ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.6(2014/06/14〜15) D

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(Update:2014/06/19)

 

【稜線へ】

それでは肩の小屋から稜線に向けて出発します。

 

ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 山頂版(別ウインドウ)

肩の小屋より稜線方面の概要は、ノリクラガイドマップ 春〜夏スキー 山頂版 をご覧ください。なお、ツアーコースの状況については、ノリクラガイドマップ 冬〜春スキー版 をご覧下さい。

 

大雪渓・山頂方面全景

最初に全体の滑走コースの状況概要をお伝えします。

【ルート@ 山頂直下】 山頂直下はコース上に岩場がでて、すでに滑走できない状態です。
【ルートA 蚕玉岳直下からストレートに降りるコース】 例年、コースを分断する岩場が今週になって頭を出し始めました。しかし、県道乗鞍岳線までの約1kmのロングランを楽しむことができます。下部でバーン表面のピッチが若干気になります。
【ルートB 蚕玉岳直下から大雪渓方面へトラバースするコース】 岩場が頭を出し、下山滑走はできません。したがって、ルートAで県道乗鞍岳線まで滑り降りて、車道を歩いて大雪渓駐車場へ戻ってください。
【ルートC 蚕玉岳〜朝日岳稜線からのコース】 問題なく滑走可能です。黄色の×印の箇所ににクレパスがありますのでご注意ください。

 

登山道を進む 登山道以外はハイマツに阻まれて登ることができない

それでは肩の小屋から登山道を進みます。左の画像のように登山道以外の場所はハイマツに阻まれて、登ることができません。特に袋小路に積雪が残っているところでは要注意です。

 

昨年の肩の小屋〜山頂の登山道@(同時期の3週間前)
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) D
先週の肩の小屋〜山頂の登山道@
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) D
今週の肩の小屋〜山頂の登山道@
昨年より3週間遅い雪解け

この付近は肩の小屋から稜線までの区間を3分の1程度進んだあたり。大雪渓付近など肩の小屋より標高が若干低い箇所では、昨年より積雪量が少ない状態が見られましたが、肩の小屋付近から積雪量が多くなってきます。それと同様に、稜線へ登山道でも同じ傾向が見られます。

左の画像は昨年同時期の3週間前のもの。下の今週の画像とほぼ同様の状況です。そのため、今年は昨年よりも3週間近く雪解けが遅いことがわかります。

 

昨年の肩の小屋〜山頂の登山道A(同時期の3週間前)
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) D
先週の肩の小屋〜山頂の登山道A
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) D
週の肩の小屋〜山頂の登山道A
昨年より2〜3週間遅い雪解け

こちらは肩の小屋から稜線までのちょうど中間付近。左の画像は昨年同時期の3週間前。下の今週よりも積雪量が多い様子が見られるものの、さらに1週間後の昨年同時期の2週間前は、周辺の積雪が全くなくなる状況となってしまいました。

そのため、昨年よりも2〜3週間雪解けが遅いということになります。

 

霧が抜けて...

取材一日目の6月14日(土)は、午後になって周期的に霧が抜けるタイミングが見られるようになって来ました。霧の切れ間からのぞく乗鞍高原方面は日差しが燦々と降り注いでいて、どうやら天候が悪いのは山頂付近だけのようです。

 

稜線から大雪渓方面 − まだ十分な広さ、昨年より2週間遅い雪解け

そして、こちらは稜線から大雪渓方面へ滑りこむエリア。雪解け共に狭まってきますが、今年はまだ十分な広さがあります。右の画像は一番狭くなった箇所ですが、昨年より2週間遅い雪解け状況です。

 

稜線付近 − 登山道の一部が現れる、昨年より3週間遅い雪解け

稜線付近はこれまで岩の頭など全くありませんでした。今週になって登山道の一部が姿をあらわしました。昨年より3週間遅い雪解け状況です。

 

【稜線】

こちらは蚕玉岳(こだまだけ)〜朝日岳の稜線。画像の左側が蚕玉岳山頂(標高2979メートル)に続き、画像右側が朝日岳山頂(標高2975メートル)に続いています。今年はまだまだびっしりと積雪が残っていますが、昨年は左半分がの積雪が完全になくなっていました。

 

天候の回復をまって午後から行動 − 計算どおり青空が広がる

こちらのお二人、午前中は天候の回復を待ってから登り始めたとのこと。今日はそのような行動パターンを採る方が多かったようです。そして、計算どおりに青空が広がり始めて、じっくり待った甲斐があったというものです。

 

背後で雷鳥の鳴き声 − 「初めて雷鳥見ました!」

後ろの朝日岳で雷鳥の鳴き声が...岩の上にはオスの雷鳥が周囲を警戒しています。お越しになったお二人も「初めて雷鳥見ました!」と、少しうれしそうなご様子。計算どおりに青空に恵まれ、雷鳥にも出会うことができて、いいこと尽くめ...

 

今年は積雪量が多く、ほとんど岩場が見られない

例年なら、そろそろ、岩場が気になる時期になっていますが、今年は積雪量が多く、ほとんど岩場が見られない状況。どこをどのラインで滑っても問題ありません。

 

好きなフォールラインを選んで、自在にターンを操る

好きなフォールラインを選んで、自在にターンを操る...こんなシチュエーションばかり滑っていると、ゲレンデのような規制されたところだと、きっと滑りにくい感覚を覚えるのではないでしょうか?

 

昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) E
先週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) D
今週の蚕玉岳〜朝日岳稜線
2012年に次いで多い積雪量

こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。昨年よりも明らかに積雪量が多いことがわかります。過去に遡って見ると、先週と同様、2012年に次いで多い状態です。また、2012年より1週間早い雪解けで、昨年(2013年)より1週間遅い雪解けです。

 

昨年の権現ヶ池
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) E
今週の権現ヶ池
ほぼ例年並の積雪量
昨年の朝日岳
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) E
今週の朝日岳
ほぼ例年並の積雪量

上段は御岳の二ノ池に次いで国内二番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)で下段は朝日岳です。これまで例年よりも積雪量の多い状況でしたが、今週は雪解けが進んでいます。そのため、先週の段階では、権現ヶ池・朝日岳の両方とも、最も多かった2010年に次ぐ積雪量でしたが、今週はその次に積雪量の多い2012年よりも少なくなり、2009年とほぼ同じ状態で、過去5年間を平均すれば、ほぼ例年並の状況です。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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