ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.25(2013/10/26〜27) C

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(Update:2013/10/31)

 

【乗鞍岳登山道、剣ヶ峰山頂へ】

天候が回復し山頂を目指す − 今シーズン最後の剣ヶ峰

天候が回復してきたため、午後からは山頂を目指します。おそらく、今シーズン最後の剣ヶ峰となることでしょう...

 

立ち込める濃霧の中でライチョウ

天候は明らかに回復傾向ですが、まだまだ、濃霧が周期的に立ち込める状況。気温はマイナス2℃で、表土が凍みて硬くなっています。台風が過ぎ去って寒気が入り込むようになり、天候は回復しても気温は逆に低下して行きます。

そんな冬の到来を静かに待っているのはライチョウ...

 

人を恐れない日本のライチョウ − 霊山を守った古来の風習が起因

この登山道は夏場は大勢の登山者が行き交うものの、今はもうひっそりと静まり返り、ライチョウたちも心置きなく歩き回ることができます。

海外のライチョウは狩猟の対象とされた経緯から、人間に対して非常に警戒心を持っています。しかし、日本では古くから高山は信仰の対象とされて、一般人の入山が規制されていたこともあり、人への警戒心が少ないといわれています。

季節に合わせて保護色に変身(換羽)するライチョウは、夏は岩場のような黒〜茶色の羽ですが、冬は真っ白に生え変わります。ご覧のとおり、こちらのライチョウはすでに大半が白い羽毛に変わっています。

 

晩秋は日暮れが早い − 稜線から影が伸びる

時刻は14時を回った頃ですが、稜線から東側はもう翳り始めるようになって来ました。晩秋になると日暮れがどんどん早くなってきます。そのため、山麓から剣ヶ峰登山に向かう場合は、かなり時間に余裕を持った行動が必要となります。

体力や経験などによって大きく異なりますが、三本滝ゲートから剣ヶ峰山頂までは、少なくとも5時間以上は必要と考えられますので、位ヶ原山荘などの山小屋での宿泊をしない日帰り登山ならば、朝一番には出発しないと日暮れまでに帰ることはできません。

シャトルバスが運休したとき、一般観光客の方が登山装備などを持たずに登って行く様子をたまに見かけますが、無謀といってもおかしくないと考えられます。シャトルバスが運休するということは天候状況などが悪いためで、このような条件のときに一般の方が山頂登山すること自体が危険です。

 

乗鞍高原だけ雲の隙間に − 「きっと『乗鞍高気圧』があるんですよ」

稜線から望む乗鞍高原方面。周辺には雲が掛かっているものの、乗鞍高原だけ雲が抜けています。「いつも思うんですけど、山頂から見ていて、乗鞍高原だけ天気がよいっていうコンディションが結構あるんですよ。だから、『乗鞍高気圧』っていうものがあるんじゃないかと思うんです...」

そのような気団が本当に存在するかどうかわかりませんが、今回は登頂にあわせるようにきれいな青空に恵まれ、シーズン最後の山頂登山にふさわしいコンディションとなったことは間違いありません。

 

剣ヶ峰山頂 ダイナミックに雲が流れる(大日岳)

そして、剣ヶ峰山頂ではすべての雲が眼下に流れ、周辺の山々に激しくぶつかっては消えてゆくダイナミックな光景が映ります。

 

雲上から望む非日常のヒトコマ

普段は空を仰いで雲の流れを見るものですが、ここではすべての雲が目線より下の位置で、同じように流れて行きます。この光景は普段の生活の中では存在しない非日常のヒトコマです。

もし、日常生活の中で遭遇できるとすれば、飛行機の客室から眺める光景に相当するものといってよいでしょう。航空路線によっては、乗鞍岳周辺の上空を通過しますので、この画像と全く同じようなものをご覧になれるはずです。

 

【夜は位ヶ原山荘にて...】

夕方の位ヶ原山荘

時刻は17時前。先ほどまでの晴天から、濃霧が立ち込めるようになり、どうやら天候は再び悪化傾向です。こちらは標高2350メートルの位ヶ原山荘。剣ヶ峰山頂からの下山であれば、2時間程度でたどり着くことと思います。

 

どんなに寒くてもやはり生ビールは格別

乗鞍岳周辺にはいくつかの山小屋があります。その中で宿泊できるのは、標高2780メートルの肩の小屋、標高2702メートルの畳平にある銀嶺荘と白雲荘、そして、こちらの標高2350メートルの位ヶ原山荘です。しかし、位ヶ原山荘以外の3施設は、10月上旬から中旬にかけて営業が終了していて、この時期に営業しているのは位ヶ原山荘だけとなっています(10月31日まで)。

そして、どんなに寒くてもやはり生ビールは格別です※。 (※冬季の生ビール販売は中止しています。)

 

ゆっくりした時間が流れる

ゆっくりした時間が流れる中、屋外の風の音だけが異様に響く状況...

 

夕食タイム − 大切な時間を過ごす

夕食タイムは一日を忘れさせてくれる大切な時間...普段はできない話をするための大切な時間...
単に山を登って「あぁ〜楽しかった!」だけではなく、それにまつわるエピソードがそれぞれの人たちに存在するはず...そんな感覚の部分を語り合うためことが本当は大切なことだと思います。

 

夕方から吹雪に − 明日は確実に銀世界!

長い夜が続く山荘の暖かな空間から一歩の外に出てみると、ご覧のように細かな吹雪へと変わってきました。気温はマイナス4℃、このまま降り続けば、明日は確実に銀世界となってしまうことでしょう... Next


■ご注意■

今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。

 

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