ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.13(2009/08/08〜09) C
【雪渓中段】
雪渓中段 |
雪渓下部の北端のモーグルコースの岩と南端の石碑の岩の間を上がったエリアで、雪渓上部の雪渓下部を結ぶ緩斜面です。
雪渓下部と分離しました |
ご覧のとおり、かなり雪解けが進んできて、先週までは雪渓下部とつながっていましたが、今週は完全に分離しています。
登山道から雪渓縁まで15メートル |
周辺の岩の高さは2メートル前後 |
こちらは雪渓中段の北端に位置する肩の小屋への登山道。雪解けが進み、雪渓までの距離が伸びてきて、15メートルほど離れています。また、雪渓上端部分は、高さ2メートル前後の岩に覆われています。
雪渓の大きさは、長さ61メートル×幅25メートル |
雪渓の大きさは、長さ61メートル×幅25メートル。先週と同様、昨年より、一週間早い雪解けを見せています。(昨年は76メートル×23メートル)
雪渓中段全景 |
雪渓中段は、現段階では、滑走できないことはありませんが、次週末には、長さも幅も滑走できない状態となると考えられます。また、右の画像の上半分は、先週の段階で、完全に積雪がなくなりました。
【高山植物】
大雪渓エリアの高山植物も、開花のピークを迎えつつあります。
チングルマ(花) | ジムカデ(実) |
チングルマが咲き乱れる大雪渓エリアをよく見ると、その脇には、ジムカデがすでに実をつけています。どの高山植物でも、芽吹き→開花→結実というサイクルを経るわけですが、種によって、その時期が少しずつ違うことから、いろいろな高山植物を長いスパーんで楽しむことができます。
また、自生するエリアも、種によって異なるため、そんな点に着目するのも面白いかもしれません。ジムカデは、ご覧のような砂礫地以外にも、岩の隙間のような場所にも見られますが、チングルマは、そのような場所には、あまり多くありません。
コバイケイソウ(花) − 頂枝の花と側枝の花 |
こちらは、コバイケイソウ。現在、開花のピークを迎えています。コバイケイソウは、頂枝の花の集団と、側枝の花の集団の二つに分類されます。
側枝は雄花だけ | 頂枝は両性花 |
よく見ると、頂枝につく花は、中心の緑の芯がありますが、側枝の花には、それがありません。中心の緑の芯は、雌しべで、頂枝の花は、両性花で、側枝の花は、雄花であることがわかります。そのため、コバイケイソウによってくる虫たちも、よく観察すると、頂花に訪れる回数の方が、多いように見受けられます。
ハイマツ(実) |
こちらは、ハイマツ。ご覧のように実(マツボックリ)ができていますが、これは昨年結実したものが、冬を越して一年経過してここまで大きくなりました。
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ハイマツ(花) − 花粉が飛び始める |
そのすぐ隣には、今年の花が見られます。中心の上に伸びる雌花と、その周辺の赤い部分の雄花が見られます。そして、雄花からは、黄色の花粉が飛び始めようとしているところが観察できます。そして、前述のマツボックリができるのは、今後、結実して、冬を越した一年後となります。
モミジカラマツ(花) |
まだまだ、数は少ないものの、モミジカラマツも開花を始めました。花がカラマツソウ。葉がモミジであるところから命名されています。大きな葉が特徴ですが、周辺の高山植物よりも、少しばかり、葉が白っぽいので、花が咲いてなくても、その存在は目立つものです。
ヨツバシオガマ(花) |
そして、車道の沿線でも、高山植物の開花が普通に見られるようになって来ました。ピンクが映えるヨツバシオガマが咲くと、大雪渓エリアでは、夏のピークを迎えたと感じさせてくれるもの。
ヨツバシオガマ |
花も派手で見栄えのするヨツバシオガマですが、「葉まで」美しいところから「シオガマ」と、呼ばれています。言葉遊びとも思えるような命名も、よく知られているものです。(→ Next)
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