ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.10(2004/07/19) C

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(Update:2004/07/22)

 

【高山植物】

コバイケイソウ(花)

先週から今週にかけてほんとに多くの高山植物が一斉に咲き誇っています。こちらの花はコバイケイソウ。コバイケイソウは毎年花をつけないことを先々週のノリクラ雪渓カレンダー (Vol.8 2004/07/03) でご紹介しました。昨年は花をつけているコバイケイソウをみかけませんでしたので、今年は花が見られるかもしれないと申し上げました。それから2週間が経ち、ご覧のようにみごとに花をつけています。多くのコバイケイソウが白い大きな花をつけています。

コバイケイソウが数年に1度しか花をつけない理由に、環境の厳しい高山で大型の高山植物が毎年花をつけることは大変であるからという説があります。そんな中、多くのコバイケイソウが花をつけている今年は間違いなく、当たり年といえます。

 

ミヤマダイコンソウ

先週のノリクラ雪渓カレンダー (Vol.9 2004/07/10) でミヤマキンバイとシナノキンバイについてご紹介しましたが、こちらも黄色の花の代表格のミヤマダイコンソウ。ミヤマキンバイやシナノキンバイと異なる点は葉が大きな円形であるところと、ご覧のように岩場で多く見かけるところです。ミヤマキンバイほどではありませんが、よく注意してみていると登山道などでも意外とたくさん見かけることができます。

ハイマツ(雄花)

コイワカガミ(花)

目の錯覚かもしれませんが、今年はハイマツの雄花はかなり赤味が濃い色になっています。緑一辺倒のハイマツ林に点々と赤いアクセントがついています。また、今年はコイワカガミもたくさん花をつけています。その色合いもいつもよりやや濃い目に感じます。ただし、右の画像をご覧になって、クローバー状の葉がコイワカガミのものだと錯覚してはいけません。「岩鏡」というくらいですので、厚手の光沢のある丸い葉です。クローバー状の葉はミヤマキンバイのものです。

どちらも今年はほんとに鮮やかなピンク色を楽しませてくれます。

ハイマツ林の林床

ハイマツ林の隙間に首を突っ込んでみるとその林床にもさまざまな高山植物の世界が繰り広げられています。

コガネイチゴ(花)

ゴゼンタチバナ(花)

左の画像は先週撮影したものですがコガネイチゴ。ハイマツ林の林床に自生することと、花の形からミツバオウレンと間違えやすい花です。ミツバオウレンは「三つ葉」というほどですので葉は3枚ですが、ご覧の画像は葉が3枚のものもあれば5枚のものもあります。また、画像では花が小さいのでよくわかりませんが、コガネイチゴは白い花の下に緑のガクがあり、ミツバオウレンには緑のガクはなく、白い花びらに見えるものがガクです。ちょうどミヤマキンバイとシナノキンバイの関係に似ています。

右の画像はゴゼンタチバナ。こちらもハイマツなどの林床を好む高山植物です。葉と花のつきかたに特徴がありますので、一目で区別がつくでしょう。葉は4枚(4輪生)のものから6枚(6輪生)のものまでありますが、画像をご覧いただくとお分かりかと思いますが、4輪生のものは花が咲きません。

 

ミヤマクロウスゴ(花)

こちらもどちらかというとハイマツ林に寄り添うように自生していることの多いミヤマクロウスゴ。通常のクロウスゴと比べ花が扁平しているところが見分けのポイントとなりますが、花の時期でないと全く見分けがつきません。このクロウスゴ、これまでにもいくつか紹介していますが(2002season-Vol.20 2002/10/05)、実の方もこんな形をした黒紫色です。身近なところで同じような形の実に見覚えはありませんか??もちろん食用にもジャムにもなります。

 

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