様子すらわからなくなるほどで、天候が好転する兆しは全く感じられません。
正午の屋根板の気温はマイナス10℃。今日は終日に渡って気温の変動がなく、指先などはもちろんのこと、体を絶えず動かし続けていないと感覚がなくなってくる状態です。午後になっても一向におさまらない降雪で、屋根板周辺のオープンバーンでは極上のパウダーゾーンとなっています。吹雪の中、訪れるスキーヤーのないプライベートエリアでは、滑っては登り、登っては滑るを繰り返すうちに、ひどく吹雪いている状況すら忘れてしまうほど。ディープ新雪ではないものの、シーズン初めの新雪は板が底に当たる感覚がなく、軽い雪質に何の抵抗感もなくスムーズにスキーが自動的にターンしてくれる感覚を久しぶりに味わうことができたように感じます。
この降雪で屋根板のブッシュは少なくなってきましたが、まだまだ、ルートを選ぶ必要があります。しかし、明らかに先週あたりと比べれば、滑り易い状況になって来ている事は間違いありません。
今日は吹雪で登行の途中は苦痛さえ感じる状態でしたが、極上のパウダーゾーン広がってスキーヤーにとってはまたとない一日となったように感じます。ただ、場所によっては硬いバーンの上に新雪が降り積もっているところがあり、雪崩などの危険性を考慮した行動が必要となりますので、入山される方は的確な状況判断が求められます。また、今日のように視界の悪い状況では、地形などを熟知していない場合は入山できない状況であったことも付け加えてお伝えいたします。(2008/12/28 17:50更新)

【位ヶ原山荘の年末年始営業開始について】
10月末に夏季営業を終えた位ヶ原山荘は、12月23日(火)から1月5日(月)までの年末年始営業されます。通常の宿泊のほか、お昼の軽食・喫茶も行います。

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
<速報>

2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
<ノリクラ雪渓カレンダー>
今シーズンの連載は2008年10月28日発行のVol.24が最終号となります。】
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■2008年12月27日(土)■  

 

@ 2008/12/27 10:05
細かな雪が降り続きます
(ツアーコース入口)
A 2008/12/27 11:35
ブッシュや切り株の凹凸がほとんどなくなる
(ツアーコース − C番標識付近)

