ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.8(2015/06/27〜28) A

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(Update:2015/07/02)

  

【乗鞍岳春山バス、大雪渓に到着】

気温9℃、濃霧

春山バス始発便が到着した8時過ぎの大雪渓の気温は9℃、ご覧のように周囲には濃霧が立ち込めています。

 

寒い! − 肩をすくませて

バスを降りたら、スキー、もしくは、登山の準備を始めますが、とにかく寒い!このコンディションには慣れているはずの常連のボーダーの方も、肩をすくませています。

 

登山道は大雪渓入口より北へ50メートル先
(右奥のハイマツ帯へ)
登山道はまだ雪の中
誘導ロープに沿って進む

そして、登山の向かう方々。左の画像はちょうど大雪渓入口付近ですが、登山道は画像右奥のハイマツ帯付近にあります。初めての方は大雪渓入口を登山道入口と勘違いされます。大雪渓入口から北へ50メートル歩くと登山道入口があります。

こちらの登山道は直接山頂に向かうのではなく、約1km先の肩の小屋まで向かった後は、畳平からの登山道と合流して、山稜方面へと向かいます。ご覧のとおり、登山道はまだ雪の中で、誘導ロープに沿って進んでください。

 

アイゼンの装着をお勧めします。

登山道は全線積雪に覆われていて、登山道入口から180メートルほどの区間は斜度が急であるため、アイゼンがあったほうがよいでしょう。特に下りでは、今日のような冷え込んでバーンがやや硬めのコンディションではアイゼン必須です。

 

誘導ロープは肩の小屋まで続く
濃霧時は誘導ロープから逸れないように...

誘導ロープは肩の小屋の手前まで続いています。その先は雪解けが進んで登山道をはっきりしていますので、ロープを最後まで辿って行けば迷うことはないはずです。今日のような濃霧の場合は、何度も訪れる方でも誘導ロープがなければ、ルートを間違える危険性があります。

 

【大雪渓下部 T】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年同時期の1週間後の大雪渓入口
2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.9(2014/07/05〜06) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.7(2015/06/19〜20) D
今週の大雪渓入口
昨年よりやや早い雪解け

入口の車道沿いの状況ですが、左上は昨年同時期の1週間後の画像で右上は先週の画像、下は今週の画像です。雪渓の端は車道から2メートルほど離れ、昨年よりやや早い雪解け状況であることがわかります。先週は昨年より1週間早い状況でしたので、雪解けスピードは遅くなっています。

 

昨年同時期の2週間後の登山道入口
2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.10(2014/07/11〜12) B
先週の登山道入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2015/06/19〜20) D
今週の登山道入口
昨年より2週間程度早い雪解け

大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。左上は昨年同時期の2週間後の画像で右上は先週の画像、下は今週の画像です。先々週の段階では昨年より2週間早い雪解け状況で、先週は昨年より1週間程度早い雪解け状況に落ち着きましたが、今週は再び2週間早い状況になっています。

 

登山道は雪の中 − 誘導ロープに沿って進む

先ほども申し上げましたが、登山道入口から肩の小屋への登山道は全線雪に埋まっています。そのため、ご覧のような誘導ロープがありますので、それに沿って進んでください。今日のような濃霧の状況では、方向を見失う危険性がありますので、必ず誘導ロープ沿いに登ってください。

 

昨年同時期の1週間後の登山道入口
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2014/07/05〜06) B
今週の登山道入口−隙間は1メートル
昨年より1週間早い雪解け

車道との間の隙間は1メートルほどで、昨年より1週間早い雪解けです。

 

昨年同時期の1週間前のモーグルコースの岩
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2014/06/20〜21) D
先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2015/06/19〜20) D
今週のモーグルコースの岩
昨年より1週間遅い雪解け−昨年より積雪が多いのはここだけ

岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが画像の中央に写るモーグルコースの岩です。そのためモーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

先週ははほとんど雪解けを見せず、昨年より2週間遅い雪解け状況でしたが、今週はやや雪解けが進んで、昨年よりも1週間遅い雪解け状況です。他のエリアが昨年より1〜2週間も早い雪解けを見せる中、昨年より積雪量が多い箇所はここだけです。

 

昨年同時期の1週間後の石碑の岩
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2014/07/05〜06) B
先週の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2015/06/19〜20) D
今週の石碑の岩
昨年より1週間早い雪解け

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。先週と同じく、昨年よりも1週間早い雪解けを見せています。

 

昨年同時期の1週間後の石碑の岩の下部のバーン
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.9(2014/07/05〜06) B
今週の石碑の岩の下部のバーン − 中央部分の岩が出現
昨年よりも1週間早い雪解け

石碑の岩の下部のバーンでは、ご覧のとおり、中央部分の岩がようやく見え始めました。昨年よりも1週間早い雪解けですが、例年並みの状況です。

 

【大雪渓下部 U、大雪渓に訪れるスキーヤー・ボーダー】

「休憩すると寒い!汗をかいたら途端に寒くなる...」

ここからは大雪渓に訪れるスキーヤー・ボーダーの方々の様子をお伝えします。

椅子に腰かけた途端、「休憩すると寒い!汗をかいたら途端に寒くなる...」と、おっしゃるアルペンスキーヤーの方。登山でも同様ですが、今日のような気温の低いときは、絶対に汗をかかないこと...アンダーウェアーの素材にもよりますが、汗がうまく発散されないと、その汗で体が冷やされてしまいます。

 

汗が冷える前に再び行動開始

汗が冷える前に再び行動開始...汗がうまく発散されるように運動量を抑えることも必要でしょう。

 

今日のモーグルバーンは2名

今日のモーグルバーンは2名。バーンは固くはないものの、この1週間でコブが浅くなって、もう少し深さがほしいところ。

 

「もう次のバスで帰ろうかなぁ... 」

滑走的になバーンの硬さは気にならなとのことでしたが、2人で滑ってもなかなかコブを深くできません。「もう次のバスで帰ろうかなぁ... 」と、弱音を吐くときもありましたが、最後まで滑走されたのでしょうか?

 

シーズン初日、体が思うように動かない

さて、こちらは二日目の6月28日(日)の様子。「今シーズンのノリクラは今日が初めて...体が思うように動かない」と、おっしゃるモーグラーもいらっしゃいました。

 

暴風雨

二日目は前日以上に激しい暴風雨。時折顔をそむけないと息ができないほどで、シーズンを通してみても、今日のようにひどい状況は、めったにないといってよいでしょう。

 

少しずつ視界は回復へ

それでも、視界は時間とともによくなり、午後には車道付近まではっきりと確認できるようになってきました。視界が確保されると、コブの形状もよくわかり滑走しやすくなります。

 

雪上感覚を養うにはやはり雪の上でのトレーニングが不可欠

「雪の上でのトレーニングは今日が最後だぞ、次は来シーズンになるから、しっかりと雪上感覚に神経を研ぎ澄ませて練習するんだぞ」という声が飛び交います。冬の時期は当たり前だった雪上トレーニングが夏場になるとできなくなるのがウインタースポーツの宿命です。それを補うことができるのが乗鞍大雪渓でしょう。

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