ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.2(2010/05/22〜23) @
【大雪渓】
先週の ノリクラ雪渓カレンダーVol.1(2010/05/14〜15) では、今シーズンは積雪が多いと感じましたが、この一週間は気温の高い日が続き、かなり雪解けが進んでいます。それでも積雪量が多いことには違いはなく、今後の積雪量の推移はこの一週間の天候・気候だけでは決められません。
5月22日(土)は、岐阜県側の乗鞍スカイラインから現地へ向いました。早朝は綺麗な青空が見えていましたが、10時ごろから上空から青空がなくなります。それでも少し薄日の差す曇り空のまま、一日安定した天候が推移し、ほとんど風のない穏やかな状況とはっきりと遠景が眺められ、山頂や稜線付近でゆっくりと休憩していても全く問題ない状況。そして、今日はお昼を過ぎても稜線に向けて、スキーヤー・ボーダーの方々が絶え間なく登ってこられ、一日中、賑わいを見せていました。
そして、翌日5月23日(日)は終日雨、長野県側の春山バスは通常通り運行されたものの、岐阜県側の乗鞍スカイラインは積雪のため通行止めとなりました。位ヶ原から乗鞍高原に滑り降りるツアーコースもかなり雪解けが進んで滑走が困難な状況となってきました。
それでは乗鞍スカイラインから大雪渓・稜線方面の状況とツアーコースの様子をお届けします。
【5月22日(土)、ほおのき平駐車場】
こちらは岐阜県側の乗鞍スカイラインのシャトルバス乗り換え駐車場であるほおのき平駐車場。
早朝6時を過ぎる頃になると、しっかりとした朝日が差し込むようになり、綺麗な青空が広がります。気温は12℃、穏やかな陽気の朝を迎えます。
6時の時点で駐車場には25台ほどの車がお越しになっていて、準備を整えたスキーヤー・ボーダーの方々が順次バス乗り場へやってきます。
乗鞍スカイラインのシャトルバスの開通とともにノリクラのシーズンが始まるというスキーヤーの方も多く、ツアーコースから位ヶ原など上部エリアへシールなどで歩いて向かっていたウインターシーズンの頃は、どちらかというとバックカントリーに必要な装備を携えた方々ばかりでしたが、このシーズンともなると、スキーのトレーニングのためにノリクラ入りするレーサーの方の姿も見られるようになり、季節の移り変わりとともに、お越しになる方のスタイルにも変化が見られるものです。
これから向かう畳平の気温は2℃。この時期としては例年並の気温といえます。そのため夜間凍結の恐れもあり、乗鞍スカイラインでは切り立った雪の壁から流れ出た雪解け水が路面上で再氷結することから、早朝は通行止めとなることがあります。特に5月中は凍結により始発便の運行ができない日が多々ありますので注意が必要です。
そして、今日は天候が良いため、シャトルバスは通常ダイヤであるAダイヤでの運行です。
6時55分の始発便発車時刻前が近くなって、シャトルバスが到着します。
スキーなど長尺の荷物はバスのトランクへ...バスの定員は補助席まで利用して53名ですが、トランクには人数分のスキー板を収納するだけのスペースがありません。シャトルバスではそのような事例はありませんが、長野県側の春山バスの場合、大半がスキーヤー・ボーダーの方々が占めることから、トランクが一杯となってしまうため、座席に余裕があっても乗車できないケースもあります。
順次、バスの車内へ乗り込みますが、今日は補助席まで利用して、きっちり53名の乗車です。
それでは満席のシャトルバスは畳平へ向けて出発です。
【乗鞍スカイライン】
ほおのき平駐車場より国道158号線を約4kmほど進んだところから旧道に入って、乗鞍スカイラインの入口がある平湯峠へ向かいます。
旧道の沿道にはまだ桜が咲いている様子が見られます。ちょうどこの日(5月22日)は、北海道の稚内で桜の開花が発表され、桜前線が北端まで達したことが報じられました。
標高が1500m付近のこの地域の気候は、北海道並みの春の訪れということがいえます。
平湯峠 − 乗鞍スカイライン入口 |
そして、こちらは標高1648mの平湯峠、乗鞍スカイラインの入口です。標高2702mの畳平までは14.4kmの道程です。
⇒ | ||
先週の平湯峠付近 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2010/05/14〜15) D |
今週の平湯峠付近 山肌の雪がほぼなくなる |
先週は数日前の降雪で山肌が白くなっていた平湯峠付近も、この一週間でほとんど雪景色は見られなくなりました。
昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近) 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2009/05/23〜24) @ ↓ |
先週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近) ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2010/05/14〜15) D ↓ |
マイカー規制前にあった夫婦松料金所を過ぎた4kmポスト付近の様子。沿道には積雪が見られます。先週と比べるとかなり雪解けが進んでいますが、それでも昨年よりも多い状態です。
昨年の猫の小屋跡地 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2009/05/23〜24) @ ↓ |
先週の猫の小屋跡地 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2010/05/14〜15) D ↓ |
さらに進んで、こちらは標高2000m付近の猫の小屋跡地。先週はヒトの背丈ほどあった雪の壁もかなり小さくなっています。こちらもやはり昨年以上の積雪です。
森林限界を超えて... | 遠景の山並みが一望(笠ヶ岳) |
猫の小屋跡地を過ぎると森林限界に達し、沿道からは遠方の山並みがはっきりと見られるようになります。ほぼ真北に見られるこちらの山は笠ヶ岳。左右に均等に裾野を広げています。槍ヶ岳と見間違える方もいらっしゃいますが、槍ヶ岳はもう少し右(東)の方角にあって、形状はもう少し尖っています。穂高のすぐ左といったほうが良いでしょう。
⇔ | ||
昨年の烏帽子岳 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2009/05/23〜24) @ |
今回の烏帽子岳 昨年並み |
|
⇔ | ||
昨年の四ッ岳カーブ 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2009/05/23〜24) @ |
今回の四ッ岳カーブ 昨年並みかやや少ない |
「乗鞍岳」は剣ヶ峰をはじめとする23ある峰々の総称で、森林限界を超えて最初に目に飛び込んでくる乗鞍の峰は烏帽子岳。ほぼ昨年並みの積雪です。そして、下段の画像は乗鞍スカイラインで最も高い雪の壁の中を進む四ッ岳カーブ。昨年並みかやや少ない状況です。
四ッ岳カーブを過ぎてしばらく進むと、乗鞍スカイライン終盤の桔梗ヶ原へと進み、剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳といった一般的に目にする機会の多い峰々が遠方に見られるようになります。
なお、中央にこんもりと見える山は畳平の西にある恵比寿岳です。こちらも乗鞍の23峰の一つです。そして、その手前に台形状に広がる山が魔王岳、畳平から歩いて数分であることから、最も手軽に登ることができます。
⇔ | ||
昨年の鶴ヶ池雪渓(岐阜県側スキー滑走指定地) 2009 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.2(2009/05/23〜24) @ |
今回の鶴ヶ池雪渓(岐阜県側スキー滑走指定地) 昨年並みかやや多い |
その魔王岳の北側に広がるのが、岐阜県側で唯一スキー滑走指定地とされる鶴ヶ池雪渓。昨年と比較するとほぼ同じかやや多い積雪を見せています。
鶴ヶ池雪渓を過ぎると、乗鞍スカイライン終点の畳平に到着です。(→ Next)
Copyright (C) 乗鞍香辛料監視委員会 |
|