B 2008/12/27 13:05
浮遊感を楽しむ!
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2008/12/27 14:00
マイナス14℃、快晴の空に霧氷と舞い上がる雪煙が凍りつく
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は細かな雪が柔らかく降る夜を迎えています。気温はマイナス6℃。時折吹く西からの風に羽根が生えたかのように降りたての新雪が舞い上がる様子がいたるところで見かけることができます。雪の降る中でも視界はさほど悪くなく、鳥居尾根ダウンヒルコースの最上部にあるゲレンデの照明がはっきりと照らしている様子がうかがうことができるほどです。そして、温度計が示すほどの寒さはなく、新雪がゆっくりと舞う様子を楽しむことができる夜が続きます。
そして、一夜明けても降雪は続きます。雪の降り方はさほどでもなく、昨晩からの降雪は5センチ程度。6時の気温はマイナス7℃、鉛色の空が広がり、まだ夜明け前ということもあって薄暗い朝を迎えます。7時ごろからようやく明るさが増してきて、8時ごろになって鉛色の空にぼんやりとした輪郭の太陽がなんとか見られる状態になってきます。それでも降雪は続き、むしろ明け方よりもやや強くなってきた感じが見受けられます。
9時の三本滝レストハウス付近の気温はマイナス6℃、少しばかり吹雪きに近い状態となり、かもしかゲレンデでは一面の新雪に、我先にとスキーヤーやボーダーが思い思いのシュプールを描いています。そして、10時のツアーコース入口付近の気温はマイナス8℃。少しばかり視界が悪く、ツアーコース入口からその先にある急斜面の様子がはっきり確認できない状態です。今日はツアーコースを訪れる方はやや少なめで、おそらく今日一日で10名ほどしかお越しになっていないかと思います。天候は次第に回復傾向を見せ、鉛色の空にぼんやりとしていた太陽も少しずつ強さを増してきて、時折、薄日が差すタイミングも見られるようになって来ました。
ツアーコース入口急斜面は今週の降雪でブッシュの面積が少なくなり、かなり歩き易い状態になってきました。ストックで突き刺して50センチほどの積雪で、シールで甲から脛程度の沈み込みです。しかし、急斜面最後の部分はやはり雪付きが悪く、場所を選らばないとシールでは全く歯が立たないところもあって、まだまだ油断ができない状態です。そして、急斜面を登りきったあとのツアーコースは全体的に積雪量が増えていることがはっきりと感じ取ることができ、ブッシュや切り株の凹凸はかなりなくなっていて、ほぼ、平坦な状態になっています。ただ、降雪量が増えているもののシールで踵程度の沈み込みしかなく、雪質は少しばかり締まりかけていることがわかります。それでもパックされた様子は皆無で滑走問題となる状態は全くありません。
時間とともに天候はさらに回復の傾向を示し、足早に北から南へ流れる雲間に青空がのぞくようになります。それと同時にツアーコース内では所々で小さな旋風が立ち上がる様子が見られるようになり、太陽の輪郭も雲の中からでもはっきりとうかがえるようになってきます。そして、それまで降っていた小雪も正午ごろにはほぼ完全に収まってきます。
正午のツアーコースD番付近の気温はマイナス10℃。歩いていても全く体の温まらない状況から、徐々に足先から冷え込んでくる状況に変わってきます。天候の回復が見られるものの、ノリクラの峰々は激しく行き交う雲の中に閉ざされています。
13時のツアーコース位ヶ原急斜面はマイナス12℃。まだまだブッシュの多い状態は先週と変わりませんが、それでもオープンバーンの部分が多くなり、先週までのようにブッシュを掻き分けて降りてくる状況は解消されてきて、ターンを描きながら浮遊感を楽める状況が広がっています。
そして、13時30分頃になると、激しく流れていた雲がすっかりなくなり、快晴の空にノリクラの峰々が姿をあらわすようになってきます。ツアーコース位ヶ原急斜面から望む遠景の山々の頂はどれもみんな白く雪化粧が施されている様子が手に取るようにくっきりと浮かび、また、位ヶ原のダケカンバがどれもびっしりと霧氷に覆われ、真っ青な空にくっきりと白い輪郭を描いています。ただ、そんな美しい景色も位ヶ原にたどり着いた途端、激しく吹きつける強風に見舞われ、青空を覆い隠すほどの雪煙に襲われます。そして、気温はさらに下がり、14時の時点でマイナス14℃。美しい光景とは裏腹な極寒の世界です。今日は久しぶりの寒さでようやくノリクラらしい冬の様子となりました。

なお、先週と比べた積雪量は全体的に30〜50センチほどの増加が見られますが、昨年と比べた場合、50センチ以上も少ない状態です。ノリクラ雪渓カレンダー再開までは、速報にて冬の様子を少しでもお伝えできればと考えています。(2008/12/27 18:50更新)

【位ヶ原山荘の年末年始営業開始について】
10月末に夏季営業を終えた位ヶ原山荘は、12月23日(火)から1月5日(月)までの年末年始営業されます。通常の宿泊のほか、お昼の軽食・喫茶も行います。

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
<速報>

2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
<ノリクラ雪渓カレンダー>
今シーズンの連載は2008年10月28日発行のVol.24が最終号となります。】
来シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2009年3月中下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2009年5月中旬頃を予定しております。

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■2008年12月21日(日)■  

 

@ 2008/12/21 07:15
激しく行き交う雲間に青空と朝日の朝を迎える
(位ヶ原山荘)
A 2008/12/21 09:25
屋根板はまだまだブッシュが多い
(屋根板下部)

B 2008/12/21 11:05
青空が失われ、突風と地吹雪
(位ヶ原 − 宝徳霊神バス停下 )

