ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2014/06/20〜21) @

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(Update:2014/06/26)

 

通常、土曜日・日曜日の取材ですが、この週末は6月22日(日)に第9回乗鞍天空マラソンが開催された都合から、今回は一日前倒しして6月20日(金)・6月21日(土)に取材を行いました。なお、乗鞍天空マラソンの特集は、7月上旬に掲載を予定しております。今しばらくお待ち下さい。

6月20日(金)は、岐阜県側の乗鞍スカイラインから山頂方面を目指します。昨晩はややまとまった雨が降っていたものの、夜明け前までには収まり、曇り空の朝を迎えます。シャトルバスが出発するほおのき平駐車場では、雲間に青空がのぞくようになって来たものの、乗鞍スカイラインは、森林限界を超えるあたりから目の前すら見えないほどのひどい濃霧。8時の畳平の気温は2℃まで冷え込んでいます。また、ほとんど視界の効かない岐阜県側とは裏腹に、長野県側の大雪渓・位ヶ原方面は視界が開け、平日ではあるものの、数名のスキーヤーがモーグルコースを滑る様子があります。ただ、山頂方面は畳平と同様に絶えず足早に雲が流れ、ほとんど視界の効かない状況です。そして、13時ごろからパラパラと雨が降り始め、15時過ぎには冷たい雨が激しく降ります。視界の効かない中での取材に苦労させられた一日でした。

6月21日(土)は、長野県側の乗鞍高原より山頂方面を目指します。天候は薄曇で山頂方面はやや霞んでいるものの、はっきりと確認できます。観光センター前駐車場は、明日開催される第9回乗鞍天空マラソンの大会会場となるため、駐車スペースの一部が規制され、乗鞍岳春山バスの発着は車道沿いの路線バスの停留所に変更されています。そして、春山バス始発便が大雪渓に到着した8時時点では、まだ雲間に青空が確認できたものの次第に雲は厚くなり、山頂付近が雲に飲み込まれるようになってきます。そして、お昼を過ぎたあたりからパラパラと雨の降りだす状況となってしまいました。午後からは乗鞍天空マラソンの受付が観光センターで実施され、受付を済ませた選手の中には、乗鞍高原内の特設のトレイルコースを楽しむ様子もあり、会場周辺は多くの人で賑わいます。夕方になって、雨の降り方が強くなるタイミングが見られるようになり、明日のレースが気がかりです。

梅雨の時期としては、当たり前のような天候の二日間となりましたので、濃霧のために一部撮影できなかった箇所や不鮮明な画像がありますがご了承ください。なお、冒頭にも申し上げたように、6月22日(日)に開催された第9回乗鞍天空マラソンの特集は、7月上旬掲載予定です。今しばらくお待ちください。


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【6月20日(金)、ほおのき平駐車場】       【乗鞍スカイラインを行く】
Page-2 : 【畳平に到着、畳平周辺】       【肩の小屋へ】       【肩の小屋】
Page-3 : 【稜線へ】       【稜線】       【剣ヶ峰〜蚕玉岳】
Page-4 : 【6月21日(土)、観光センター前駐車場】       【乗鞍岳春山バス、大雪渓へ】
Page-5 : 【春山バス、大雪渓に到着】       【大雪渓下部】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>
 
●参考資料●
(乗鞍岳春山バス) − 2014シーズン 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘・大雪渓)の運行について
(ツアーコース概要) − ノリクラガイドマップ(冬〜春スキー版)
(位ヶ原・大雪渓・山頂方面 概要) − ノリクラガイドマップ(春〜夏スキー山頂版)
(大雪渓〜位ヶ原山荘) − 大雪渓から位ヶ原山荘への下山滑走ルート(滑走しないことを推奨−大雪渓から春山バス乗車を!)   (Page-5)

 

【6月20日(金)、ほおのき平駐車場】

ほおのき平駐車場

早朝6時のほおのき平駐車場。岐阜県側 乗鞍スカイラインシャトルバスの乗り換え駐車場です。長野県側では観光センター前や三本滝など複数の乗り換え駐車場がありますが、岐阜県側は、ほおのき平駐車場のみとなっています。なお、シャトルバスの始発は平湯温泉となっているものの、平湯温泉には乗り換え駐車場はありませんのでご注意ください。

 

昨晩の雨は収まり曇り空の朝

昨晩の雨は収まり、ご覧のように曇り空の朝を迎えています。気温は14℃で、長袖でちょうどよい気候です。

 

