ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.15(2010/08/21〜22) C
【雪渓中段】
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雪渓中段 |
雪渓下部の北端のモーグルコースの岩と南端の石碑の岩の間を上がったエリアで、雪渓上部の雪渓下部を結ぶ緩斜面です。
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前年同時期より二週間早い画像
−今週とほぼ同じ状態 |
こちらは前年同時期より二週間早い画像。ほぼ同じような状況を示し、今週は昨年よりも二週間遅い雪解け状況であることが分かります。
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中央の大岩 −周辺の雪解けが終わる | 積雪は雪渓中段の右側部分のみ |
左側の画像は前述の画像の中央にある大岩。先週の段階で岩の左側の雪解けが終わり、今週は大岩周辺の雪解けがほぼ終わりました。そのため、雪渓中段に残っている積雪は大岩の右側と登山道との間に挟まれた部分のみとなっています。
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雪渓中段北側 − 登山道付近 |
こちらは雪渓中段北側にある肩の小屋への登山道付近。雪渓と登山道との間は先週の10メートルから21メートルと倍になっています。右の画像は上端部分です。三週間前まではこれよりさらに上部まで積雪がありましたが、現段階では下半分しか残っていません。
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幅20メートル×長さ55メートル |
雪渓中段の大きさは幅20メートル×長さ55メートルで、昨年より二週間ほど遅い雪解け状況です。
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雪渓中段全景 − 下半分は昨年より二週間遅い |
雪渓中段は他のエリアから隔離されているため立ち寄ることができない状態となっています。
【高山植物】
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ここからは高山植物の様子をお伝えします。
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シナノオトギリ − 葉の赤い斑点は弟を斬った返り血 |
こちらはシナノオトギリ。つぼみの頃は赤いものの、開花するとご覧のような黄色の花となります。オトギリソウは薬草としても知られており、その昔、オトギリソウから妙薬が得られることを他言した弟を、仲の良かった兄が斬りつけたという伝説が、その名の由来とされています(弟切草)。そして、葉に点在する赤い斑点はその返り血と呼ばれています。
セイヨウオトギリソウはハーブとして用いられたり、その成分はサプリメントとして利用されるケースがありますが、国によっては毒草として扱い、牧草地などに自生したオトギリソウを家畜が接種した場合、過敏症などの影響があるとも言われています。
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黄色の高山植物 − ピークはウサギギクからミヤマアキノキリンソウへ |
黄色の高山植物も多種にわたって咲き誇り、花期のピークはウサギギクからミヤマアキノキリンソウへとシフトしつつあります。
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こちらはコウメバチソウ。
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雄しべが開いていない(左)、雄しべが開いている(右) |
この二枚の画像の違いがお分かりでしょうか?左の画像は雄しべが開いていませんが、右の画像では雄しべがほぼ完全に開き、その中心に花柱が見られます。ですから、両方の画像にある雄しべと錯覚する細いひげのようなものは仮雄しべ、この仮雄しべの分裂数によって、ウメバチソウ、コウメバチソウ、エゾウメバチソウに分類されます。
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モミジカラマツ |
これから花期のピークを迎えるのがこちらのモミジカラマツ。カラマツソウのような花とモミジのような葉の組み合わせからこのように呼ばれています。
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白い花糸は全て雄しべ − 花弁はありません |
この白い花糸はすべて雄花。花弁はなく萼も開花すると落ちてしまいます。良く見ると一本一本の花糸の先端に花粉をつけた葯(やく)を見ることができます。(→ Next)
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