C 2008/12/21 13:35
午後から雪
(位ヶ原山荘)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
夜明け前の位ヶ原山荘付近では、時折激しく吹く風で周囲の木々が唸りをあげる暗い朝を迎えます。そんな鉛色の空も太陽が昇り始めるのと同時に、雲間に青空が広がるようになり次第に明るさが広がるようになってきます。そして、西の空では激しく流れる雲がそんな朝日を受けて茜色に染まり、一日が始まります。
7時の気温はマイナス5℃。絶えず西から風が吹き付けるものの、さほどの寒さはありません。そして、力強く昇ってきた太陽もその姿をはっきりとさせていたのも一時間ほどで、8時を過ぎる頃になると雲間に隠れる時間が次第に長くなってきます。
9時の屋根板下部の気温は0℃。激しく流れる雲行きには変化はなく、晴れたり曇ったりを繰り返す状況。屋根板から位ヶ原へ登る斜面はまだまだブッシュが多く、シールで登るにもルートを選びながら進んでゆく必要があります。バーンはシールで甲程度の沈み込みがあり、数日間降雪がなかった割には柔らかな状態を保っています。ただ、柔らかいバーンもこの先を進むと風で表面がパックされたり、飛ばされたりして、シールの効きにくくなり、位ヶ原に出る付近になると、ツボ足で登って行かざるを得ない状況となります。そのツボ足もほとんど踏み抜くことなく、ひどいところでは、つま先で蹴って足場を確保しなければいけないほどで、如何にバーンが硬いかがわかります。
屋根板上部から位ヶ原に差し掛かるとかなりの強風となり、雪面は絶えず地吹雪にさらされ、時折、襲われる突風に立っているのもやっとという状況に変化し始めます。次第に雲に覆われる時間が長くなり、11時を過ぎる頃になると、それまで確保されていた視界が周期的に奪われるようになってきます。
12時の位ヶ原の気温はマイナス2℃。さほどの寒さはないものの、厚手のグローブの中では指先の感覚が失われてきます。そして、視界がなくなっている時間のほうが多くなり、目印の乏しい位ヶ原では、これ以上、滞在することが困難な状況となります。
視界がなくなり、ますます風が強くなってくる中、13時を過ぎる頃になると周囲はさらに暗くなり、吹雪が始まります。14時のツアーコース位ヶ原急斜面付近の気温はマイナス2℃。気温があまり低くないこともあって、降雪の雪質はあまり乾いた感じのものではありませんが、それでも、ツアーコースのシュプールを徐々に消し始め、ますます激しさを増す吹雪にバーンコンディションの回復に期待したいところです。ただ、この雪も@番標識付近に差し掛かるとかなり湿り気を帯びたものとなり、かもしかゲレンデ付近からは雨と変わってきました。
速報を書く現在の乗鞍高原はややまとまった雨が降り続き、位ヶ原山荘付近ではやや湿り気を帯びた雪が降り続いています。この降雪で少しでもツアーコースや屋根板などの状況が少しでも好転することを期待したいところです。
今日はあまりよい状況とはいえない一日となりましたが、ノリクラ雪渓カレンダー再開までは、速報にて冬の様子を少しでもお伝えできればと考えています。(2008/12/21 18:30更新)

【位ヶ原山荘の年末年始営業開始について】
10月末に夏季営業を終えた位ヶ原山荘は、12月23日(火)から1月5日(月)までの年末年始営業されます。通常の宿泊のほか、お昼の軽食・喫茶も行います。

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
<速報>

2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
<ノリクラ雪渓カレンダー>
今シーズンの連載は2008年10月28日発行のVol.24が最終号となります。】
来シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2009年3月中下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2009年5月中旬頃を予定しております。

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■2008年12月20日(土)■  

 

@ 2008/12/20 09:15
リフトを降りて出発の準備
(ツアーコース入口)
A 2008/12/20 10:55
ほとんど降雪がなく、固めのバーン
(ツアーコース − C〜D標識付近)

B 2008/12/20 14:25
位ヶ原から上部は強風と地吹雪の世界
(位ヶ原)

