ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.12(2015/07/25〜26) D
【雪渓上部 T】
雪渓上部全景 |
それでは雪渓上部の様子をお伝えします。
昨年の雪渓上部右側 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.12(2014/07/26〜27) C ↓ |
先週の雪渓上部右側 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.11(2015/07/18〜19) D ↓ |
今週の雪渓上部右側 上端は昨年より雪解けが早く、下部は遅い |
雪渓上部は中央部分で上部から尾根が延びてきて、バーンは左右に分離してくるようになります。こちらの画像は雪渓上部右側で、中斜面が続き、ポールレッスンが盛んに行われるエリアです。上端部分は昨年よりも雪解けが早い傾向が見られますが、下部は昨年よりも雪解けが遅い状況で、全体的にはほぼ昨年並みといったところです。
昨年の鉄塔土台 2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2014/07/26〜27) C ↓ |
先週の鉄塔土台 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2015/07/18〜19) D ↓ |
今週の鉄塔土台 昨年より1週間近く遅い雪解け |
雪渓上部右側エリアの下部、ちょうど雪渓中段につながる位置にある鉄塔土台です。先週は全く見られませんでしたが、今週になってようやく姿を現しました。先週と比べると1週間近く遅い雪解けです。
先週は雷鳥の親子見ましたよ! |
明日のゲート設置のため、先行隊がバーン整備を行っていました。「先週初めて雷鳥見ましたよ!6羽も子供を連れて...」とおっしゃっています。ここ最近は子連れの雷鳥を見かけたという方が結構いらっしゃるようです。先週はちょうど天候が悪くて人出が少なかったため、雪渓にも出没する機会が多かったのかもしれません。
雪渓上部右側上端−昨年より1〜2週間早い雪解け、例年並み |
こちらは雪渓上部右側上端部分。先週より1〜1.5メートル程度の雪解けが見られます。昨年より1〜2週間ほど早い雪解けで、例年並みです。
昨年同時期の1週間後の雪渓上部右側上端 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.13(2014/08/02〜03) C |
さて、こちらは昨年同時期の1週間後の雪渓右側上端。キャプチャーはその当時のものですが、「例年より1〜2週間遅い雪解け」と記されていることを考えると、今年の雪解けはほぼ例年並みと言えるでしょう。
上端から−雪渓下端まで500メートル 昨年より短く、例年より長い |
上端から雪渓入口までの距離は500メートル、2014年は510メートル、2013年は492メートル、2012は453メートル、2011年は天候不良で測定できませんでしたが前週は475メートル、2010年は319メートル、2009年は271メートル、2008年は255メートルです。昨年より短いものの、例年より長い状態です。
「この人のウェア見て見て!」 | デモパン&スキーセーター =当時はみんな憧れた= |
さて、雪渓上部右側でポールを設置して練習するこちらのグループ。「この人のウェア見て見て!」と指差すその先には、「デモパン&スキーセーター」という王道中の王道と言えるスタイル!20〜30年前のスキーブームの時は、このスキーファッションにみんな憧れたものでした。
「ほとんど着ることなく押し入れに眠っていたのを、引っ張り出して着て見ました!」とのこと。押し入れの中には「イカ帽子」とか、まだ宝の山が残されているかもしれませんね〜(笑)
20年ぶりのノリクラ(左の方) =人が少なく滑りやすい、自転車がすごい多くてびっくり= |
そして、左の方はマイカー規制以前はよくお越しになったとのことで、今回は20年振りにお越しになりました。当時の大雪渓はまるでボーリング場のレーンのごとく、びっしりポールレーンが並んでいて、フリー滑走ができる場所がほとんどないほどの混雑具合でした。「マイカー規制以前と比べて、人が少なくなって滑りやすくなりましたが、自転車がすごく多くなりましたね」。と、感想をおっしゃってくださいました。
