ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.11(2008/07/26〜27) C
【高山植物】
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肩の小屋に向かう登山道は高山植物のハイシーズンを迎え始めています。
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シナノキンバイが満開 |
こちらは先週つぼみだったシナノキンバイ。ご覧のように満開の状態を見せてくれます。
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誰もがここで立ち止まります |
山頂へ向かうには畳平から肩の小屋への専用道を進み、肩の小屋から始まる登山道を朝日岳の裾野を登って行くルートが一般的ですが、大雪渓入口にある肩の小屋口バス停を降りて、大雪渓の北側を沿うように肩の小屋に進むこちらのルートは高山植物に関心をお持ちの方にはお勧めのルートです。高山植物を見つけるたびにシャッターを切っていると、肩の小屋まで25分と標識で示されていますが、倍以上かかってしまうかもしれません。
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記念撮影 − 中々、先に進むことができません |
シナノキンバイの前で記念写真を撮影されるこちらの方もなかなか足を先に進めることができない様子。
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虫たちも一斉に活動開始 |
シナノキンバイに群がるのは登山者ばかりではありません。ご覧のように虫たちも短い夏の時期に一生懸命働きます。ハチの一種だと思いますが、日中、気温が上昇すると顔や目に向かって飛んできます。刺すことはありませんが、その「歓迎ぶり」には閉口します。
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大輪の花は萼 − 本当の花弁は雄しべに隠れた小さなオレンジ片 |
シナノキンバイの大きな花弁が萼(がく)であることは有名です。花を裏から見れば茎に黄色の花弁が直接ついていて、一般的に知られる緑色の萼がないことから、この黄色の花弁そのものが萼であることがわかります。本物の花弁は右の画像の無数にある雄しべと大きな萼の間に見えるオレンジ色をしたものです。花粉を集める虫たちはそんなことを良く知っているせいか、オレンジ色の花弁には一切手を出しません。
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コケモモ | 数輪ずつ寄り添うように咲く |
こちらはコケモモ。これまでにも何度も紹介しておりますが、ご覧のように葉と花の大きさは同じくらいで数輪ずつ寄り添うように咲いています。
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イワウメ | 一輪ずつ咲く − 葉よりも花のほうが大きい |
そして、こちらはイワウメ。同じように岩場に張り付くように自生し、葉の形もよく似ていますが、こちらのほうは葉よりも花のほうが圧倒的に大きく、その花は一輪ずつ分布してしっかりと上を向いて咲いています。その花の姿かたちはご覧のように梅の花とそっくりですね。
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キバナシャクナゲ − 葉芽(左)とさく果(右) |
キバナシャクナゲ。右の赤いものは花が終わった所でさく果ができ始めています。左のものは葉芽。
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葉芽と花芽が一緒の枝先に |
ツツジとシャクナゲは同じ仲間で、葉芽と花芽が別々につき、葉が厚い皮質の多年生のものをシャクナゲと呼ぶようですが、ご覧のように同じ枝先に葉芽と花芽を付けているキバナシャクナゲもあるようですね。
【雪渓上部 T】
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雪渓上部全景 − 上部は昨年並み、下部は1週間ほど遅い |
こちらは雪渓上部。先週と同様、上部は昨年とほぼ同じ状況ですが、下部は昨年より1週間近く遅い雪解け状況です。
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雪渓上部右側 |
こちらは雪渓上部右側。まだまだ十分な広さがあります。画像左上に雪渓上部を左右に分ける尾根が見えます。先週の段階では中間の岩場と上部が分かれていましたが、ご覧のように上部と結合するようになって来ました。この部分に関しては次のページにてお伝えします。
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リフト土台 − 昨年よりやや遅い雪解け | 雪渓上部から雪渓中段への連絡部分 −昨年並み |
雪渓上部右側の右下(北東)付近にあって雪渓中段の上部に位置するリフト土台は先週から姿をあらわすようになり、今週は2メートル近くまで高くなっています。先週と同様、昨年よりもやや遅い雪解けです。また、このリフト土台から雪渓中段への連絡部分は右の画像のように十分なエリアがあり、雪渓上部右側から雪渓中段を経て滑り降りることはまだ可能です。こちらに関しては昨年並みの状況です。
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ポールレッスンに最適な斜度のバーン |
雪渓上部右側は中斜面のバーンレイアウトで比較的横幅もあって数レーンのポールコースを設置することが可能です。今回もいくつかのグループの方々がポールレッスンを行っていました。
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一本一本を大切に滑ることが必要 |
ノリクラでのレッスンは果敢に攻めてタイムを競うというよりもスキー操作や体の使い方といった基礎的なレッスンが最適かもしれません。ウインターシーズンに入り、リフトで何本も滑走できる環境とは異なり、一本一本を大切に滑るからこそ頭と体で一生懸命考えながら滑り、一本の滑走を無駄にしないという考え方に変わってくるからです。
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雪渓上部右側の上端 − 昨年とほぼ同じ状況 |
こちらの雪渓上部右側の上端部分は先週より高さで1メートルほどの雪解けが見られます。先週と同様、昨年とほぼ同じ状況です。
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上端から − 大雪渓下端まで465メートル |
上端から大雪渓下端(大雪渓入口)までの距離は465メートル。先週あたりから画像の中央付近に雪渓上部の下端の岩が見えるようになってきて、今週ははっきりと雪渓上部と下部を分けるようになって来ました。その岩場までの距離は265メートルそして、すこし左にある小さな岩場がリフト土台でここまでは230メートルです。(→ Next)
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