C 2008/12/20 14:50
12月23日(火)からの年末年始営業に向けて準備開始
(位ヶ原山荘)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は満点の星空が広がる快晴の夜空を楽しませてくれます。気温はマイナス2℃。細かく瞬く星たちの様子から透明感の高い空気に包まれていることがわかります。そして、いつものようにやさしく流れる空気に乗せて息を吐くと、長く白い尾を引きながら凍って行く様子がうかがえます。月の姿のない夜空ではノリクラの雪肌もその闇の中に姿を隠し、ゲレンデ整備を進める重機のヘッドライトしか動くものを捕らえることができません。
そして、一夜明けた乗鞍高原は快晴の朝を迎えます。6時の気温はマイナス7℃。全てのものを凍りつかせる気温ですが、全く降雪はなく、さほど凍てついた感じを受けません。夜明けのぼんやりとした風景から7時前になるとノリクラの峰々が茜色に染まってようやく今日一日をスタートさせることができます。
はっきりとした太陽は、朝の冷たさを徐々に和らげてくれて、8時ごろには日差しの暖かさを感じさせてくれるほどです。乗鞍高原温泉スキー場は今日からほぼ全面滑走となったことから、ツアーコース入口のかもしかゲレンデ最上部までリフトで行くことができるようになりました。9時のツアーコース入口付近の気温は4℃。それまでほとんど無風でしたが、少しばかり風が吹き始めたため、登行の準備を開始される方の中には、暖かな日差しに囲まれるものの、ウェアを一枚脱いだほうが良いか、そのまま着続けていったほうが良いか少しばかり迷うような気候です。リフト営業開始から30分くらいの間に10名ほどの方がツアーコースに向けて出発されて行きました。
ツアーコースはほとんど降雪がなく、おそらく先週のものと思われるシュプール跡がそのまま残されている状況。そのため、柔らかさを残している部分でも少しばかり締まった表面で、シールでの登行はかなり滑り易い状況となり、特に入口急斜面を登りきる最後の箇所では苦労されるスキーヤーの姿がありました。
ツアーコース急斜面を登りきった先からは、少しばかり風を感じるようになり、周囲の木々がざわめき始めます。それでもほぼ快晴の天候は続きます。薄着でも問題のない穏やかな陽気で、暑くも寒くもない状況です。ツアーコースを先に進んでも積雪の様子は見られず、まるで整備されたゲレンデのような硬さとなった部分さえあるほどです。
ツアーコース最後の位ヶ原急斜面の正午の気温は0℃。この付近でも降雪の様子は見ることはできず、少し締まったバーン状況が続きます。それでもパックされたといった感触ではなく、滑走には大きな問題とはならないと考えられますが、やはりシールでの登行では滑り易い状況です。降雪はありませんので、ブッシュの状況は先週と変わりありません。
穏やかな状況もここまでで、その先の位ヶ原は絶えず冷たい西からの風に吹きさらされていて、雪面は細かな風紋はもちろんのこと、完全に氷といっても良いほどの箇所さえあるほど。至るところで小さな旋風が巻き上がり、雪面では絶えず雪の粒が絶えず流れ続きます。14時になるともう日は剣ヶ峰の後に隠れようとし、大雪渓から完全に日差しがなくなる頃には風の勢いがさらに増して、雪の粒が激しく流れるようになります。そんな激しい雪面の様子も太陽の斜光が鮮やかに照らすとまるで別世界の光景そのもの。雪煙が首筋や手首から入り込む冷たさすら忘れてしまう瞬間です。その後もこんな光景を繰り返しながら、快晴の一日が終わってゆきます。

なお、先週と比べた積雪量はツアーコース入口付近、及び、その先のツアーコースはやや減少し、位ヶ原急斜面付近はほぼ同じ状況です。ノリクラ雪渓カレンダー再開までは、速報にて冬の様子を少しでもお伝えできればと考えています。(2008/12/20 18:10更新)

【位ヶ原山荘の年末年始営業開始について】
10月末に夏季営業を終えた位ヶ原山荘は、12月23日(火)から1月5日(月)までの年末年始営業されます。通常の宿泊のほか、お昼の軽食・喫茶も行います。

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
<速報>

2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
<ノリクラ雪渓カレンダー>
今シーズンの連載は2008年10月28日発行のVol.24が最終号となります。】
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■2008年12月14日(日)■  

 

@ 2008/12/14 09:50
どんよりとした空、雪が降り続きます
(かもしかゲレンデ)
A 2008/12/14 10:55
突然、青空が広がり始めます
(ツアーコース − 入口急斜面)

B 2008/12/14 12:30
青と白とサイレントのコントラストが広がります
(ツアーコース − D番標識付近)

