ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.24(2013/10/19〜20) C

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(Update:2013/10/24)

 

【乗鞍岳登山道、山頂までは雪道】

肩の小屋(10月6日で営業終了) − 北側は凍りつく

さて、大雪渓の北西に移動して、こちら標高2780メートルの肩の小屋。今年は10月6日(日)に今シーズンの営業を終了して、ご覧の通り、完全に目張りが施され、本格的な冬将軍が訪れてもよい状態になっています。肩の小屋の南側にはほとんど積雪は残っていませんが、北側はご覧のように積雪が凍り始めています。

 

山頂への登山口 − 登山者の姿が絶え間なく続く

今日は10時30分まで乗鞍スカイラインが凍結通行止めだった影響から、シャトルバスも観光センター(乗鞍高原)を出発する長野県側は11時便から、そして、岐阜県側はほおのき平駐車場を10時25分発から、平湯温泉を10時40分発から運行が開始されました。

そのため、シャトルバスの第一便が畳平に到着したのはお昼近くということになりましたが、それでも、シャトルバスの到着と同時に、多くの方々が山頂目指して登ってゆく様子が見られます。例年、紅葉シーズンが終わってしまうと、山頂登山に向かう方々は少なくなりますが、今年は紅葉シーズンが終わってもかなりたくさんの登山客が山頂を目指す様子があり、特に先週の三連休は、乗鞍スカイラインが通行止めで、長野県側は大雪渓・肩の小屋口バス停での折り返し運行でしたが、かなりの登山客がお越しになりました。

これまで、長野県側のシャトルバスは、乗鞍スカイラインが通行止めの場合、大雪渓・肩の小屋口バス停での折り返し運行が実施されたものの、今年は運休にするケースが多く、やはりこれまでどおり、大雪渓・肩の小屋口バス停での折り返し運行を実施して欲しいという声が多いように見受けられます。

 

雪解け時期の肩の小屋〜山頂の登山道(今年5月下旬)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2013/05/24〜26) D
今週の肩の小屋〜山頂の登山道
雪のない時期はわずか5ヶ月ほど

肩の小屋から登山道を登り始めて、ご覧の場所はちょうど、肩の小屋と稜線との中間地点でしょうか。画像の右寄りに大きな岩があります。右の画像が今回のもので、左の画像は今年の5月下旬の様子(2013年5月24日)。

つまり、右画像は冬が始まって雪が積もり始めの様子で、左画像は冬が終わって雪が溶け終わる様子です。ただ、積もり始めといっても今回の雪が完全に根雪になるわけではありませんので、実際には正確な積もり始めはもう少し先のことですが、少なくともこの岩は半年以上は雪の中ということはわかります。

もう少し言うなれば、この岩だけでなく、この周辺の土壌はすべて半年以上は雪の中ということで、周辺のハイマツやキバナシャクナゲやコケモモなどの高山植物も、生育できる期間が非常に限られた厳しい環境であることがわかります。

5月から6月の雪解け期に春スキーにお越しの方へ無用にハイマツ帯に入らないようにお願いしておりますが(※)、このようなごく短い時期しか太陽を浴びることができず、厳しい生存環境にあるからです。

※ この情報は、5月から6月の速報(2013年5月速報2013年6月速報)に掲載しております。左記のリンクはバックナンバーですが、速報掲載時はトップページに掲載されています。
一例として、こちらは2013年5月18日(土)の速報部分です。刻々と進む雪解けのため、稜線方面への登行ルートや滑走ルートは状況に応じて変更が必要となり、春スキーヤー、及び、登山者に有用な情報ですから、乗鞍岳春スキーを計画される際には、事前に確認した上でお越し下さい。
過去の速報は、速報バックナンバーからご覧になることが可能です。なお、画面上部の「・速報」というバナーから入ることも可能です。

 

気温マイナス2℃ − 今日は穏やかな気象状況だったため軽装で問題ありませんでした

このときの気温はマイナス2℃。初冬の気温です。曇ってはいるもののほとんど風もないため、訪れた方々は軽装の方が大半でした。

 

しかし、天候が荒れると厳冬期装備が必要な時期です

しかし、この条件で悪天候になると、完全に厳冬期と同じコンディションとなり、スキーをするときのような完全防寒とアイゼンが必要な条件になってしまいます。もっとも、そのような気象条件の場合は、シャトルバスが運行できませんから、この場所に訪れることすら無理なわけですが...

