ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.14(2004/08/13) B

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(Update:2004/08/19)

 

【高山植物】

チングルマ(実)

先週、お伝えした時(Vol.14 2004/08/08)はまだ白い花をつけていたチングルマです。ご覧のような綿帽子をつけています。これがタンポポのように風に乗って仲間の増やしています。

これまでにも何度もお伝えしているチングルマの実も開ききっているものや、散りかけたものなどが多く、きれいな風車状のものにめぐり合えることはなかなか難しいものです。この時期になると大雪渓エリアのチングルマは花が散って実の状態になっているものが大半ですが、右の画像のようにきれいな風車状のチングルマを見つけることができましたので掲載いたします。

こんなチングルマにめぐり合うと、この花の語源となった「稚車」という言葉がぴったりだということを実感いたします。

 

イワギキョウ(花)

大半のチングルマの花が終り、「稚車」なると咲き始めるのがこちらのイワギキョウ。今 一番勢いのある高山植物です。大雪渓エリアから肩の小屋周辺では岩場よりも、スゲやアオノツガザクラなどと一緒に自生しているケースが多いようです。葉の長いスゲに隠れて咲いていますが、強烈なコバルトブルーは必ず目にとまるはずです。ほんとに今の時期は探さなくても必ず見つけることができる高山植物で、チングルマ、ミヤマキンバイなどと一緒に必ず覚えて欲しい花の一つです。

今年は他の高山植物が早めに開花しているなか、イワギキョウの開花はほぼ例年並といっていいでしょう。

 

トウヤクリンドウ(花)

イワギキョウの開花は例年並ですが、こちらのトウヤクリンドウは例年より2〜3週間ほど早めの開花です。この高山植物が咲き始めると、秋の気配を感じさせます。

前述のホシガラスの冬支度と同様、トウヤクリンドウの開花が早さから、今年は秋の訪れが早いのかも知れません。

 

ミヤマコウゾリナ(花) イワオトギリ(花)

トウヤクリンドウに引き続き、夏のピークが過ぎて秋が近づき始めると咲き出すのがこの2種類の高山植物です。左のミヤマコウゾリナは大雪渓エリアではあまり見かけません。これは畳平のお花畑のものです。まだ咲きかけのものですが、まるで黒いバンダナを首に巻いているかのようなガクから一目で判別できます。そして、右のイワオトギリもつけまつげをしているかのような長いおしべが特徴の黄色の花です。

この2つの高山植物を漢字で書くと「深山剃刀菜(深山髪剃菜)」、「岩弟切」でいずれも刃物から由来しています。ミヤマコウゾリナは葉や茎に鋭い刺を持つことから「かみそり菜」と名づけらたことが由来で、これが「こうぞり菜」となまったものといわれています。また、オトギリはこの植物から妙薬が取れることを他言した弟を仲のよい兄が切りつけたことが由来とされ、葉に点在する赤点はその弟の返り血と言われています。

ミヤマキンバイやシナノキンバイが終わって、この時期に黄色い花といえばミヤマアキノキリンソウに次いでこちらの2つが有名ですが、ちょっと変わった由来を持っている2種類です。

 

ミヤマアキノキリンソウ(花)

そのミヤマアキノキリンソウも大雪渓エリアではようやく咲き始めました。たのエリアでは7月でも咲いていますので、かなりポピュラーな高山植物といえるでしょう。特に位ヶ原あたりでは背丈も大きく、バスの車窓からもバッチリ観察することができます。

 

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