C 2008/12/14 14:05
激しく巻き上がる雲に再び飲み込まれます
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
今日は予想もしなかった晴天に恵まれ、しかも新雪の柔らかさを十分楽しませてくれた一日となりました。
夜半から降り始めた降雪は、早朝を迎えてもまだまだ降り続いています。朝6時の乗鞍高原は0℃。車の屋根などには5センチほどの降雪があり、鉛色の空が広がります。どんよりとした雲が垂れ込めて、鳥居尾根すら確認できないほどの状況で、細かな雪が無風の中をまっすぐ落ちて行きます。降り方はさほどではなく、8時を過ぎる頃になると、雲の天井は鳥居尾根付近まで上がり、少しずつ明るさを感じるようになってきます。9時の三本滝レストハウス付近の気温は0℃。視界はかもしかゲレンデの2段目付近まで確認できるものの、その先は完全に霧に飲み込まれています。かもしかゲレンデは10センチほどの新雪で、昨日のシュプールがなんとなく残っている程度まで降り積もっています。このため、かもしかゲレンデの新雪を味わおうとシールをつけて登って行く方々もいらっしゃり、今日はツアーコースへ出向くよりも、ここで繰り返し登り返して滑走したほうが楽しいかもしれないと思うほどの雲行きです。かもしかゲレンデの先のツアーコース入口付近からはその先にあるはずの急斜面が全く確認できないほどの濃霧が広がっています。新雪は15センチほどで、かもしかゲレンデよりもさらに柔らかい雪質を感じます。
しかし、10時30分ごろになると、空が次第に明るさを取り戻し始め、滲んだ太陽が姿をあらわし始めます。そして、11時を回る頃になると、突然、西から東へ流れる雲がちぎれて、上空に青空が広がり、その数分後には空全体が真っ青に入れ替わってきます。その変化のすばやさは躍動感を感じさせてくれるほどで、照りつける太陽の強さも、全く暖かさを感じなかった午前中とは異なり、季節が変わってしまったのか思うほどです。天候が快晴に生まれ変わると同時に、西から冷たい風が吹き始めますが、ジリジリと汗ばむほどの状況に、火照った体や顔には恵みの風と行った所です。
急斜面を登りきった先のツアーコースも20〜30センチほどの新雪で、D番標識の先からは昨日のシュプールはほとんどなくなるほどの積雪を見せます。ツアーコースの先にはっきりと見せてくれる高天ヶ原や剣ヶ峰は激しく雪煙が上がり、強風にさらされていることがわかります。白と青と、そして、完全に音のないサイレントな世界だけがここに広がります。
正午のD番標識付近の気温はマイナス1℃、前述の通り、照りつける太陽のため、薄着でグローブも薄手のもので全く問題のない状況です。そして、ツアーコースをさらに進んで位ヶ原急斜面も綺麗な新雪が20〜30センチほど積もっています。バーン状況は昨日とは明らかに異なり、降りたての新雪の感覚がシールの足裏からもはっきりと感じ取ることができます。その後も天候は全く変わらず、はっきりとした輪郭の太陽と真っ青な空が穏やかな天候の中に続いています。
しかし、この穏やかな状況も位ヶ原を少し進んで、お花畑を過ぎた辺りから一変し、冷たい風が吹きぬけ、真冬の寒さにさらされます。アウターと厚手のグローブでないと絶えられず、先ほどまで火照っていた顔が、次第に皮膚の感覚がなくなってくるほどです。そして、先ほどまで望むことができた剣ヶ峰や大雪渓は激しく巻き上がる雲に飲み込まれ、天候が劇的に変化を見せる様子がうかがえます。
今日は鉛色の天候からぽかぽか陽気の晴天を迎え、さらに位ヶ原の先では真冬の気候と激しく行き交う雲に飲み込まれる状況を見ることができ、天候の変化の恐ろしさを感じたように思います。
なお、昨年と比べた積雪量はツアーコース入口付近はほぼ同じで、その先のツアーコースは30センチ程度少ない状況、位ヶ原急斜面付近はほぼ昨年並みと考えられます。ノリクラ雪渓カレンダー再開までは、速報にて冬の様子を少しでもお伝えできればと考えています。(2008/12/14 18:00更新)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
<速報>

2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
<ノリクラ雪渓カレンダー>
今シーズンの連載は2008年10月28日発行のVol.24が最終号となります。
来シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2009年3月中下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2009年5月中旬頃を予定しております。

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■2008年12月13日(土)■  

 

@ 2008/12/13 10:45
やや滑り易い雪質に慎重に登行
(ツアーコース入口急斜面)
A 2008/12/13 11:15
綺麗な鰯雲が広がる
(ツアーコース − A番標識付近)

