ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.6(2014/06/14〜15) E

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(Update:2014/06/19)

 

【剣ヶ峰〜蚕玉岳】

こちらは剣ヶ峰〜蚕玉岳(こだまだけ)稜線。

 

昨年の蚕玉岳山頂付近
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) F
先週の蚕玉岳山頂付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2014/06/07〜08) D
今週の蚕玉岳山頂付近
先週までは過去5年間で最も多い積雪量、今週は例年並み

蚕玉岳山頂は、先週より高さで1メートル以上の雪解けが見られ、この1週間でかなり雪解けしています。先週までは、過去5年間で最も多い積雪状態でしたが、例年並かやや少ない状況となっています。

 

稜線直下の雪解けが進む それでも横幅65メートルあります

稜線直下の部分では、雪解けでかなり砂利部分が目立つようになって来ました。それでも、稜線部分は65メートルあり、右の画像の一番狭くなった部分でも35メートルあり、滑走上の問題点は現時点ではありません。しかし、積雪量が少なくなって雪解けが早くなるため、次週末は滑走できない状況に近づくかもしれません。

 

滑り出しは剣ヶ峰寄りから

稜線直下は雪解けで一部で雪が途切れていて、蚕玉岳直下からの滑走ができなくなり、剣ヶ峰寄りから滑りだす必要があります。

 

午後から天候回復を見込んでお昼の春山バスで

時刻は15時をまわり、春山バス下り最終便に乗車しようとされる方はすでに大雪渓・肩の小屋口バス停、もしくは、位ヶ原山荘まで下山されています。そんな中、声を掛けてくださったこちらのお二人、今日は位ヶ原山荘泊まりとのこと...「今日は午前中は天気が悪く午後から天候が回復すると予測して、お昼の春山バスでやってきました。」

日帰りの方々はすでに下山され、広大なバーンを独り占めしながら、滑り降りて行きます。

 

気温は低めでもバーンは柔らかい

天候が良くなっても、気温は3〜5℃程度と低め。それでも、バーンは春雪特有の柔らかさがあります。

 

昨年の位ヶ原
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) F
今週の位ヶ原
2012年に次いで多い積雪量
昨年の剣ヶ峰直下の岩
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) F
今週の剣ヶ峰直下の岩
2010年・2012年に次いで多い積雪量

上段は稜線から滑り降りたところから見る位ヶ原。今週は雪解けが進んで、ハイマツ帯が織り成す唐草模様がはっきりしてきました。昨年よりも積雪量の多い状態となっていますが、例年と比べると積雪量の多かった2012年に次いで多い状態です。ただ、雪解けがすすんで、各年との差が少なくなってきています。

下段の剣ヶ峰直下の岩付近は、昨年よりも積雪量が多いことは一目瞭然ですが、例年と比べると積雪量の多かった2010年・2012年に次いで多い状態です。こちらも雪解けが進み、今後は各年との差が少なくなってくることが予測されます。

 

滑りはじめから3分の1地点−滑走部分が若干狭くなるが問題ない

稜線から県道乗鞍岳線までの区間の約3分の1程度の箇所ですが、雪解けで両側のハイマツ帯が幅広くなって、滑走部分が狭くなってきました。横幅は30メートル以上あって、、滑走上の問題は全くありません。

 

昨年の3分の1地点の岩場
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16) F
今週のの3分の1地点
岩の頭が出て来た − 昨年より1週間遅い雪解け

この付近は、例年、岩場が現れるようになり、バーンを上下に分断してします。バーンを完全に分断すると稜線からの滑走はできなくなります。今週に入って、その頭が見られるようになって来ました。昨年より1週間遅い雪解けで、例年よりもやや遅い雪解け状況です。

 

稜線からの滑走エリアの全景
後半で表面の細かなピッチが目立つようになって来た

稜線直下は綺麗なバーン表面でした。滑走を進めて、後半部分では雪解けに伴って、表面の細かなピッチが目立つようになってきます。若干滑りにくい状況となっていますが、柔らかい雪質のため、滑走が困難なほどの状況ではありません。

 

県道乗鞍岳線

稜線から約1kmほど滑り降りると県道乗鞍岳線と合流します。

 

切り通しは2.5メートル
例年よりやや多い積雪量

切り通しの高さは2.5メートル。昨年は1.8メートル、2012年は3.4メートル、2011年は1.7メートル、2010年は2.3メートルで、例年よりやや多い積雪量になっています。

 

【乗鞍岳頂上小屋、今シーズンの営業が始まる】

山頂付近の登山道分岐 分岐を左に行くと頂上小屋

蚕玉岳を過ぎて剣ヶ峰山頂方面の登山道が二方向へ分岐しますが、左側を進むと山頂の手前に頂上小屋があります。今シーズンの営業が始まりました。

 

ノンアルコールビール 喉がカラカラで...

