ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2011/06/25〜26) A

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(Update:2011/06/30)

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2010/06/25〜26) A
今週の大雪渓入口
昨年よりやや早い雪解け
昨年の大雪渓入口
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2010/06/25〜26) A
今週の大雪渓入口
昨年よりやや早い雪解け

大雪渓入口付近は、この一週間で高さ50センチ程度の雪解けを見せています。先週と同様に昨年よりやや早い雪解けです。

 

雪渓下端部分

先週までは雪渓下端部分が道路に接していましたが、ご覧のように道路から徐々に離れてきています。

 

登山道入口 − 昨年よりもやや早い雪解け 車道との幅は70センチ

大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。こちらも先週と同様に昨年よりもやや早い雪解け状況です。道路との開口幅は70センチほどです。

 

トイレ付近 − ほぼ雪解け完了

濃霧のため、周辺状況がはっきりしませんが、トイレ付近は、ほぼ完全に雪解けが完了しました。

 

位ヶ原山荘方面へは滑走不可

先週までは、ここから屋根板を経由して位ヶ原山荘まで滑走することが可能でした。しかし、ご覧のように積雪がなくなりましたので、今週からは滑走することができません。

 

ウラジロナナカマド 新芽 − ウラジロナナマドは皮鱗が紫色

こちらは大雪渓入口付近のウラジロナナカマド。ご覧のように新芽が開き始めました。高山帯に自生するウラジロナナカマドと平地のナナカマドの大きな違いは、その名のとおり葉の裏側が白っぽいところ、そして、結実すると真っ赤な実が上向きにつくところにあります。

しかし、新芽を包んでいる皮鱗にも違いがあり、赤っぽい皮鱗のナナカマドに比べて、ウラジロナナカマドは紫色を呈しています。

それを見つければ、葉や実のないこの時期でも、ウラジロナナカマドとナナカマドの区別が容易にできるわけです。

 

クラック − 開口幅は3メートル

雪渓下部にはご覧のようにクラックが入っています。このクラックは5月初めには確認できず、大雨で激しく雪解けした5月中旬から確認されました。急激な雪解けによって発生したものと考えられますが、毎年、ほぼ同じ位置にできています。

クラックの開口幅は先週よりもさらに広がって3メートルほど。さらにクラックの上と下では、雪面の高さの段差が目立つようになって来ました。この状態まで広がってくるとクラックを横断することが不可能となりますので、クラックが閉塞する北端、または、南端から登って行くこととになります。クラックの全長は約100メートル。北端はモーグルコースの岩の下部付近で、南端は石碑の岩の下部付近です。

 

昨年のモーグルコースの岩
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2010/06/25〜26) A
今週のモーグルコースの岩
昨年より一週間早い雪解け

そして、こちらがクラックの南端の上部にあるモーグルコースの岩。大雪渓の中で最初に出現する岩で、7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

先週からの雪解けは高さ1メートル近くにも達し、先週の段階では昨年よりやや早い雪解け状況でしたが、昨年よりも一週間早い雪解け状況となっています。

 

肩の小屋への登山道はモーグルコースの岩の左側に

このモーグルコースの岩の左側には、前述の登山道入口から肩の小屋へ続く登山道があります。

 

一部登山道が見え始める − 昨年より一週間以上早い雪解け、しかしアイゼンは必要

登山道入口から肩の小屋までの登山道の大半は雪の閉ざされていますので、肩の小屋口バス停を下車してこの登山道を利用される方は、アイゼンの携行をお勧めします。特にこのような天候の日はバーンが硬く、登山靴でキックステップを切って登って行くことが困難です。

登山道の大半が雪の中ではありますが、画像のように一部の区間で登山道が見え始めました。昨年よりも一週間以上早い雪解けです。

 

昨年のモーグルコースの岩
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2010/06/25〜26) A
今週のモーグルコースの岩
昨年より一週間早い雪解け

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります。こちらの石碑の岩は先週より1メートル近く雪解けして、先週は昨年よりやや早い程度の雪解け状況でしたが、今週は昨年よりも一週間早い雪解け状況となっています。

 

全面スプーンカット たけのこ状の氷柱

バーン表面は、スプーンカットがほぼ全面に渡って見られ、右の画像のようなたけのこ状の氷柱が随所に発生しています。春の柔らかなバーンから、夏の雪渓のコンディションになって来ました。

 

【肩の小屋、営業開始に向けて】

こちらは肩の小屋。

 

昨年の肩の小屋周辺
2010ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2010/06/25〜26) B
今週の肩の小屋周辺
昨年より一週間早い雪解け

肩の小屋周辺は、先週は雪解けが遅く、昨年よりもやや早い雪解け状況にとどまっていましたが、今週は再び雪解けが激しくなり、先々週と同様の、昨年より一週間早い雪解けとなっています。

 

キバナシャクナゲ

雪解けとともに高山植物の活動が始まります。こちらはキバナシャクナゲの群生。きれいなクリーム色の花を見せています。今年は5月中旬ごろから雪解けが始まり、5月下旬にはつぼみが見られるようなってきて、今週になってようやく開花しました。

 

ピンクの雌しべを中心に、雄しべが並ぶ

高山植物の中で最も早く開花を見せるキバナシャクナゲは、高山植物の中でも大輪の部類に属し、人目につきやすい花であるといえるでしょう。こちらの個体は少し小さめですが、それでも直径5センチ程度あります。中心にはピンクの雌しべが見られ、その周辺の10本程度の雄しべがあります。マルハナバチなどの虫を仲介して、ほかの個体のキバナシャクナゲと受粉すると、夏ごろには結実する様子が見られます。

 

肩の小屋

そして、こちらは肩の小屋。今シーズンの営業開始に向けて設備点検などを行う様子を先週のノリクラ雪渓カレンダーでお伝えしましたが、今日は管理人の方が出迎えて下さいました。(参考 : 設備点検をする先週の肩の小屋の様子 → ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2011/06/17〜18) B【肩の小屋、営業開始に向けて】

 

昼食の準備

訪れた時刻はちょうどお昼時...昼食の準備をしようとされているところです。

 

管理人が指示 スタッフ全員が新人

今シーズンの営業開始に向けて、管理人と4名のスタッフが泊り込んで準備を行っています。今年のスタッフの全員新人...右も左もわからない状態で、管理人が一人ひとりに指示を出します。

 

山小屋の仕事も料理も始めて 管理人のやることを見よう見まねで覚えて行きます

山小屋の仕事はもとより、料理というものを全くやったことのない方々がばかりで、パスタのゆで方も一つひとつ、教えて行きます。

 

寝食を共にする生活がこれから始まります

一日三回の食事はすべてこの厨房で顔をつき合わせます。すべてが共同生活ですべてが未経験の世界...そして、下界とは全く異なる時間の流れに染まってしまうと、肩の小屋の営業が終了する10月中旬には、普通の生活に戻れなくなってしまうかもしれません。

 

肩の小屋は7月1日(金)オープン

今シーズンの肩の小屋の営業は7月1日(金)から始まります。 Next

 

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