その隣ではジュニアの練習が行われていました。
サマーキャンプはノリクラで |
夏休みに入って最初のサマーキャンプが、雪の上でのサマーキャンプとは、さぞかし、周りの方々はびっくりされることでしょう。
【雪渓上部 U】
雪渓上部左側 − 上級者限定 |
さて、今回から雪渓上部左側の情報もお伝えします。
こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。
大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。
したがって、8月下旬以降になって雪渓上部左側しか滑走エリアがなくなるとノリクラデビューは出来ませんので、初めての方は雪渓下部や雪渓上部右側が滑走できる8月中旬までにお越しになったほうが良いでしょう。
コブ管理人 − 今日から雪渓上部左側でコブ作り |
コブ管理人が今日はこちらで作業を行っています。例年、8月以降は雪渓下部から雪渓上部左側へ移動しますが、今年は少し早目の準備です。
上端付近 |
上端付近の様子を確認します。
クレパス | 深さは2〜3メートル − 滑落注意 |
ご覧のように一部でクレパスの跡が見られます。深さは2〜3メートル程度で、滑落注意です
上端から−雪渓下端まで252メートル、例年よりも長い |
雪渓上部左側の上端から下端までの距離は252メートル。2008年の同時期は215メートルという記録がありますが、それ以上長い記録はなく、少なくとも例年よりも長い状況かと考えられます。
完成したコブを滑る |
ようやく完成したコブ、滑って形状を整えます。
モーグラーの期待に応えて、今日もコブ作り |
「コブ管理人の作ったコブじゃなきゃダメ...」なんて、黄色い声で言われているか定かではありませんが、コブ管理人のラインを滑りたいというモーグラーの期待に応えて、毎週作り続けます。
【畳平、お花畑】
畳平 |
それではいつものように畳平のお花畑の様子をお伝えします。取材に訪れた7月25日(土)は、早朝からクマ出没が確認され、遊歩道の大半が閉鎖されていました。そのため、入口付近のみの情報となりますがご了承ください。
今日散策できるのは、この先のT字路まで |
階段を降りてその先にT字路があります。そこを右に曲がった先から閉鎖中です。
ハクサンイチゲ | ハクサンイチゲとミヤマキンポウゲ |
今回は入口付近のみの情報ではありますが、現在、入口付近が最も花の勢いがよい状態です。ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲなどがちょう見頃になっています。
コイワカガミが見頃 | ヨツバシオガマが咲き始める |
そのほか、コイワカガミも大半が見頃を迎えています。また、ヨツバシオガマはこれからがシーズン。
ミヤマクロユリの見頃が続く |
ミヤマクロユリは見頃が続いています。
パンフレット片手に |
ガイドブックやパンフレット片手に歩く方々の様子がみられますが、どの花なのか見分けるのはちょっと難しそう。一度わかってしまうと、それほど難しいものではないのですが、想像よりも小さい高山植物は難易度が高いかもしれません。
ミヤマキンバイは最盛期 | ハクサンボウフウ − クマの好物 |
ミヤマキンバイはちょうど最盛期をむかえました。また、その中にハクサンボウフウも...ハクサンボウフウを初めとしたセリ科の高山植物はクマの好物で、これを求めてお花畑などに出没します。
モミジカラマツは開花直前 |
そして、夏が最盛期になると咲き始めるモミジカラマツは開花直前です。
この先、閉鎖中 − 翌日には解除 |
T字路を右に曲がったところから閉鎖されていて、乗鞍環境パトロールがクマの行動を監視しています。ただ、ご覧のように霧が立ち込めてしまい、クマの行方を見失ってしまいました。そのため、クマがまだ停滞しているのか、それとも、移動していなくなったのか判別できない状況で、今日は終日閉鎖が続きました(翌日には解除されました)。
これからの時期、山麓にどんぐりができるまでは、高山植物を求めてクマが頻繁に出没ようになります。ただ、もともと生息していた地域に人間が観光目的で入山しているという状況を考えると、後から入ってきた人間の都合を優先することはできず、クマとの不用意な接触を避けることで、突発的な事故を回避し、共存して行くことが大切ではないかと思います。
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