今年からビール・ノンアルコールビールも販売を開始し、早速ノンアルコールビールを...「喉がカラカラでここで販売していて助かりました。」と、お買い求めになったボーダーの方はおっしゃっていました。

 

今シーズンは10月31日まで営業予定

今後、周辺の雪解けが進めば、簡易トイレの設置も行われる予定で、今シーズンの営業はシャトルバスの運行が終わる10月31日まで予定されています。

 

【昨年の今ごろは?】

2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2013/06/15〜16)

今回は取材一日目に雨に降られた時間帯がありましたが、二日間を通してみるとやはり空梅雨が続いている感じです。

取材一日目の6月15日(土)は、早朝は青空がのぞいていたものの、10時過ぎから雨が降り始め、午後からは本格的な雨降りとなってしましました。
大雪渓に到着した春山バス始発便は2台運行されました。もちろん、大半がスキーヤー・ボーダーの方々ですが、シールやスノーシューを装着して山頂方面を目指す方は皆無。レーシングキャンプにやって来たスキーヤーの方々とモーグルボーダーの方々のみで、ほとんど7月以降の夏スキーのシーズンそのものの雰囲気でした。午前中の雨はレインウェアの不要な状態で、お昼過ぎからまとまった降り方となりますが、レインウェアーがびしょ濡れになるほどではありませんでした。しかし、15時過ぎから本格的な降り方となり、梅雨のシーズンらしい天候の一日でした。

取材二日目の6月16日(日)は、朝一番は曇り空でしたが、7時過ぎからきれいな青空に変わって来ました。空気感には昨日のようなムシムシした感覚はなく、山麓から周期的に湧き上る雲が涼しい空気を運んできて、強い日差しがあっても暑さをまったく感じさせません。稜線まで登りつめるスキーヤーもいつも以上にのんびりした雰囲気で、眼下に広がる雲の流れを楽しんでいます。午後になると、風が収まって強い日差しが夏の雰囲気を感じさせるようになり、梅雨らしくない一日となりました。

大雪渓・稜線付近の積雪量は、全体的に昨年・例年より少なく、1〜2週間程度雪解けが早い状態です。また、稜線付近は雪解けがすすみ、滑走できるのはおそらく今回までで、次週末は滑走不能になる可能性が高い状態です。

 

<編集後記>

「雨対策...」

これからの時期、いやでも雨とのお付き合いが必要になってきます。一年を通して歩いていると、ある意味、厳冬期の吹雪よりも厄介に感じるものです。雪よりも雨に濡れたほうが低体温の心配があり、夏山でも低体温症による事故が各地で発生します。そのため、雨には濡れないことが体力消耗を軽減させるには大切なことです。

厳冬期やバックカントリーの時期が終りに近づくと、軽装でお越しになる方が増えて来ますので、あえてこの時期に雨対策について申し上げたほうがよいと思っています。

先ほども申し上げたように、まずは濡れないこと...
登山用のレインウェアを着ることは必要最低限と思います。登山や夏スキーにお越しになる際には、登山用にレインウェアを必ず持参して下さい。登山用のレインウェアは作業用のビニール合羽よりも軽量ですから、ザックに忍ばせておけば防寒着にも役立ちます。

また、盲点なのが手袋と足元。
雨の日は気温が10℃以下まで低下することもあります。あまり気にならない方もいらっしゃるかもしれませんが、冷え切ってしまうと辛いと感じる方も多いかと思います。レインウェアに関しては作業用よりも登山用のほうが良いと申し上げましたが、手袋に関しては作業用のゴム手袋が結構使えるもので、防水性をうたった登山用よりも優れているケースがあります。ただ、蒸れは必ずありますから、インナーグローブを併用することが必要です。足元は靴紐部分の対応がなかなか難しく、ブーツカバーを使用するくらいしかないかもしれません。

いずれにしても、雨が内部に入ってこないように、目止めを一つ一つ施すつもりで対応すれば、かなり効果があるかと思います。対策をするとしないでは快適さにかなり違いがあります。今年の梅雨を快適に過ごすためにも再考してみても良いでしょうね。

 

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