B 2008/12/13 12:15
ブッシュを器用によけながら...
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2008/12/13 13:20
今日も快晴の空の下、一日が終わりました
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は快晴の夜空に明るい満月が頭上に輝いています。気温はマイナス1℃、さほどの寒さを感じることなく、その満月の夜を楽しむことができます。満月の夜にはノリクラの峰々がはっきりと真昼のごとく輝くものですが、昼間と異なってその白い雪肌だけが周囲の暗部よりもはっきり浮かび上がり、いつも以上に大きく聳え立つように感じます。
そして、一夜明けた早朝6時の乗鞍高原は薄曇の空が広がります。気温はマイナス3℃、吐く息がゆっくり西へ流れて行きます。そして、朝日を迎えた7時ごろになると、雲間の空に青さが輝くようになってきます。昨晩の降雪はなく、穏やかな一日の始まりを感じます。今日から乗鞍高原温泉スキー場の今シーズンの営業が開始され、8時過ぎになるとスキー場の第三駐車場には、ルーフキャリアにスキー・ボードを載せた車がやってきて、準備を始めるスキーヤー・ボーダーの姿をあちこちで見かけるようになります。本日営業されたリフトで向かうことができるエリアは三本滝レストハウスまでで、その先のかもしかゲレンデのリフトは営業されていないため、ここからシールをつけての登行の開始となります。
9時の三本滝レストハウスの気温は6℃。日差しの暖かさが十分感じられるようになり、空の青さも一段と増してきます。かもしかゲレンデは2〜3センチの新雪、そして、その先のツアーコース入口付近は10センチ程度の新雪があります。ただ、このところまとまった降雪がなく、少しばかり締まった感触のある新雪です。10時のツアーコース入口付近は5℃。日差しの暖かさが十二分に感じ取れる陽気となり、厚手のグローブから薄いインナーグローブだけで登って行くほどで、アウターも位ヶ原にでるまでは薄着で十分な状態となります。ツアーコース入口の急斜面のブッシュの状態は先週とほとんど変わりません。また、降雪から時間の経過した雪質ではシールのグリップが効かないため、急斜面を登りきる最上部付近では、滑るシールに悪戦苦闘されるスキーヤーの姿もありました。11時過ぎになるとほとんど晴天だった青空に、まるで秋のような綺麗な鰯雲が広がるようになり、そんな空を見上げると単調な登行にちょっとしたエッセンスを与えてくれるものです。急斜面を登りきった先のツアーコースも先週とほとんど積雪量は変わりません。そして、E番標識付近のウェーブも先週とほとんど同じで、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へ差し掛かります。
12時の位ヶ原急斜面は2℃、B番標識付近から足元に柔らかさを感じるようになり、この付近ではしっかりと新雪の感触が残されています。ブッシュが一面に広がる位ヶ原急斜面も大幅な積雪量の増加はなく、ほぼ先週と同じ状況ですが、幾分、ブッシュの背丈が低くなり、先週のようにルートの確保に苦労する状態がやや緩和されているように感じます。
そして、ツアーコースからさらに位ヶ原に登ると西から絶えず強めの風が吹きぬけるようになり、一面風紋が広がり、硬くパックされた雪面にシールをつけたスキーがカラカラと音を立てて登って行きます。太陽は真っ青な空の下、絶えず強い日差しを降り注いでくれるものの、一気に冷え込んだ中ではその暖かさはかき消され、アウターと厚手のグローブなしでは耐えられない状態となります。
14時の大雪渓はマイナス4℃、一気に冷え込むのと同時にこの時期は日暮れも早く、大雪渓にはもう日差しは完全にありません。そして、剣ヶ峰の尖った影が大雪渓から位ヶ原へあっという間に伸びて行く様子が広がり、今日一日が晴天の中、終わって行きました。

なお、昨年と比べた積雪量はツアーコース入口付近はほぼ同じで、その先のツアーコースは30センチ程度少ない状況、位ヶ原急斜面付近はほぼ昨年並みと考えられます。ノリクラ雪渓カレンダー再開までは、速報にて冬の様子を少しでもお伝えできればと考えています。(2008/12/13 18:20更新)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
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2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
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■2008年12月7日(日)■  

 

@ 2008/12/07 09:35
朝から快晴
(ツアーコース入口急斜面)
A 2008/12/07 10:40
ツアーコースは切り株の凹凸がまだ残る
(ツアーコース − @番標識付近)

