ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版
Vol.5(2015/04/18) B
【ツアーコースT − 入口急斜面】
ツアーコース入口 |
ツアーコースは標高2000メートルの入口から、標高2500メートルの位ヶ原までの約2kmの樹林帯を切りとおして作られたバックカントリーコースです。
数日前の降雪は数センチ − 全面真っ白 |
気温は6℃、汚れた春雪が数日前の降雪で真っ白におおわれています。積雪は数センチ程度。ただ、時刻は9時過ぎですが、バーンがまだ固く締まっていて、上層の新雪と下層の春雪との境目まで掘ることができません。ですので、実際には新雪部分の積雪はもう少し多いかもしれません。
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昨年のツアーコース入口急斜面 2014ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.5(2014/04/19) B |
今週のツアーコース入口急斜面 |
こちらは入口急斜面の全景です。昨年の画像と比べて、それほど大きな違いは見られません。
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昨年のツアーコース入口急斜面 −
切り株の頭(右下) 2014ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.5(2014/04/19) B |
今週のツアーコース入口急斜面 まだ切り株の頭は見えない − 昨年よりも積雪量が多い |
それでも場所ごとに個々に見比べると違いを見つけることができます。ツアーコースは樹林帯の木々を切り倒して作られていて、大きな切り株が点在しています。左の昨年の画像では、切り株の頭が見え始めていますが、右の今週の画像ではまだ切り株は確認できません。昨年よりも積雪量が多いことがわかります。
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先週の最上部の様子 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) B |
今週の最上部の様子 |
こちらは最上部の様子を先週と比較します。ほとんど変化はありません。おそらく降雪のため雪解けが抑えられているものと思います。先週の段階では、昨年より1週間早い雪解けを示していたものの、前述の切り株の様子からもわかるように、昨年よりも雪解けが遅い状態になりました。しかし、一時的な降雪によるものですから、実際には昨年よりも積雪量が多い状態かどうかは、今後の雪解け状況を見ないとわからないと思います。
ツアーコースの下山滑走は5月中旬ごろまで (積雪情報は当WebSiteで随時発信) |
ツアーコースの滑走可能時期は、例年5月中旬頃までです。雪解けが最も早いのはこちらの画像の入口急斜面ですが、雪解けが進むと雪の下に横たわっていたブッシュが起き上がり、人の背丈以上の密林状態になってしまします。とても歩いて下山できる状態ではありません。そうかといって、ここから再び登り返すわけにも行きません。
そのため、当WebSiteでは、4月下旬ごろからツアーコースやその下部のかもしかゲレンデの積雪状況をお伝えしておりますので、入山時にご覧くだされば参考になるかと思います。なお、ツアーコースでの下山滑走ができなくなった後は、位ヶ原山荘より乗鞍岳春山バス下り便に乗車して下山してください。
【ツアーコースU − 1〜6番標識付近】
気温6℃ − 額からは大粒の汗が |
入口急斜面を登りきった先のツアーコースは、比較的なだらかなルートが続きます。10時の気温は6℃、普段は無風ですが、今日はやや強めの風がツアーコース内を吹き抜けます。気温がプラスを示すようになると、行動中はアウターは不要で、むしろ暑さを感じるものです。こちらのお二人も木陰を求めて休憩され、額からは大粒の汗が噴き出しています。
今日は初めてノリクラにお越しになったとのことで、「今日は行けるところまでと考えていますが、雷鳥を見ることはできますか?」
一年のうち、最も雷鳥に遭遇しやすいのはこれから5月中にかけてで、縄張り争いのため、オスの雷鳥同士が空中戦を繰り広げ、最も活発に活動する時期に入ります。また、岩の頭にじーっと立っていて、外来者の侵入を監視していますので、かなりの確率で発見できると思います。
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先週の1番標識付近 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) B |
今週の1番標識付近 先週と変わらず − 降雪で雪解けが抑えられた |
4月に入って雪解けが激しく進んでいましたが、今週は降雪で雪解けが抑えられ、1番標識では先週と同じ状態を保っています。
ボヤ〜とした春霞の空 |
雲一つない快晴ですが、薄いベールがかかった状態で、くっきりとした青空ではありません。近景の鉢盛山は確認できるものの、その奥にあるはずの八ヶ岳方面は全く見えず、ボヤ〜としていて、しっかり晴れていても霞んだ感じは春の空です。
昨年の3番標識付近 2014ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.5(2014/04/19) B ↓ |
先週の3番標識付近 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) B ↓ |
今週の3番標識 先週より35センチ減少 昨年より30センチ少ない |
こちらはツアーコース中間付近にある3番標識。左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週より35センチ減少して、昨年より30センチ少ない状態です。今週は降雪のために、積雪量が回復した場所が多くみられますが、3番標識付近はそのような様子は見られません。それでも、先週から見られるようになった3番標識付近の切り株の大きさが先週と変わらなかったので、降雪により雪解けが抑えられていると思います。
「静かなノリクラを楽しむことができるのも、今週で最後だと思って来ました。」 |
位ヶ原から滑り降りてきたこちらの方。「ツアーコースから位ヶ原に出た途端、すごい風で、急に冷え込んできたので下山しました。来週から春山バスが運行される予定なので、静かなノリクラを楽しむことができるのも、今週で最後だと思って来ました。」とのこと...
