ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.16(2004/08/28) A

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(Update:2004/09/02)

 

【高山植物】

ウラジロナナカマド

例年、ウラジロナナカマドの紅葉は9月なかばくらいからはじまりますので、大半のものはご覧のようにまだまだです。

 

ウラジロナナカマド(紅葉)

今週に入って早いものではご覧のように始まっています。大雪渓エリアのウラジロナナカマドは位ヶ原〜宝徳霊神バス停付近の紅葉のようにほぼ毎年きれいな色合いを見せることはなく、霜などの影響により全く見るに耐えない姿になってしまうことのほうが最近は多いようです。

今年はきれいな真紅を見せてくれることをきたしています。

イワオトギリ(紅葉) ミヤマダイコンソウ(紅葉)

ウラジロナナカマド以外の高山植物たちも早々と紅葉を始めています。左のイワオトギリは花期そのものが夏の終わりの時期ですので、大抵、花が終わると同時に紅葉が始まります。イワオトギリは例年この時期はまだ花の時期ですので、今年はいつもの年よりも1〜2週間ほど早く紅葉が訪れています。

ミヤマダイコンソウの紅葉はエリアによって大きなバラツキがありますが、今年は早いように感じます。ミヤマダイコンソウはなかなかきれいな紅葉にめぐり合えませんが、このくらいの紅葉度合いが一番きれいかもしれません。

 

ウラジロタデ(雄株) ウラジロタデ(雌株)

こちらのウラジロタデも花の時期はすっかり終わり、ご覧のように枯れ姿になっています。しかし花の時期ではなかなか見分けることが難しいものですが、この時期になると雌雄異株であるウラジロタデはご覧のように一目でその違いがわかります。穂先に赤い実をつけているのが雌株です。

巷で「タデ(蓼)食う虫も好き好き」という諺(ことわざ)があります。いったい「タデ」という植物はどんな味をしているのか?と想像される方もいらっしゃるかと思います。鮎の塩焼きなどで登場する「タデ酢」はヤナギタデをすりおろしたものに酢を加え、臭みのある魚料理に用いられます。また笹タデ(アオタデ)は茎葉全体からさわやかな香りと、ピリッと来る 辛みから鮎の塩焼きにそのまま添えられたりします。

いずれにせよその辛味からこのような諺が生まれ、古くから日本の食生活の中ではなくてはならない香辛料だったようです。

 

ヤマハハコ(花)

もう花の終わったものばかりかといえばそんなことはありません。こちらはヤマハハコ(山母子)。高山植物というよりも山野草といったほうがいいくらいの高山植物だと思います。乗鞍高原からシャトルバス乗り込み、三本滝ゲートの上にあるカモシカゲレンデ付近に差し掛かると元気のよい車掌さんが「真珠をたくさんつけたような白い花をヤマハハコ、先端にピンクの花がたくさん付いているのがヤナギランです。」 なんて教えてくれます。三本滝あたりのヤマハハコは1メートル近い大きなものですが、こちらのものは30センチ程度のものです。

このヤマハハコ、これとよく似た「ハハコグサ(母子草)」から由来していますが、ハハコグサは「セリ、ナズナ...」で有名な春の七草の一つです。3番目に登場する「ゴギョウ(オギョウ−御形)」は人形(ひとがた)のことを指し、母と子のペアの人形が多かったことがハハコグサの由来とされています。(ハハコグサの由来には他にも説があるようですが)

 

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