でも、急激な天候の変化には対応できるように防寒着とアイゼンなどの滑り止め、そして、ストックの携行は、初雪後の晩秋の山頂登山には必須です。

 

すべてのものが凍てつく − ミヤマクロスゲの樹氷

稜線に到着すると、ご覧のようにすべてのものが凍り付いています。こちらは枯れ残っているミヤマクロスゲですが、樹氷といっても良い状態になっていました。

 

稜線西側には権現ヶ池(乗鞍岳の火口湖)が見られる − 表面の氷結が始まる

稜線からは西側の視界が開けて、高山市街地方面を眺めることができます。そして、すぐ手前には乗鞍岳の火口湖である権現ヶ池が見られ、池の表面が結氷し始めています。おそらく、今年初めての結氷かと思われます。

 

稜線東側には位ヶ原や乗鞍高原方面

そして、稜線の東側には位ヶ原から乗鞍高原方面へ重厚な雲海が続きます。夏場も早朝に雲海が広がる様子が見られますが、お昼過ぎてもご覧のような綺麗な雲海が見られることはなく、この時期特有の雲海といえます。さらに進んで、蚕玉岳(こだまだけ、標高2979メートル)の山頂を通過すれば、目の前には乗鞍岳の主峰である剣ヶ峰(けんがみね、標高3026メートル)まであとあとわずかです。

 

【頂上小屋の冬支度】

頂上小屋

こちらは乗鞍岳山頂(剣ヶ峰)の直下にある頂上小屋。

 

営業中 − 記念バッジを買い求める

肩の小屋の営業はすでに終了していますが、こちらではまだ営業が継続されていて、今日も記念バッジなどを求める登山客の方が訪れる様子が見られました。

 

風雪に耐えるよう冬支度が始まる
=春になって屋根に上らないようにお願いします!(春スキーヤー・登山者へお願い)=

営業が行われている中、冬支度が同時におこなわれます。稜線上にあるため積雪量はそれほど多くありませんが、屋根までほぼ埋まるほどの積雪があり、稜線を激しく吹きぬける暴風雪に対応するため、小屋周辺を支柱で補強する必要があります。

小屋の主人の話では、春先には多くのスキーヤー・登山者が山頂に訪れますが、スキー靴やアイゼンで屋根の上に登る様子があり、損傷の危険から、絶対にやめて欲しいとの事でした。厳冬期でも屋根の一部は雪の上に確認できますので、不用意に屋根周辺には近づかないようお願いいたします。この乗鞍岳頂上小屋は大正9年に建てられた古い小屋で老朽化が激しく、早く立て替えたいところです。

 

今シーズンは10月31日まで営業を続けます!!

今シーズンの営業はグリーンシーズン最後の10月31日まで。例年、乗鞍スカイラインや県道乗鞍岳線は10月31日を待たずに冬季閉鎖になることが多いのですが、「天候などの問題で小屋まで歩いて登ってこられないなどの状況がなければ、冬季閉鎖が早まっても10月31日まで営業する!」と、小屋の主人はおっしゃっていました。

 

見事なパノラマ

頂上付近から眺めるこの風景を楽しむことができるのも、今シーズンはあとわずか...

 

気温はマイナス8℃まで低下

15時を過ぎて気温はマイナス8℃まで低下しますが、こんなに穏やかな山頂付近は、おそらく今シーズン最後と考えられます。これからは少しでも天候が悪化すれば、ほぼ確実に雪・霙となり、山頂方面はかなりひどい気象状況となってしまうからです。 Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

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