ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.20(2010/09/24〜26) B
【雪渓下部】
ここからは雪渓下部の様子をお伝えします。
雪渓下部の積雪は二週間前の段階で完全に雪解けが完了しています。こちらは大雪渓入口から雪渓上部に向かうスキーヤー専用道。
先週と同様に、ウラジロナナカマドに真っ赤な実がなっている様子が見られます。そして、そのウラジロナナカマドの葉を見ると、ご覧のように一部紅葉が進んでいるのがわかります。実が赤くなって翌週には紅葉の段階にとなりましたが、ほかのエリアのウラジロナナカマドでは実ができてから紅葉まで一ヶ月以上の時期の開きがあるのが普通です。
大雪渓エリアで最初に頭を出す岩はモーグルコースの岩で、こちらは大雪渓エリアで二番目に頭を出す石碑の岩。
こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。数週間前から部分的に紅葉が始まりましたが、今週もほとんど変化が見られません。昨年はこの時期にほぼ真紅の色合いを見せてくれていました。かなり経過が遅い状況です。
石碑の岩の周辺の様子ですが、先週よりも紅葉が進んでいることが良くわかります。ただ、昨年よりも一週間以上遅い状況であることは変わりありません。色合い的にもはっきりと真紅となったウラジロナナカマドはまだほとんどない状況です。
【高山植物】
そろそろ高山植物も季節が終わりになって来ました。
こちらはミヤマキンバイの紅葉。例年なら真紅に輝く様子をお伝えすることができるはずですが、今年は猛暑の影響を受けているのか、高山植物の紅葉も遅れています。
こちらはミヤマアキノキリンソウ。大雪渓エリアでは一ヶ月以上にわたってあちこちで花を見ることができます。
そのミヤマアキノキリンソウもそろそろ花期が終わりに近づいています。そして、そんな秋に備えて、葉が赤く紅葉を始めました。これ以上、真紅になるものはほとんどなく、おそらく、この状態がピークに近い状態でしょう。
草原 − ミヤマクロスゲ | モミジカラマツの紅葉 |
そして、先週もお伝えしたミヤマクロスゲの草紅葉がそろそろ始まってもおかしくありませんが、その中にモミジカラマツが紅葉を始めています。モミジカラマツという名称のように、葉がモミジに似た形状をしていて、花がカラマツソウに似ています。ただ、肝心の葉のほうはモミジのようにしっかりと紅葉することは大雪渓エリアでは近年はまれで、ご覧のように少し黄色くなりかけたところで枯れてしまうケースが多いようです。
コイワカガミが全身を暗紫色に変色させ、チングルマが綿毛をなびかせています。秋の風景そのものですが、そろそろチングルマも紅葉を見せてくれてもおかしくありません。
そんな傍らに花を咲かせるのはトウヤクリンドウ。緑のストライプが特徴のこの花は、雪解けと同時に新芽をあらわし、他の高山植物の花期がほとんど終わった頃になってようやく開花します。
一番早く芽吹いて一番遅く花を咲かせる...大雪渓エリアを全シーズンにわたって見続けているのでしょうか?(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
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