シャトルバスバス乗り場

昨晩は結構まとまった降り方を見せたものの、乗鞍スカイラインは雨量規制値に達することはなかったようで、今日も通常通り7時に開門され、シャトルバスも通常通りの運行が始まります。

 

畳平の天候 − 天候不良 今日はAダイヤ
ただし、平日のため便数が少ない

今日の畳平の天候はご覧の通り、濃霧で気温は2℃。この時期の気温としては、それほど低いという状況ではありません。ほおのき平の現時点の気温は14℃ですから、その気温差は10℃以上にも及んでいます。そのため、ほおのき平駐車場で寒さを感じなくとも、シャトルバスに乗車する際には、長袖などの防寒着が必ず必要です。

そして、今日の運行ダイヤは正常時のAダイヤ。ただし、今日は平日ですので、1時間に1本の割合で運行されます。

 

7月13日(日)は自転車大会開催のため一部運休

少し先の話ですが、7月13日(日)に、乗鞍スカイラインでは自転車のヒルクライムレース「乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム」が開催されます。(掲示では「乗鞍ヒルクライム」となっていますが、こちらが正式名称です。)

昨年までは、シャトルバスや一般の車両(バス・タクシー)が通行する中で、レースが行われましたが、今年から、レース時間中(8時10分〜11時10分)は乗鞍スカイラインを通行止めとします。そのため、シャトルバスも、該当する時間帯のシャトルバスは運休となります。

また、通行止めは乗鞍スカイラインだけでなく、国道158号線から乗鞍スカイライン(平湯ゲート入口)へ接続する道路(ほおのき側〜平湯ゲートの県道乗鞍公園線、平湯温泉側〜平湯ゲートの県道平湯久手線)も、あわせて通行止めとなります。

詳細については、追ってご連絡いたします。なお、長野県側のシャトルバスについては、通常通り、畳平まで運行される予定です。なお、大会の模様は、第9回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの特集 をご覧ください。(2013年の第10回大会は雨のため中止でした。)

 

始発便を待つ 残雪期のノリクラは初めて − ちょっと不安そう

シャトルバス始発便をお待ちのこちらの方々。「夏のノリクラは来たことありますが、残雪期の山頂登山は初めて...アイゼンが必要ということでちょっと不安です。」とのこと...今年は稜線付近の積雪量が例年より多く、積雪部分を歩く距離が少し長くなっています。

ザクザクの春雪ならアイゼンが必要ありませんが、最下層の氷部分が現れ始めると、逆にアイゼンが必要になるケースもあります。ただ、先ほど申し上げたように、今年は積雪量が多いため、まだ、最下層の氷部分が現れる様子は見られず、現段階ではザクザク状態のため、登りに関してはアイゼンがなくても良い状態となっています。ただし、下りについては、アイゼンがあったほうが良いと感じる方もいらっしゃるかと思います。

 

シャトルバス始発便が到着 青空が広がり始める

そして、シャトルバス始発便はいつものように到着です。そして、上空には綺麗な青空が広がり始め、今日は天候が回復するのでしょうか?それとも、この青空は山麓だけのことでしょうか...

 

【乗鞍スカイラインを行く】

ここから乗鞍スカイライン(平湯ゲート)−マイカー規制

ここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。ほおのき平駐車場から6kmほどのところにある平湯ゲート。乗鞍スカイラインはここから始まります。道路左側に平湯ゲート詰所があり係員が許可車両のチェックなどを行っています。この先はマイカー規制となっていて、バス・タクシー・自転車と特別に許可された車両のみの通行となっています。

平湯峠(平湯ゲート)周辺には、マイカーの駐車場がありますが、シャトルバスの停留所はありません。そのため、ほおのき平駐車場でシャトルバスに乗り換えてください。

 

昨年の平湯峠付近
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2013/06/21〜22) @
今週の平湯峠付近

標高1684mの平湯峠ゲートから乗鞍スカイラインを進むと、周囲の山肌は新緑が深く色付いています。これまでは1週間ごとにその変化が感じられましたが、今週はほとんど変化がなくなり、新緑の成熟度に落ち着きが見られるようになって来ました。

 

針葉樹の深い緑、落葉樹の若い緑

先週も針葉樹の深い緑と新緑の若い緑のコントラストをご紹介しました。ただ、先週は乗鞍スカイラインの周辺の山々の様子をご覧いただきました。今週に入って、乗鞍スカイライン沿道の木々もそれがはっきりとして、さらに広範囲に見られるようになっています。