乗鞍岳春山バスの運行が延期されたことをお伝えすると、「えっ、そうなんですか!じゃ〜来週も来ようかな...(笑)」
ほかの方にお話をお聞きすると「来週からにぎやかになるから、静かなノリクラは今週が最後なので来ました。」と、おっしゃる方が何人もいらっしゃり、「静かなノリクラ」は大きな魅力になっているようです。
昨年の5番標識付近 2014ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.5(2014/04/19) B ↓ |
先週の5番標識付近 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) B |
今週の5番標識 先週とほぼ同じ 昨年より10センチ少ない |
こちらはツアーコース上部付近の5番標識。3番標識の画像と同様に、左上は昨年同時期で右上が先週のものです。先週とほぼ同じで、昨年より10センチ少ない状態です。
3番標識では、先週の段階で今年初めて昨年よりも積雪量の少ない状態となりましたが、5番標識は4月に入ってからは昨年よりも少ない状態になってしまいました。それでも、先週と比べれば、昨年との差が少なくなっていて、やはり、数日前の降雪の影響が表れています。なお、厳冬期は昨年よりもかなり多い積雪状態が続き、今年の最大積雪量は1ヶ月前の3月中旬(取材日3月14日(土))に計測でき、5番看板が80センチも埋没しました。もちろん、これが過去最高の積雪量でした。
柔らかな春空 − 歩くスピードものんびりと |
柔らかな春空のもと、歩くスピードもなぜか少しだけのんびりと...
「雪崩の心配はありますか?」 |
「富士見沢はどうでしょうか?屋根板の雪崩は心配ないですか?」これからの時期は一般的には全層雪崩が心配されますが、ノリクラにおいては大規模な全層雪崩は、知る限りでは確認されていません。ただ、乗鞍岳春山バスの運行が始まり、多くの方が同じトレースで移動すると、雪崩の懸念は払しょくされません。
ノリクラガイドマップ冬スキー版 では雪崩多発場所を表示してありますので、春山バスでお越しの方も是非確認していただき、できる限り、多発地帯には進入されないことをお勧めします。
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昨年の6番標識手前の谷 2014ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.5(2014/04/19) B |
今週の6番標識手前の谷 |
5番標識を過ぎて6番標識付近に差し掛かると、ウェーブ状になった箇所があります。この画像を見る限り、ウェーブになっていることは全くわかりませんが、積雪がまだ少ない1月までは、往来するのに苦労するほどの谷になっています。この谷が埋まるのは2月以降で、春スキーにしかお越しになったことのない方が初めて厳冬期のツアーコースにやってくると、必ず閉口する場所で、特に年末年始ごろはここを通過するだけでかなりの時間を必要とするほどです。
しかし、今年は積雪量が増加するのが早くて、1月中下旬には、ほとんど問題ない状態になりました。
そして、6番標識を過ぎれば、ツアーコース最後の位ヶ原急斜面へと向かいます。
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