B 2008/12/07 12:30
背丈以上のブッシュに四苦八苦
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

C 2008/12/07 13:20
終日、ほぼ快晴の一日でした
(ツアーコース − 位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は10月で終了し、12月から不定期で速報をお伝えいたします。ノリクラ雪渓カレンダーはお休みです。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は小雪がやんで、空には激しく雲が西から東に流れ、その雲間に月が明るく照らす夜を迎えています。気温はマイナス4℃、時折、やや強めの風が吹くものの、その風にはさほどの冷たさを感じることはなく、天候が徐々に安定してきた感じがうかがえます。
そして、一夜明けた乗鞍高原は快晴の朝を迎えました。6時の気温はマイナス7℃、夜明け前のノリクラの稜線は少しばかり雲がかかるものの、日が差し始めた7時前にはすっかり雲はなくなり、その白い雪肌は茜色に染まって一日が始まります。朝日が差し始めた剣ヶ峰には少しばかり雪煙が南へたなびいていたものの、それも時間とともになくなり、穏やかな雰囲気が感じ取れるようになってきます。
県道乗鞍岳線は休暇村より先は冬季閉鎖となっていることから、ツアーコースへのアクセスは休暇村ゲレンデから出発することになります。8時の気温はマイナス4℃、しっかりとした太陽が昇り、空気には冷たさが残るものの、日差しの暖かさが徐々に感じられるようになり、薄着で出発した頃は少し肌寒さを覚えるものの、それも歩き始めたら程よい状態となり、指先に走っていた冷たさも和らいできます。今日は終始マイナス4℃を推移するものの、そんなことを感じさせない暖かい一日で、夕方まで薄着で問題ないほどでした。
休暇村ゲレンデでは5センチ程度、かもしかゲレンデでは10センチ程度の新雪でしたが、ツアーコース入口に差し掛かると30センチほどに増加し、足元にはその柔らかさが十分感じ取ることができます。2週間前の速報でお伝えしたときのクマザサは完全になくなり、雪の状態もかなり落ち着いた様子が見られます。それでも急斜面の上半分のブッシュが完全に隠れる所までの降雪はまだ見られず、シールで登る分にはルートを探しながらアプローチすれば何とか問題なく行けるものの、滑走においてはなんとかスキーをはずさずに降りて来ることができるもの、まだ良い状態とはいえません。
急斜面を登りきったあとのツアーコースは、シールでの登行も滑走も問題ありません。ただ、切り株などの地形の凹凸が完全に隠れていないため注意が必要です。さらに進んで位ヶ原急斜面手前の6番標識付近の大きなウェーブもまだかなり深い状態です。
ツアーコース最後の位ヶ原急斜面は、まだ背丈以上のブッシュで登りも下りも四苦八苦する状態です。ツアーコースの新雪は@〜D番標識区間の少ないところで10センチ、位ヶ原急斜面など多いところで30センチほどです。
正午の位ヶ原急斜面の気温はマイナス4℃、11時位から薄い雲が上空を覆うものの、それも午後になると再びなくなり、快晴の一日が続きます。そして、気温とは裏腹に本当に暖かな一日となりました。
12月から再び速報をお届けいたしますが、今日のような一日で今シーズンが始まったことをうれしく思います。今回も何人かの読者の方々にお会いすることができましたが、速報の4コマに掲載できなかった方には申し訳なく感じております。
なお、昨年と比べた積雪量はツアーコース入口付近はやや多く、位ヶ原急斜面付近はほぼ昨年並みと考えられます。ノリクラ雪渓カレンダー再開までは、速報にて冬の様子を少しでもお伝えできればと考えています。(2008/12/07 17:45更新)

【来シーズンの速報、及び、ノリクラ雪渓カレンダーの連載再開の予定】
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2008年12月から2009年3月までのウインターシーズンについては不定期で週末の状況をお届けする予定です。その後の春夏秋シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダー取材日に合わせて実施する予定です。
<ノリクラ雪渓カレンダー>
今シーズンの連載は2008年10月28日発行のVol.24が最終号となります。
来シーズンは、ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版は2009年3月中下旬頃から再開を予定し、ノリクラ雪渓カレンダー正式版は2009年5月中旬頃を予定しております。

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