針葉樹と落葉樹の一本一本が「濃い緑」と「若い緑」にはっきりと分かれていて、これが気になり始めると、緑色のバリエーションの奥深さに興味がわくものです。

 

山並みに低い雲海が流れ込む

いつもの展望台から望むと、山肌を飲み込むように雲が流れています。雲海の一種ですが、ここまで低い雲海はあまりなく、やはり今日はあまり天候は安定していないのかもしれません。

 

昨年の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2013/06/21〜22) @
先週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.6(2014/06/14〜15) B
今週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)

マイカー規制前にあった夫婦松料金所を1kmほど進んだ4kmポスト付近の様子。昨年はまだごく一部で残っていますが、今年は先週の段階で積雪がなくなりました。

 

昨年の乗鞍スカイライン(猫の小屋跡地)
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2013/06/21〜22) @
先週の乗鞍スカイライン(猫の小屋跡地)
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.6(2014/06/14〜15) B
今週の乗鞍スカイライン(猫の小屋跡地)

さらに進んで、こちらは標高2200m付近の猫の小屋跡地。先週の段階で雪解けが完了しました。積雪量の多かった2012年と2013年も、この週に雪解けが終了しています。先週と比べるとダケカンバの芽吹きが始まっている様子が見られます。また、昨年のほうが雪解けが遅かったにもかかわらず、昨年のほうが芽吹きがはっきりしている点が不思議です。

 

この先森林限界 − 完全に濃霧

森林限界を超える8kmポスト付近から、ご覧のように完全に濃霧に飲み込まれてしまいます。ほとんど風はなく、濃霧は全く動かず視界に変化はありません。

 

どこを走っているのか全くわからない状態

途中に片側交互通行用の信号がありますが、間近に来ないと全くわからないほど。また、右の画像も雪の壁がありますが、余程通いなれていなければ、どこの画像なのかわからないでしょう...(11kmポスト手前の四ッ岳カーブです。)

 

先週の乗鞍スカイライン(12kmポスト付近)
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.6(2014/06/14〜15) B
今週の乗鞍スカイライン(12kmポスト付近)
全く見えません
先週の乗鞍スカイライン(桔梗ヶ原)
ノリクラ 雪渓カレンダー  Vol.6(2014/06/14〜15) B
今週の乗鞍スカイライン(桔梗ヶ原)
視界は10〜20メートル −今日は自転車走行規制が実施

そのため、晴れている日の画像と比較しながらご覧いただきます。上段は四ッ岳カーブから土俵ヶ原を抜けて桔梗ヶ原手前の12kmポスト付近。晴れていれば、左の画像のように烏帽子岳などもはっきり確認できるはず。

下段はさらに進んだところにある桔梗ヶ原。この付近になると視界は10〜20メートルで、ヘッドライトを点灯した対向車も直前までやってこないとわからない状態です。乗鞍スカイラインで気象に関する通行規制は雨量、風速、積雪凍結がありますが、濃霧による通行規制はありません。ただ、自転車に関しては、濃霧による通行規制が実施されます。

おそらく、この状態では自転車が走行すると、後続車両からの追突されるの危険性などがあり、通行規制が実施されるわけです。

 

昨年の鶴ヶ池雪渓
2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2013/06/21〜22) @
今週の鶴ヶ池雪渓
赤丸箇所(滑走エリアに向かう通路)の雪解けが進む
次週末は滑走禁止の可能性も

畳平に到着する手前に鶴ヶ池雪渓が広まります。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。畳平から歩いてすぐの場所にあることから、初めてお越しになったスキーヤー・ボーダーの方にも安心してお勧めできる場所です。例年6月下旬まで滑走可能です。積雪量は昨年と比べて積雪量の多い様子が見られますが、例年並みかやや少ない状態です。

今回は濃霧のため撮影できませんでしたが、翌日の6月21日(土)の画像を畳平関係者よりいただきました(有難うございました)。
滑走エリアに関しては問題ない状態ですが、隣接する駐車場(畳平鶴ヶ池第2駐車場)から滑走エリアに向かう箇所(赤丸部分)の雪解けが進んで、次週末は途切れてしまう可能性があります。完全にハイマツ帯が出てしまうと、滑走禁止の措置がとられます。

なお、今後、滑走禁止の措置がとられた場合は、トップページのお知らせのコーナーにてご案内いたしますので、随時チェックしてください。

 

畳平に到着

平湯峠から14.4km、国内の自動車道でもっとも高いところに位置する標高2702メートルの畳平に到着です。

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■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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