ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.17(2012/09/01〜02) D

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(Update:2012/09/06)

 

【雪渓上部 U】

雪渓上部左側 − 上級者のみ

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

したがって、8月下旬以降になって雪渓上部左側しか滑走エリアがなくなるとノリクラデビューは出来ませんので、初めての方は雪渓下部や雪渓上部右側が滑走できる8月中旬までにお越しになったほうが良いでしょう。

 

2010年の雪渓上部左側
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2010/09/04〜05) E
2009年の雪渓上部左側
2009ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2009/09/05〜06) D
2008年の雪渓上部左側
2008ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2008/09/06〜07) D
2007年の雪渓上部左側
2007ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2007/09/01〜02) E
=今週の積雪量は上端例年より多く、下端は例年並み=

2011年〜2007年までの様子と比較すると、上端は例年よりやや多く、下端部分は例年並みかやや少ない様子が見られます。

 

雪渓上部左側下端部分

こちらは雪渓下端部分

 

昨年の雪渓上部左側下端部分(落書きの岩)
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2011/09/01〜02) C
先週の雪渓上部左側下端部分(落書きの岩)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2012/08/24〜25) E
今週の雪渓上部左側下端部分(落書きの岩)
昨年よりも1週間近く早い雪解け

下端部分は先週から20メートル上昇していて、落書きの岩よりも10メートル上部に位置しています。昨年よりも1週間近く早い雪解けです。また、例年と比べてやや早いか同じと雪解け状況と考えられます。

 

モーグルラインは2本 − こちらは右側のライン

モーグルラインは新たに1本が新設されて、現在2本あります。こちらは従来からある右側(北側)のライン。

 

右側のモーグルラインスタート付近

スタート地点の上部には先週はほとんど見られなかった岩場が張り出してきて、コースはさらに短くなって行きます。

 

右側のモーグルライン − 長さ62メートル×13コブ(ピッチ4.8メートル)

ラインの長さ62メートル×13コブ(ピッチ4.8メートル)。先週の105メートル×22コブの半分近くまで短くなっています。

 

バーンが硬く、えぐれた形状 − コースアウト続出!

さらに気温10℃と冷え込んでバーンが硬くなり、コブの形状はかなりえぐれた状態となり、コースアウトするモーグラーが続出するほどです。

 

常連のモーグラーも歯が立たない...

「まともに滑られるラインではありません...」と、常連のモーグラーも歯が立たない様子...

左側のモーグルライン − 今週新たに作成されました

そして、こちらは従来のラインの左側(南側)に新たに作られたモーグルライン。

 

難易度の高いモーグルライン − 下部はかなりの急斜度に落ち込む

このラインを滑走される方はかなりの技術レベルを要求されます。作成されている位置は雪渓上部左側の中央部分で、ここは下部に向かって急激に落ち込んでいて、ゴール付近はかなりの急斜面です。さらには雪渓の下に岩場が待ち構えているという状況です。

 

下端部分はブーツのつま先が掛からないほど...

硬くなったバーンはブーツのつま先がかからないほどで、おそらく40度に近いほどの傾斜のあるバーンは登るのも一苦労です。

 

急斜面のハイクアップ

全体的に急斜面である雪渓上部左側の中でも、もっとも傾斜の強い箇所ですから、ハイクアップはかなりつらそうな状況です。

 

一休みしないと滑られません...

上端に到着しても、すぐに滑り出そうという方は誰一人いません。

 

到着するや否や倒れ込む様子も...

こちらの方は到着するや否や倒れ込んでいます。このラインの登りの辛さが大変なものであるかが良くわかる光景です。

 

「今日は25本滑るぞ!」 − 水を得た魚のよう...

「今日は25本滑るのが目標です。最終シャトルバスまでに間に合うかが心配です...」と、おっしゃりながら、休憩もそこそこにして滑り始めます。ノリクラであくせくと滑る必要はありませんが、「おいしいライン」にめぐり合えたりすると、まるで水を得た魚のような感覚となり、いつも以上にがんばってしまうものです。

 

スタート地点での長居は禁物! この付近は落石多発地帯

息も絶え絶えですぐに滑り出すことは困難ですが、ここでの長い休憩は厳禁です。上部の岩は隙間だらけで、いつ落石があってもおかしくない状態です。毎年いくつもの石が落下していて、定点撮影した昨年の画像と今年の画像では、「パズル」の位置が微妙に異なっているケースが多々あります。

 

ラインは雪渓上端から下端までびっしり刻まれる

スタート位置はもちろん雪渓上端ぎりぎりのところ...

 

左側のモーグルライン − 長さ77メートル×22コブ(ピッチ3.5メートル)

今回は濃霧で距離が測定できませんでしたが、コブの製作者の話では22コブ×3.5メートルピッチで作成されたとのことですので、全長は77メートルになります。

 

スタートからゴールまで完全にコントロール下で滑走 − 一瞬のミスが大怪我に...

このラインを普通に滑るだけでもかなりの技量が必要で、スタートからゴールまでどのターンもすべてコントロール下で滑走しなければならず、一瞬のミスで即転倒・滑落という事態となり、この急斜面では自らの意思で滑落を停止させることができず、岩場に激突という事態になります。

そのため、どんなにスキー技術があっても、このラインの滑走だけは、夏場から雪渓に通い続けている常連限定と考えてください。

 

こちらは上端部分。

 

昨年の雪渓上部左側上端
2011ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.17(2011/09/01〜02) C
先週の雪渓上部左側上端
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.16(2012/08/24〜25) E
今週の雪渓上部左側上端
この一週間の雪解けは高さ1メートル

この一週間の雪解けは高さ1メートルほどです。

 

昨年の雪渓上部左側上端
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2011/09/01〜02) C
先週の雪渓上部左側上端
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2012/08/24〜25) E

今週の雪渓上部左側上端 − 2010年の落石が現れる(赤丸)

上端の位置は先週から3メートルほど移動していて、画像手前は2010年に上部から落石した岩が雪面から頭を出し始めました。

 

昨年同期より3週間早い雪渓上部左側上端 − 落石の岩が現れる(→今週は昨年より3週間遅い雪解け)
2011ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.14(2011/08/11〜13) E

こちらは昨年同時期より3週間早い時期の様子。ちょうど今週と同じように2010年に落石した岩が見え始めています。昨年と比べて3週間も雪解けが遅いことがわかります。

 

下端部分まで108メートル、例年以下の長さ

雪渓上部左側下端までの距離は108メートル。2011年は濃霧で測定不能、2010年は102メートル、2009年は105メートル、2008年は125メートル、2007年は120メートルでした。例年よりやや短い状況となっています。 Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

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